人口減少時代にいかに最適化させていくか?津山市国民健康保険運営協議会で見えた現実と課題、数字と生活。

未来拓く、みうらひらくです。
津山市議会議員、三浦ひらくです。

本日は久々に、津山市役所で過ごした時間が長い一日になりました。まずは10時の約束があり、諸々の準備を経て、会派などを超えて同僚議員らと待ち合わせ…たっぷり昼休憩まで2時間超を費やして勉強会(?)的な時間を過ごしました。以前も書きましたが…会派やイデオロギーを超えて、津山市そのものをより良くしていくという共通の目的達成のために、それぞれのネットワークや知見を可能な範囲で共有していくことによる効果は、極めて大きいと思っていますので、こうした機会があることはとても望ましいと思っていますし、積極的に設けていきたいところ。

9月議会での質問内容に、それぞれがどのように反映させていくのかはわかりませんが…個人的には、近視眼的な意味だけではなく、参考になった点が多々あったように感じているので、学びを役立てていくつもりです。勉強会終了後は、別件への対応のために一度市役所を出ましたが…13時半からは津山市国民健康保険運営協議会が開かれる予定だったため、すぐに戻ってきた次第です。

国保制度の安定運営は言うまでもなく、市民生活に直結する重要なテーマです。今年度も委員には委嘱状が交付され、2年連続で保険料率を据え置いた理由や今後の見通しについて、他の公務の関係で出席が叶わなかった市長の代わりに副市長から開会挨拶の中で言及がありました。5月の改選を経て、今回は新たな委員として紹介されましたが…私自身は前任期の際に運営委員を務めさせていただいたこともありましたので、少しは状況を理解しているつもりでした。

状況は依然として厳しく、来年度以降も楽観視できない…というのが現実。

協議会としても、数字と現場感覚の両面から、冷静かつ適切な判断を積み重ねていく必要があることは当然であり、副市長のお話はごもっともな内容だったと思います。

その後に事務局の皆さまからの説明に入りましたが…報告資料によれば、津山市の国保被保険者数は令和6年度平均で15,981人。前年度比で816人減っています。団塊の世代が後期高齢者医療制度に移行した令和4年度以降、その減少ペースが加速している状況です。さらに社会保険適用拡大や雇用制度の変化の影響、そして何と言っても少子高齢化・人口減少の煽りを受け、今後の減少も避けられないでしょう。一時期は65歳以上の被保険者数が65歳未満を上回りましたが、令和5年11月から再び逆転しています。しかし医療費水準は依然として65歳以上が65歳未満の約1.6倍とのことで、高齢者層の医療費抑制が喫緊の課題であることは数字からも明らかです。

要は、健康でいていただかねばならないってこと。

それが、ご本人や家族のためであることは言うまでもない上に…自治体財政にとっても有難い話であるということなのです。

一人当たりの医療費は、令和3年度約43.5万円→令和4年度約44.9万円→令和5年度約48.6万円→令和6年度約47.4万円と増加傾向にあり、令和7年度も再び増加が見込まれていますが、伸び幅はやや小さくなる見通しです。全体の収納率は91.19%(前年度比▲0.07pt)と微減。ただ、基金残高は6年度末で約9億1,200万円あるとのことで、短期的には赤字繰り入れの心配はない状況との報告もありました。とは言え、基金に頼りきって運営するわけにもいきませんし、基金自体の運用もしっかりと考えていただきたいとは願っています。

私からも質疑の上で、意見を述べさせていただきました。

例えば、受診勧奨の電話やハガキ送付の「回数」を成果指標にしてしまうと、効率的に成果を上げた場合でも評価が下がることになります。現在の指標設定は適切なものではなく、アウトカム(結果)とアウトプット(過程)は明確に分け、総合評価はあくまでも成果の数値によって判断すべきであることを指摘させていただきました。

昨年策定されたデータヘルス計画の目的は健康寿命の延伸や医療費の適正化です。

そのためには、費用対効果を意識した施策評価が欠かせません。指摘部分は改善されるものと信じています。

新たな取り組みや技術の活用などについても報告がありましたが…率直に言うと、担当部局においてもイマイチその内容を理解できているようには感じられず、委託先に一任して終わり…というような形になっていないのかどうか、懸念が残る内容ではありました。マイナンバーカードの活用などについても触れられていましたし、医療の効率化・安全性向上が期待される施策は、しっかりと市民理解を得るべく努めた上で、ガンガン進めていっていただきたいと願っています。

また、岡山県内での保険料率統一に向けた検討も進んでいます。統一が実現すれば、同じ条件の世帯なら市町村間で保険料が同一となり、公平性や財政安定化が期待されるところです。ただ都道府県と市町村の関係に関して言えば…財政責任と実務が分かれていることで、保険料率決定や事業での責任の所在が不明瞭になり、住民対応の負担は市町村に集中しているというような声を聞かないでもありません。県との連携がスムーズに進んでいるのかもポイントだと思っています。

これはあらゆる施策に言えることですが…数字の奥にある生活の実感を忘れないことが大切だと考えています。

国保運営も、財政面の数字だけでなく、一人ひとりの生活に直結しています。

高齢化や人口減少という現実の中、限られた資源をどう活用していくのか最適なのか効率化と公平性、そして市民の安心をどう両立させるかが問われています。今回の協議会を経て、多くの課題が見えてきました。制度や数字の議論だけでなく、現場の声を反映した改善をこれからも求め続けていきますので…ご意見・ご感想・ご要望等はいつでもお気軽に寄せてやってください!

本日はこんなところで。また明日!

三浦 ひらく

三浦 ひらく -PROFILE-

世界を暮らしやすく楽しく変えるため、相棒ひらくマと一歩ずつでも現状改善していくために日夜ハゲむ、1978年生まれの岡山県津山市議会議員。選択肢の多い社会を目指し、政治も手段の一つと捉え、地域振興、多様性理解促進、生きづらさ解消、表現の自由を守るための活動、インフルエンザ脳症撲滅、臓器移植意思表示推奨などをライフワークとして活動している。