全国地方議会サミット初日!炎上と分断の時代、本物の民意をいかに受け止める?懇親会は最後のセッション!

未来拓く、みうらひらくです。
津山市議会議員、三浦ひらくです。

本日は、このところ告知記事も書いておりました…法政大学市ケ谷キャンパスで開幕した「全国地方議会サミット2025」の初日の様子と、そこから私自身が持ち帰るべきだと感じたポイントを、ざっくりと共有します。

朝8時集合で、まずは会場準備など。

美味しいお弁当でしっかり腹ごしらえもして…お茶を買ってきてくださった際の一本ごとに出るクーポンの尋常じゃない長さに驚いたりしつつ、北海道から沖縄まで…日本全国から参集された皆さまをお迎えして、今年は法政大学の薩埵(さった)ホールにおいて、ローカルマニフェスト推進連盟の主催により開催された、年に一度のビッグイベント…それが地方議会サミットです。

初日だけでも多岐にわたる分野での議論が交わされ、学びの多い一日になりましたが…そのテーマを私なりに一言でまとめるとするなら…「炎上と分断の時代に、議会は“本物の民意”をどう受け止め、そしてどのように発信していくのか?」といったところでしょうか…。

SNSやAIの活用、最新の議会改革動向まで…色々と考えさせられる材料が詰まった濃密な一日になりました。そしてまた、たくさんの新たな縁がいただけたことも、極めて有用な財産になっていくはずだと個人的には思っています。

ローカルマニフェスト推進連盟の共同代表を務められている茨城県議会議員、山本美和さんによる開会挨拶。本日の司会は甲府市議会議員の神山玄太さん。

多くの地方議会議員、そして議会事務局の皆さまなどの自治体職員、さらには一般の皆さままで…会場参加だけでなく、オンラインを含めると300名超の皆さまにご参加いただきました。私自身を含めた運営メンバーも含め、皆さまが参加費を支払った上で学びを得るために参集くださっている企画でありますので、資料の共有等はできませんが…インプットの多い、とても有意義な一日であったことは間違いありません。

「炎上の時代」の政治コミュニケーションからスタート

冒頭の基調講演で廣瀬克哉先生(法政大学)は、今は「炎上」を前提に政治が見られてしまう時代だという現実から話を始められました。SNSには、過激な言葉や対立構図が拡散されやすい構造がある。フェイクや断片情報も含めて「とにかく目立ったものが勝つ」という空気が、政治不信や既存制度への怒りと結びついていき、大きなムーブメントになり得るのが現在です。

その上で強調されていたのは、「誰に向かって話しているのか」を徹底的に意識すること。

”みんな”に向けた抽象的な発信ではなく、具体的な“誰か”との丁寧な対話を積み重ねることの重要性についてお話しくださったと理解しています。住民に対して説明責任を果たし続ける姿勢こそが、議会への信頼を構築していくことに繋がるという、大変にまっとうで地味だけれど、だからこそ実は難しい(?)メッセージだったように感じています。

SNSと「民意」:見えている声と沈黙している多数

続く「SNSと地方議会」セッションも、選挙に詳しい方なら皆様ご存知であろうJX通信代表・米重克洋さんと、法政大学社会学部の准教授・大森翔子先生のデータをもとにしたお話が、とても興味深い…非常に充実した内容でした。特に若い世代の議員にこそ聞いて欲しい内容でしたが…会場参加者の年齢層が若干高めだなと感じたのも正直なところ。

米重さんからは、YouTubeやSNSが主要な情報源になりつつある層ほど、既存政治・既存メディアへの不信やポピュリズム的傾向が強く表れているというデータが紹介されました。「ネット世論=民意」ではないが「ネットでしか政治を見ていない人」が確実に増えていて、その人たちの感覚も無視できない状況になってきているという話からは、そのギャップをどう埋めていくかこそが、地方議会の腕の見せ所だと痛感させられました。

大森先生の発表では、多くの有権者は政治家や政党のSNSをわざわざフォローしているわけではないことや、タイムラインに流れてきた「断片的な情報」や「バズった投稿」が、そのまま政治イメージや不信感の土台になりかねないこと…そして「炎上芸」は短期的な注目は集めても、長期的な信頼や前向きな政治参加には繋がりにくく、むしろ不信を積み増すリスクが高いことなど…少々耳が痛いように感じる(?)話もあったような気がしなくもありませんが…「だからこそ地方政治こそ“政策の中身”で伝えよう」という提案が含まれていたように思います。

お三方によるトークセッションにも非常に興味深いポイントが幾つもあったので、改めて動画で見直さなくては!

割と事務方的な仕事も担っていたもので…実は結構、聞き逃した部分もあります。

生成AIをはじめとする急速なテクノロジーの進化が大きく変えつつある社会構造や行政運営のあり方を踏まえ、地方議会、地方議員の活動や活用の可能性が論じられた高選圭福島学院大学地域マネジメント学科教授と、河村和徳拓殖大学政経学部教授のセッションでは、生成AIを含めたDXの現状と可能性が整理されたのですが…正直、ほとんどまともに聞ける時間帯がなかったので、アーカイブ動画を確認させてもらうつもりです。

当日参加の有無にかかわらず、申し込みをいただいた皆さまには、動画をご確認いただけるサービスも提供しているので、スケジュールが合わない方や、現地参加が難しい方々でも、学んでいただくことができるんですね…あらまぁ何と素晴らしい!

そして、初日の締めくくりは…早稲田大学デモクラシー創造研究所招聘研究員・山内健輔さんによる、議会改革のトレンドと注目議会の紹介でした。

「議会改革度調査」を「地域経営のための議会改革度調査」と改め…政策力の強化、主権者の参画、議会機能の強化の3つのテーマを中心に地方議会の現状を把握するための調査を実施してくださっているのですが、その結果から、議会改革の傾向と先進的な、あるいは非常に興味深い取り組みを行っている議会について解説くださったものです。

津山市議会の皆にこそ、聞いていただきたい内容でした。

今年のサミットには同僚議員の中からは会派ツヤマノチカラの仲間である田口浩二議員が参加されたのみでしたが…わがまちの議会をより良くしていくためのヒントが詰まっていたように感じています。

タブレット導入など環境整備は全国的にかなり進んできている一方で、生成AI活用は「事務の効率化」「文書作成補助」に留まるケースが多いことや、多くの議会が「ガイドラインがない」「研修がない」ことを課題として挙げていること。会議録・条例・計画書など、公的情報はAI活用と極めて相性が良く、「振り返り」「説明ツール」「質問や提案の質の底上げ」に活用できる“資源”であることなどが、改めて示さたところです。

「できることからTTP(徹底的にパクる)していくべし」という、実務的な呼びかけもありました。

炎上、分断、メディアシフト、生成AI…そして議会改革。どれも現段階では「ややこしいし、面倒だから距離を置きたい」と思えば、置けてしまうテーマかもしれません。

しかし、いつまでも目を背けてはいられない現実があります。

また、そうした現実逃避を続けていては、「声が大きい一部」と「沈黙している多数」の間に、ますます深い溝が生まれていき…結果的に、守るべき人たちの声が届かないような政治になってしまうのではないでしょうか。地方議会、地方議員の責任の重さと可能性を改めて突きつけられたサミット初日だったような印象です。マニフェスト大賞の実行委員長でもある鈴木綾子江東区議の挨拶で閉会。

明日は、主権者教育や住民参加の具体的な実践事例がさらに深掘りされます。津山で、岡山で、それぞれの地域、それぞれのまちで…議会をアップデートしていくために…引き続き、しっかりインプットすべく…そしてネットワーク構築、さらには岡山県津山市のPRをも視野に入れて、しっかりと英気を養いつつ、廣瀬先生のお言葉を借りると”最後のセッション”である意見交換会も楽しみながら、司会進行役としてマイクを離さずに全力投球してきました。

明日も頑張ります!

本日はこんなところで。それでは、また明日!

三浦 ひらく

三浦 ひらく -PROFILE-

世界を暮らしやすく楽しく変えるため、相棒ひらくマと一歩ずつでも現状改善していくために日夜ハゲむ、1978年生まれの岡山県津山市議会議員。選択肢の多い社会を目指し、政治も手段の一つと捉え、地域振興、多様性理解促進、生きづらさ解消、表現の自由を守るための活動、インフルエンザ脳症撲滅、臓器移植意思表示推奨などをライフワークとして活動している。