津山市議会議員が本気で語るインフルエンザ脳症撲滅への処方箋。

未来拓く、みうらひらくです。
津山市議会議員、三浦ひらくです。

5歳の愛娘・愛來(あいく・愛称くーちゃん)を亡くしたことで、腫れ物に触るようかのように接していただくことが多いのですが…2月14日、バレンタインデーから公務に復帰しております。今年は史上最悪のバレンタインでしたけどね。

キットカット1つ貰ったな…その場の全員に配ってた気がするけど。

仕事に復帰しているとは言いつつも、明らかに集中力が欠如してしまう時間帯があったりで…関係各位にご迷惑とご心配をお掛けしているところ

今もどこかで見てくれているであろう娘に「パパ、お仕事ちゃんとしなきゃ!」と叱られないように…しっかりと頑張ってまいります!

先だってのエントリーで娘のことについて、しばらく自分の中で向き合っていくという決意を書いたばかりですが…選挙ドットコムさん経由で当該記事をYahoo!ニュースの全国版に転載していただいたこともあり、非常に多くの方々から様々な声を頂戴いたしております。

愛する人のために。インフルエンザ脳症で娘を失った父親の願い。

2020-02-13

書いた以上、多くの方々に読んでいただけるのは望むところ。

そこで誤解を招くことがないように、伝えたい意図を正確に理解していただくため…説明しておいた方が良い点があると判断したため、本日から始まる津山市議会3月定例会の前に、改めて書くべきことを書いておきます。

全定例会で質問したとしても任期中に16回、声を直接届けられるチャンス。私に投票してくださった皆さまはもちろん…ずっと応援してくれている娘のためにも、今回も一般質問は行います!特に言及しておくべきだと考えたのは…あたらしい党代表&日本維新の会所属の音喜多駿参議院議員からも拡散にご協力くださった際に言及いただくなど…多くの皆さまが気にしておられるインフルエンザワクチンについてです。

上記エントリー内でインフルエンザ脳症撲滅のため、ワクチンに言及している部分があります。

インフルエンザ撲滅に成功すれば当然可能ですが、現実にはインフルエンザはもう何十年も…毎年のように流行を繰り返しています。またワクチンには重篤化を防ぐ効果は期待できても、インフルエンザ脳症を防ぐ効果はないのです。

インフルエンザ脳症はワクチンで防げると思っている方、逆にワクチンが脳症を引き起こすと考えている方…様々な考え方を持っている方がおいでのようですが…実際はインフルエンザに罹患した者の中で、どういう患者が脳症になるのかはわかっていないのです。

つまり現在事実上、インフルエンザ脳症の罹患を100%防ぐ手段はありません。

ワクチンは積極的に接種すべきだと考えています。効果を否定する意図はありません。

しかしすでにご存知のように…ワクチンを打っていても脳症になるのです。

はっきりさせておく必要がありますが…ワクチン接種の有無とインフルエンザ脳症の発症には相関関係は認められていません。これは何度も医師に確認した事実で、間違いありません。

インフルエンザ脳症を完全に防ぐ手段は現在、存在しません。

だからこそ正しい知識を持っていただき、罹患が疑われるような際には救急車を呼び、一刻も早く大きな病院で処置を受けるべきだと訴えたのです。インフルエンザという病自体の流行を抑えるという観点、またインフルエンザの症状そのものを重篤化させないという観点からも、ワクチンの有用性は否定しません。

しかしインフルエンザウイルスがキッカケになることは間違いないものの…インフルエンザの症状が重篤化するとインフルエンザ脳症になるという理解は、語弊を恐れず言えば誤っています。

医療従事者でもない私が医学的なことに言及するのは、決して好ましいことではないでしょう。

それを承知の上であえて言うと…インフルエンザウイルスが原因となり体内の免疫系が暴走し(サイトカインストーム)、脳以外にも多臓器不全など非常に重篤な症状を引き起こし、発症から極めて短時間で死に至ることすらあるのがインフルエンザ脳症です。インフルエンザ脳症は…何度説明を聞いても、論文等を読んでも、また幾つものチューブが繋がれた状態でベッドに横たわっていた娘の姿を見ても…私たちが知るインフルエンザとは全く別物であると言わざるを得ませんでした。

当然ながら父親として、本当はこのような情報は書きたくもありません。

しかしながら病理解剖すらできないほど…頭蓋骨の中で脳の状態が悪化するまで頑張ってくれた愛來が、いったいどんなメッセージを私たちに伝えようとしたのか。

世界中の人のためになりたいと言っていた彼女の言動を思えば…この世界に残された我々がなすべきは同じような悲しい亡くなり方をする人が1人でも少なくなるように…つらい思いを抱えて生きる人が1人でも少なくなるために尽力することだと思い至ったのです。

最終的に、それは家族の総意でした。

インフルエンザについては、あまりにも身近な病であるがゆえに、私たちの多くがどこか…ただの風邪の延長線上にあるものだと捉えてしまいがちです。

しかしインフルエンザウイルスが原因となり、老若男女問わず(特に発症が多いのも、後遺症が残ることが多いのも、亡くなることが多いのも子どもですが)全ての人が罹患する可能性があるインフルエンザ脳症は、風邪とは全く異なるレベルの病です。

その恐ろしい病に罹患することを完全に防ぐ手段は存在しない…だからこそ私が声を大にして皆さまに伝えたいのは、罹患が疑われる際にはあらゆる手段を講じて、命を守ってほしいということ。

救急車を呼んで、専門家…つまり医師の治療に頼ってくださいということ。素人判断は無用。

むしろ危険を大きくする…そのせいで命を失うことすらあり得ます。医師や看護師が信用できないなら病院に行く意味はありません。大切な誰かの命を、もし…本当に失うことが怖いのであれば、怪しげな民間療法やインターネットに掃いて捨てるほど転がっている誰が書いたのかもわからないような情報に踊らされることなく、プロフェッショナルに委ねるべきだということです。

少なくとも私が接した救命救急の現場におられる方々は、皆さま強い覚悟をもって職務にあたっておられました。

もちろん手洗いやうがい、そしてインフルエンザワクチンの予防接種等によりインフルエンザ自体の蔓延、流行を抑えること等…予防医療にも大きな意味があります。それでも、現実を見てください。

もう何年もずっと…私たちが子どもの頃からずっと…毎年のように繰り返されるのがインフルエンザの流行であり、悲しいことに毎年何人もの方が亡くなっているのです。

決して甘く見ることができる病気ではないインフルエンザ…そのウイルスが原因となり、元気だった子どもが(大人でも)…それこそ、あっという間に命を落とすことがあるのがインフルエンザ脳症なのです。

命を救うために。

日々進歩するテクノロジーを取り入れ、医療技術を磨き、非常に難解な専門資料に向き合い、実際の治療に当たってくださっている現場の医師や看護師などスタッフの皆さまがたには…娘を失った今でも、敬意と感謝しかありません。
わかっているつもりでしたが本当に大変なお仕事です。

現場の皆さまが働きやすい環境を整えることが、多くの命が救われる結果に繋がることは明らかで、そうした面でも私も自分自身の職務・責務と向き合った際に…これから先、政治にもできることが沢山あると考えています。

津山市議会議員として、そして自分自身の命よりも大切な娘の命をみずからの判断ミスで失ってしまった父親として、私にできることがあれば…いつでもご連絡ください。

すでに幾つか、具体的相談やご連絡を頂戴しております。

今まで以上にいつでもそばにに娘の存在を感じながら、彼女と共に、この世界から悲しい思いをする人が1人でも少なくなるように…三浦ひらくは精一杯尽力してまいります。引き続きのご指導ご鞭撻を賜りますよう、何卒よろしくお願いいたします。

実はこうした種類の宣言はすでに先日、津山市議会の関係者の前ではさせていただきました。それ以外にも様々なシーンで…強い父親優しい父親といったお言葉をいただくことが多々あります。とても、ありがたいことです。

でも、違うんです。

私は誰よりも、自分自身の弱さを知っています。

強くあろうとしているだけです。

今までも…娘が元気な間も、そうしてきました。その原動力…私の全ての活動の最大のモチベーションとなってくれていたのが、くーちゃん…娘の愛來でした。

私を津山市議会に送り出してくださったのは間違いなく、期待して投票してくださった有権者の皆さまがたです。しかし娘の存在が議員として、政治に携わる者として…父として私を成長させてくれたこともまた間違いないのです。

城下町である津山市には多くの歴史的・文化的な遺産があり、誇るべき過去の積み重ねとしての今現在があります。

それでも私は、未来よりも大切な過去はないと思うのです。

もちろん過去も現在も大切。

ただし過去は、絶対に変えられません。

過ぎ去ってしまった時代を懐かしむあまり、あるいは目先の今だけのことを考えるあまり、より良くすることが可能な未来のこと…子どもたちが生きる明日、そしてその先のことを忘れてしまっては絶対にいけません。これこそ私が最も重視する政治的行動原理で、その大切さを人生全てかけて教えてくれたのが娘でした。

彼女は私が出会ったことがある誰よりも強く、誰よりも優しかった。

その父親として頑張らないわけにいかないからこそ、頑張っています。

本当に強いのは私ではなく、私の中の娘…くーちゃんなのです。

インフルエンザ脳症撲滅のためには、医療現場はもちろん…保育の現場や子どもたちの親自体の働き方を変えていくことなど、政治にしかできない角度からアプローチしていくことも必要になります。

またインフルエンザ脳症に対する知識の啓発…つまり普及拡散には、医療従事者でない私たちが誤った理解を広めないようにすることが肝要

予防接種の義務化・金銭的負担軽減の検討などインフルエンザそのものの予防は当然行っていくとして…インフルエンザ脳症が疑わしいような症状が見られた場合は即、119番すべきです。

#7119もあります。しかし津山市はもちろん…いまだ岡山県全体が非対応地域です。

迷ったら、救急車は呼ぶべきです。

空振りを恐れることはありません。本当に恐れるべきは、愛する者を失うことです。

かつて私自身が友人に語ったことがある話を、今回偶然にもしてくださった方がおられました。

この世界から誰かがいなくなったとき。

いなくなった人のことを大切に思うのであれば…残された人は、先にいなくなってしまったその人のことを覚えておくべきです。

人が本当に死ぬのは…脳が死んだときでも心臓が止まったときでもありません。

その人が生きていたことを覚えている人が、この世界に誰もいなくなったときです。

この件に言及してくださった永山久徳さん同様…実は私自身も墓参りをほとんどしませんし、お盆やお彼岸も限りなく無視して生きていますが…先にいなくなってしまった大切な人たちのことは、ずっと忘れていません。

くーちゃんのことは、妻や私がいなくなったとしても…きっと覚えていてくれる人がいる。

有難いことに、そう確信できています。

最後に…悲しい思いを抱えている人には発売したてのこの本がオススメ。

皆が幸せに生きていけますように。

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三浦 ひらく

三浦 ひらく -PROFILE-

世界を暮らしやすく楽しく変えるため、相棒ひらくマと一歩ずつでも現状改善していくために日夜ハゲむ、1978年生まれの岡山県津山市議会議員。選択肢の多い社会を目指し、政治も手段の一つと捉え、地域振興、多様性理解促進、生きづらさ解消、表現の自由を守るための活動、インフルエンザ脳症撲滅、臓器移植意思表示推奨などをライフワークとして活動している。

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