高島市長のSNS誤情報対応から考える、災害時に政治家に求められる姿勢&津山市が取り組むべき情報発信。

未来拓く、みうらひらくです。
津山市議会議員、三浦ひらくです。

皆さま報道などでご存知だとは思いますが、先だって、九州地方を中心に記録的な大雨が降り…亡くなる方も出ています。線状降水帯が観測史上最大級の雨量をもたらし、鹿児島・熊本・福岡など各地において、広範囲で浸水や土砂災害等の大きな被害が発生しました。

複数の死者、行方不明者が出ているだけでなく、住宅被害も全壊や床上浸水、床下浸水、一部破損など相当数にのぼっているようで、全容を把握しきれていない地域もあるようです。停電の発生や一時孤立する集落も発生するなど、ライフラインや交通にも大きな影響が出たことは、ご存知なくても想像に難くないのではないでしょうか。

こうした自然災害は、決して他人事ではありません。

実際、津山市でも夕方に大雨警報が出た13日などは昼はメチャクチャ良い天気で暑かったのに…急に天候が崩れ、雷雨となった印象でした。集中豪雨や異常な高温だけではありません。地震列島とも呼ばれるような日本ですので、どこにお住まいであろうとも、いつどんな自然災害に見舞われるかは誰にもわからないのが事実で、だからこそ常日頃からの備えが本当に大切なのです。

改めて、亡くなられた方々に哀悼の意を表するとともに、被害に遭われた皆さまに心からお見舞いを申し上げるところです。

大変な状況の中では、政治の現場でも混乱が見られました。

高島福岡市長のSNS「誤情報」騒動です。

福岡市長「反省生かし氾濫情報を精査」 投稿動画を「虚偽」と誤認定

災害の最中、福岡市の高島宗一郎市長がSNSで発信した内容が注目を集めました。ちなみに高島市長は、以前に当ブログでも紹介させていただいたことがあります。常日頃からその手腕に注目し、勉強させていただいているリスペクトする首長の一人であることに、前提として触れておきます。

さっくりと概要を説明すると…豪雨の中で、「香椎川が氾濫している」と、市民の方が動画をX(旧Twitter)に投稿されたのです。それを受けて翌日、市長が自身のFacebook投稿で「虚偽情報動画はやめてください」と発信されたのでした。

これは職員の現場確認時にはすでに水が引いていたため「氾濫はなかった」と判断したからとのことでした。しかしその後、実際には短時間の氾濫があったことが確認されたということです。事実誤認が判明し、市長は「冷静に精査できなかった」と訂正・謝罪されています。定例記者会見を受けて報道各社が発信されたのは本日のことですが、市長ご自身のSNSアカウントでは迅速に(発信しなその日のうちに直ちに!)過ちを認め、謝罪されているのです。投稿者本人とも連絡を取り、直接謝られたとのこと。当たり前と言えば当たり前の対応ですが…これを当たり前にできる市長がどれだけいるでしょうか?

大切なのは、”間違いをどう扱ったか”だと考えます。

誤りは誤り、しかし姿勢は誤りではないはずです。

高島市長の最初の判断は結果的には誤っていました。しかし、「虚偽情報は市民を危険に晒す」という問題意識自体は正しく、行政の長として迅速に動こうとした姿勢は間違いではなかったはずだと私は確信しています。そうでないと思われる方もおられるかもしれませんが…少なくとも私は、間違いを恐れて、そもそも何も発信しない首長や行政など論外だと思っています。

そうした消極的な首長や行政が何と多いことでしょうか…津山市にも、残念ながらそうした傾向が見られます。

そしてさらに言えば、しっかりと謝るべきときに謝れない首長、もっと突っ込むと議員も…極めて残念ですが、そうした人間が何と多いことでしょうか。恥ずかしいことです。

誰にでも間違いはあります。

それは首長であろうが議員であろうが同じ…人間だもの、って話です。

もちろん、なるべく間違いのないように精査することや、裏どりをした上で発信することは当然の姿勢であって必要なことです。ただそれでも今回のように過ちが生まれることは、有り得ることなのです。災害時など緊急時にはこうしたミスも起こりやすくなるものでしょう。だからこそ本当に大切なのは、誤りを認めて謝罪し、次に生かしていくこと、繰り返さないことであると信じています。

解決策は決して発信を控えることではないと思いますし、糾弾することで社会がより良くなるとは思えないというのが私の思いです。今回の高島市長の対応は、首長はもちろん、私自身を含むすべての議員や公職にある者全てに求められる基本姿勢だと強く感じた出来事でした。

津山市でも過去の豪雨時に、避難指示や氾濫危険水位を超えるような事態の発生が繰り返されていますが…それすらご存知ない方もいるのが現実です。道路冠水や浸水被害などが発生したことも、私が議員とならせていただいた後にも何度もあったわけですが、他人事のように思っておられる人も少なくないのではないでしょうか。

当ブログでの発信のみならず、議会質問でも何度も問題提起を行ったり、防災会議などにも傍聴に入るなどして、災害時の情報伝達のあり方については何度も改善を促してきているところです。

迅速さと正確さの両立は確かに喫緊の課題の一つですが、津山市が直面しているのはそれ以前の段階の問題。

市民の皆さまのSNS投稿なども活用していく姿勢を、行政も打ち出すことが必要不可欠な段階に入ってきている時代だと言えるでしょう。それに伴って、生成AI等を使用した精巧なフェイク動画や虚偽情報の悪意を持った流布などにどう立ち向かっていくのか、そうした対策や検証をしっかりと行う必要な時期に、もうとっくに入っているのです。

首長や議員自身も様々な形で発信をしてきているにもかかわらず、こうした事実から目を背け続けていては、責任ある政治など行えるはずがありません。スマートシティ構想などと謳うのであれば、必要なチェック体制も含めて何かしらの対応が求められていると考えています。

このように、災害時の行政対応一つとってみても…他の自治体で行われている諸々の取り組みは、津山市にとっても他人事ではないのです。

例えば…災害対応本部ではSNS投稿を共有して、複数部門で同時検証できるような体制の構築が求められていると思いますし、”情報精査中”という段階を市民に明示できるような発信方法も必要かなとも思います。平常時からSNS利用を想定した訓練を行い、防災会議等においても検証の習慣を根づかせることも求められているでしょう。

そして何より、私たち公職者自身が”間違えないように迅速に、そのうえでファクトチェックを尽くして発信する”という姿勢を常に持ち続けることが不可欠です。

無責任な発信など論外。

災害発生時など…命にかかわる対応に直結する極めて重要な現場で本当に大切なのは、ミスを恐れて発信を控えることではないはずです。しっかり裏どりした事実と必要な指示等を迅速に発信し、もしもの際には誤りを認め、謝罪し、改善に繋げることが私たちの責務です。

福岡市のケースは、津山市にとっても大きな学びです。スピードと正確さ、その両立をどう図るか?そして、発信の責任をどう果たすか?

これからも議会の場で問い続け、行政の現場での改善を提案し、個人的にも責任を持った発信を継続できるように心がけ、実際に継続していきますぞ!

本日はこんなところで。それでは、また明日!

三浦 ひらく

三浦 ひらく -PROFILE-

世界を暮らしやすく楽しく変えるため、相棒ひらくマと一歩ずつでも現状改善していくために日夜ハゲむ、1978年生まれの岡山県津山市議会議員。選択肢の多い社会を目指し、政治も手段の一つと捉え、地域振興、多様性理解促進、生きづらさ解消、表現の自由を守るための活動、インフルエンザ脳症撲滅、臓器移植意思表示推奨などをライフワークとして活動している。