「国が動いた万歳!」で終わるなら地方議会は不要。ここからが地方自治の本番。お願いから実装する政治へ。

未来拓く、みうらひらくです。
津山市議会議員、三浦ひらくです。

先だって、教育をめぐる国の動きが一つ前に進みました。

2月27日、今国会に提出する2本の法案が閣議決定したことが文部科学省から発信されています。高校授業料を支援する就学支援金制度について所得制限の撤廃などを行う法案と、令和8年度からの中学校35人学級実施などを盛り込んだ法案です。文科省は約40年ぶりの学級編成の標準引き下げとなる後者については特に、子どもたち一人ひとりのニーズに応じたきめ細かな指導体制の整備と、教師の働き方改革の推進を図るものだと説明しています。

方向性としては当然、歓迎すべき話。

少人数学級の拡充も、教育費負担の軽減も、全国の多くの学校現場はもちろん…津山市教育委員会や津山市議会においても、ずっと必要だと言われ続けてきていることです。実際、私自身もこれまで繰り返し、”実効性のある”教育環境の充実や子どもたちへの支援強化の必要性を訴えてきました。例えば昨年6月議会の請願審査やその後の反対討論においても、趣旨へは共感する…だからこそ「意見書を出して仕事をした気になるのではなく、津山市として何をやるのかを詰めるべきだ」という考え方を明確に示してきたところです。

本当に今必要な議論は何か?6月議会閉会日、内容に共感しつつ2件の請願に反対討論した理由と結果を確認!

2025-07-01

だから今回、改めて強く言いたいのです。

国が動いたから終わりではなくむしろ、ここからが地方自治の本気を見せるとき!

高校授業料支援の所得制限撤廃と聞くと、聞こえは良いでしょう。確かに前進です。けれど、授業料だけ下がれば教育格差が解消するほど現実が甘くないことは現状をそれほど理解しておらずとも想像できることでしょう。制服代、教材費、端末代、通学費、部活動費、遠距離通学や下宿の負担…地方で子どもを学ばせるには、授業料以外にもお金が掛かります。文科省の予算案でも、授業料以外の教育費負担軽減のため、例えば高校生等奨学給付金の対象拡充が盛り込まれていること自体、授業料への配慮だけでは十分ではないという国の認識の表れでしょう。

中学校35人学級も同じことです。

1クラスあたりの生徒数を減らせば、それだけで現場が救われるわけではないわけです。文科省の資料では35人への引き下げる方向と併せて、養護教諭の配置充実や学校事務体制の機能強化などを含む定数改善計画が打ち出されています。裏を返せば、人数を減らすだけでは足りないと国が認めているということです。教員が足りなければ意味がない…講師が見つからなければ回らない…教室の確保、時間割編成、校務分掌の見直し…特別支援や不登校・長期欠席対応との接続まで含めれば、現場の問題はそんなに単純で簡単な話ではないことは明白です。

津山市が今やるべきことは何か?

ここでまた「国へ要望します」「注視します」「状況を見守ります」で終わるなら…正直言って話にならないと思っています。そんな姿勢では津山市が津山市として独自の教育委員会を設け、自治体として子どもたちの教育に向き合う意味がないとすら言えるのではないでしょうか。

私たち議員が問うべきは、もっと具体的な話。

令和8年度から、津山市内のどの中学校のどの学年に、どの程度の影響が出るのか?
35人学級化によって必要になる教員数をどう見込んでいるのか?
県費負担教職員だけで回るのか、それとも市独自の加配や支援員配置をさらに厚くする必要があるのか?
養護教諭、学校事務職員、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーを含めた支援体制は足りているのか?
授業料支援の拡充が進んだとしても、津山の子どもたちの進路選択を阻む”授業料以外の壁”に対して、どういった見解を持っていて、市として何ができるのか?

ちょっと考えるだけでも幾らでも問いが浮かんできます。

こうした津山市独自の話を詰めてこそ、初めて地方議会の議論は意味を持つのではないでしょうか?

以前に何度も議場での本会議や委員会審査において、そして当ブログにおいても触れてきている通り…少人数学級や教職員定数改善は、すでに国において具体的に進行しているテーマでした。その中で私がわざわざ討論の時間をいただいてまで問題提起した趣旨は、津山市単独で意見書を出すことそのものではなく、それで仕事をしたことにしてしまう”政治の浅さへの警鐘”です。国が動いているなら、地方がやるべきは”お願い”の上塗りではないはず。津山市の現場に落とし込んだ時に何が足りず何を足すべきか、場合によっては何が余分で何を削るのか…いったい何を変えるべきなのかを明らかにすることが肝要なのです。

教育はスローガンだけでは良くなりません。

「こどもまんなか」と言っているだけでは…「誰一人取り残さない」と言っているだけでは決して何も良くならないのです。真ん中にいない子どもたちや、取り残されている子どもたちが、むしろより一層の深い絶望を覚えることにすらなり得るのです。

国の制度が前進したことを手柄話のように語っても、津山の教室がしんどいままなら何の意味もないのです。

もちろん私は、少人数学級そのものに反対しているのではありませんし…教育費負担の軽減にも賛成の立場です。ただ、だからこそ本当に子どもたちのためを思うなら、「賛成です」で終わるな…そこから先を示せと感じますし、それこそが公職に就かせていただいている者の務めだとも信じているところです。

津山市は、子どもたちに何を用意できるのか?
現場で踏ん張っている先生方に、どんな支えを用意するのか?
家庭の経済状況や地域条件によって左右されにくい教育環境を、いかにして整えていくのか?

議会はもちろん、教育委員会そして市長部局も、こうした問いから逃げてはならないはずです。

国が動いた今こそ、地方政治の本気度が問われるわけで…津山市も市長選挙を経て、大きく動きました。教育をめぐる議論を、津山の未来に直結する現場を変える具体策にまで踏み込んでいくタイミングだと、私は思っています。そして、議会のリソースはそのためにこそ費やされていくべきだと考えているのです。

どなた様もご意見・ご感想等お気軽にお寄せください!

本日はこんなところで。それでは、また明日!

三浦 ひらく

三浦 ひらく -PROFILE-

世界を暮らしやすく楽しく変えるため、相棒ひらくマと一歩ずつでも現状改善していくために日夜ハゲむ、1978年生まれの岡山県津山市議会議員。選択肢の多い社会を目指し、政治も手段の一つと捉え、地域振興、多様性理解促進、生きづらさ解消、表現の自由を守るための活動、インフルエンザ脳症撲滅、臓器移植意思表示推奨などをライフワークとして活動している。