未来拓く、みうらひらくです。
津山市議会議員、三浦ひらくです。
昨日に引き続き、本日も法政大学で開催された「全国地方議会サミット2025」に、主催のローカル・マニフェスト推進連盟(通称LM)の一員としてフル参戦してきました。昨年に引き続き、開会挨拶などもさせていただいた2日目の内容をズバリ一言でまとめると…。
「地方議会の政策づくり」と「次の世代につなぐ議会改革」…北川正恭先生のLM最終講義!
現段階でも地方での講演などは予定されているようですし…まだまだ元気にご活躍いただきたいところではあるのですが、20年以上にわたり、マニフェスト運動の推進に取り組んできたLMの精神的支柱である北川先生のお話を直接聞ける、この会としては最後のチャンスということで…日本中から、昨日以上の皆さまが参集された印象がありました。
2日目はイロモノの開会挨拶からスタート!
昨日のDAY1では、「SNS・AI・DXの時代に、本物の民意とどう向き合うか?」という問題提起を軸に、議会の“これから”を考える一日になった印象でした。
本日のDAY2では、その問いに対してすでに実際に“動いている議会”は、こうやって答えを出し始めているのだという具体例と実践事例が、ギュッと詰まった「実践編」となることが予想されました。ただ…いずれにしても、住民福祉の向上、住民利益の最大化という日本中の自治体議会に共通する目的達成に向けて効果的に取り組んでいくためには、住民と議会との距離を縮めていくアプローチが必須であることは確実です。主権者教育、住民参加といった切り口から、北川先生が勇退されるというこのタイミングで今回のサミットにご参加くださった皆さまに対し、そのキッカケを各々でつかんでいただいて、地方から日本をより良くしていくための、改めての新たなスタートになるような、そんな一日にしていきましょうという話をさせていただきました。
有料イベントですので…例によって概要程度にまとめます。
まずは、子ども・若者と一緒に「議会」をつくる実践について。
こども基本法、子どもの権利、主権者教育…当ブログでは頻繁に取り上げる内容なのですが、「議会が本気を出したらここまでできる」というリアルな事例報告には驚きました。
林紀行先生(日本大学)からは、ローカル・マニフェスト運動や議会改革の20年の歩みを整理しつつ、近くて遠い議会をアップデートすることの意義…「住民とともにある議会」の次のステージ像を考えるキッカケを頂戴したような気がします。
富士見市議会は「富士高生の主張 in 富士見市議会」を制度化し、本物の議場・本物の手続きの中で高校生が提案する仕組みを構築しています。高校は市の管轄じゃないから…なんて話が聞こえてくる津山市とは比較になりません。
津山市とも縁がある浜田市議会では、市内の全小中学校に議場見学や傍聴の案内を送っているほか、はまだ市民一日議会などの取り組みを通じて得た意見を、公園整備など具体の施策に反映させるルートを確立しつつあると感じました。
NPO法人DAKKOの田口裕斗さんによる、議員と若者が真正面から語り合う場を各地で仕掛けてきた経験談は改めて、政治不信を溶かす第一歩はやはり“会って話すこと”だと示してくれたように思います。
正直言って時間が足りない…もっと長く色々と伺いたいセッションでした。
しかもセッションの前半戦、私自身は北川先生の最終講義のためだけに九州から駆けつけてこられた…昨年のサミットに登壇くださり、災害時におけるドローン・人工衛星など最新テクノロジー活用の可能性についてお話くださった”宇宙公務員”こと、佐賀県のスーパー公務員、円城寺雄介さんとの立ち話に夢中になり過ぎて…聞き逃した部分も少なくないので、改めて動画をチェックするつもりです。最後まで会場で運営のお手伝いもしてくださった円城寺さんとは、大学からの帰り道もご一緒いただき、再会を約束して別れました…津山市にも来てくださるかも?
話をサミットの内容報告に戻しましょう…。
「選挙権を持たない子ども・若者の声をどう受け止めるかは、議会の責任」という視点が重要。
津山市議会ではそうした観点での言及は、今まで私以外にはほとんどないように思いますが…こども基本法や子どもの権利条約の理念は“知っているだけ”では意味がないのです。実際に子ども・若者と向き合う場や仕組みをつくる必要性を、改めて、極めて強く感じたところです。
続いてのセッションは「議会による政策づくり」がテーマ。
住民と対話をし、議会自らが調査・議論し、政策を形にして成果を出すサイクルを実践している先進的な3つの議会を代表するお三方とのお話を、大正大学の江藤俊昭先生がコーディネーターとして引き出しつつ、まとめるという内容でした。江藤先生らしい、非常に和やかな進行で、今回は(?)かなりタイムスケジュールも意識して進めてくださいました。
・一関市議会:議会としての「政策提言等の指針」を明文化し、常任委員会単位で提言→検証まで行うサイクルで運用。
・横須賀市議会:政策検討会議を軸に、議員提案条例や政策形成のPDCAサイクルを継続的に回しており、事例紹介も。
・知名町議会:町民との対話から得た意見をもとに常任委員会が政策提言を行い、実現するまで伴走する”本気”のモデル。
執行部の案をチェックするだけでは終わらない議会の姿が、既に“例外”ではなくなりつつある現状が示されました。共通しているのは、個人技ではなく、議会全体のルールとして仕組み化していることです。
また提言したことで終わらせず、フォローアップと情報公開まで含めてワンセットにし、住民や若者との対話を、前提として位置づけている点が肝要!
「議会は監視機関だから」「政策づくりは執行部の役目だから」…こうした線を引いてしまう発想から、一歩、いや二歩三歩は踏み出さないと置いていかれると感じました。
津山市議会にはアップデートが必要だと痛感します。
今日も美味しいお弁当をいただいた後…午後からは、再び江藤先生、そして昨日に引き続き法政大学の廣瀬克哉先生、西日本新聞論説委員の前田隆夫さんをパネリストに…コーディネーター役は公益財団法人日本生産性本部・千葉茂明上席研究員が務められた北川先生の足跡を振り返るセッションを経て…いよいよ北川正恭先生(早稲田大学名誉教授)による【LM最終講義】へと突入しました。
すでに4名の皆さまのお話の段階で…何とも言えない、経験したことがないような空気が会場内に漂っていたように思います。
和やかな雰囲気の中でお話が進められていたのですが、時代の節目がすぐそこに迫ってきているのが伝わってくるような、何とも言えない緊張感のようなものを感じつつ…机の出し入れや演台上げ下げなどを手伝いながら、ステージ脇から拝見していました。印象的なフレーズも幾つもあったのですが…正直言って、皆さまのお話を消化しきれていないので、改めて動画を拝見して勉強し、個人的にまとめておこうと考えています。

4名とも、今までにも様々な場面でお話を伺ってきたことがあるリスペクトする先生方ですが、その皆さまをして、北川先生に対しては敬意を持たれていることがとても温かく、深く伝わってくるような、そんなセッションでした。
そして北川先生の最終講義。
グダグダと書く気はありません。原稿もスライドも一切なく、80歳になられた今も失われることないカリスマ性で、全聴衆の目を釘づけにして、私たちの心に響く話をしてくださった北川先生の姿は、とても座って聞いていられるようなお話ではありませんでした。ステージ脇で写真を撮ることすらできずに立ち尽くしたままでお話を伺いましたが…私と同じように、一言一句漏らさず聴くぞという気持ちで30分ほどの時間を共有した”同志”は少なくないはずです。
狂ってください、もっと狂っていいと思う、そして自分たちが新しい時代を作りあげていくんだという気持ちでやれ、新しい価値を創造しろ…そう、言ってくださった姿を、私は脳裏に焼き付けました。
地方から国をより良くしていくための先兵たらんことを。
心を震わせるメッセージでした。最後の最後…先生が言葉に詰まられた際に、込み上げるものがあったのは決して私だけではないはずです。お話くださった後に私たちの方を見てくださったところで、もう私は涙腺がダメでした。
二元代表制は“ケンカの道具”ではなく、“善政競争”の仕組みであること…文句だけを言うような議会ではなく、代案と責任を示せる議会へ変わらなくてはならないこと…地方分権とは「任されたから好きにやる」ことではなく、「自分たちで決めて責任を負う覚悟」を持つ地方へ変わらなくてはならないということだという話…などなど、非常に様々なことを、私は他の多くのメンバーよりも比較的短い期間でありますが、教わってきました。
北川先生が提唱されたマニフェスト運動を継続しているローカル・マニフェスト推進連盟の一員として、そして地方議員として、胸に刺さる言葉ばかりでしたが…「最終講義」いう区切りの場でお話くださった以上は、ここから先の将来に北川先生が伝えてくださったことを、各々が向き合う現場でどう実装していくのかはすべて、私たち現役世代の役割であり、責任です。
北川先生、長い間本当にお疲れ様でした…有難うございました!
花束贈呈などを経て、当ブログでももはやお馴染みの感がある津山市の歴史友好都市・可児市議会の議長であり、LMの共同代表でもある川上文浩議員の挨拶で閉会。
昨日のDAY1でも書いたように、公式プログラムの内容の濃さはもはや当然のこととして…このサミットのもう一つの大きな魅力が、参加者の皆さまとの交流タイムです。
今日も休憩時間や昼食時、終了後の短いスキマ時間まで…とにかく多くの方々とお話させていただきましたし、昨日同様に”最後のセッション”も楽しませていただきました。こうした現場で得る一つひとつの対話と繋がりが、「資料では得られない、生きた学び」そのものであり…さらに先に繋げていくことも可能な財産になるのです。
ま、やる気次第ですけどね!
単に”良い話を聞いた”で終わらせるのであれば…それは公金を使わせていただいてする活動ではないと言えるでしょう。顔の見える関係性と具体的な連携の芽を、今年もたくさん持ち帰ることができたと感じています。津山市のことも、津山市議会のことも、ローカル・マニフェスト推進連盟の一員としての立場も含めて、全国の仲間により深く知ってもらえた実感がありますし、「今度、津山行きます!」という声も…まぁ明確な社交辞令もあったように感じていますが…多くいただきました。
「いつか」「そのうち」「どこかが」ではなく…「今ここから」「津山市から」始めていくつもりで頑張っていきます!
主催者の一員、しかも役員を務めさせていただいている身として…参加してくださった皆さま、登壇者の皆さま、準備から当日運営まで関わってくださったスタッフの皆さまをはじめ、関わってくださったすべての皆さまに、心から感謝申し上げます。
そしてアイキャッチ画像の通り…圧倒的イロモノ議員を、積み重ねてこられた歴史のある会に加えていただき、こうして活動させていただけていることを、全国の同志と呼べる仲間に感謝しています。
皆さま、有難うございました!
こうした皆さまへの恩を返していくためのたった一つの手法は、頂戴した学びや縁を津山の皆さまに伝わる形で還元すること以外にありません。
北川先生のお話の中では、議員個人ではなく…”チーム議会”の重要性についても繰り返し言及がありました。
そのチームには議員や議会事務局だけでなく…これを読んでくださっているあなた自身にも、加わっていただかねばなりません!
何をしているのかわからないような議員じゃダメなんだと…開会挨拶でも言わせていただきましたので、これからもしっかりと発信しながら、誰よりも住民に近い議員であるとともに、それを個人の活動範囲にとどまらせるのではでなく、議会そのものを身近に感じてもらえるように…精一杯努めていきます。
本日はこんなところで。それでは、また明日!
















