子どもを守るための取り組みに終わりはない。コドジコ研修2日目、品川区まもるっち事業に学ぶ本気の姿勢。

未来拓く、みうらひらくです。
津山市議会議員、三浦ひらくです。

東京に来ています。

“現場の工夫”で子どもを守ることに本気!子どもの事故予防地方議員連盟の仲間と初めてのAWARD開催。

2025-10-30

昨日は子どもの事故予防地方議員連盟(通称コドジコ)の主催によるAWARD表彰式+研修会+総会という盛り沢山な一日でしたが…本日もその熱を保ったままの、機能に負けない濃密過ぎる一日になりました。

まずは品川区役所へ!

現在、新庁舎整備の真っ最中とのこと。

今しか見られない景色を、議会棟6階の第2委員会室から見させていただきました。段取ってくださった瀬楽真央品川区議に感謝です。そして本日ここを訪れた理由は、昨日のAWARDでグッドプラクティス賞を受賞された品川区の取り組みの一つ…「まもるっち」事業について学ぶための座学&現地視察でした。

まもるっちとは、これまでのべ約6万人の品川区内小学生が利用したGPS・通話機能付き防犯ブザーです。防犯ブザーの一部を引くことでオペレーターに繋がり通話が可能になります。それと同時にGPSの位置情報と子どもの氏名がセンターに通知されるというもので、緊急の場合にはオペレーターから生活安全サポート隊(警察OB、OGら19名)、学校、警察、協力者の方々に連絡が行き、連携して児童の安全・安心を確保するという仕組みとのこと。

この事業を、品川区では20年にわたり行っておられます。

一番左側の最新機種まで、20年間で8台のモデルチェンジを重ねてきたそう。

所管しているのは地域振興部の生活安全担当とのことで、教育関係部局や学校、警察、事業者、オペレーターの皆さまらとは月1回の運用会議で諸々の調整を図っているとのことでした。

区立の全小学生と、私立の学校・特別支援学校・インターナショナルスクールに通う希望者が利用可能とのことでした。端末は無償貸与で、オプションでメール機能などを付加することもできるとのことで、多くの家庭で利用されているそうです。オプション加入・利用に伴って発生する費用については各家庭での負担となると伺っています。もちろん、学校にも持っていくことが可能です。

世間に大変な衝撃を与えた、当事者でなくても忘れられない方も多いはずの大阪・池田小学校事件をキッカケにスタートしたこの事業、昨年度の年間発報件数は93,000件超(71,000件超の誤報も含む)に及び、その中で真に緊急事案(児童が危険を感じて捜査したケース)と判別されたものは14件だと伺いましたが、探査事案(登校・帰宅していない児童の現在位置を学校からの依頼で探索したケース)なども260件以上あるなど、安心・安全を守るために有効活用されている現状が伝わってきました。発報のピークは下校〜夕方の時間帯でしたが、夜間・早朝も相当数あることも見過ごせません。

協力者と呼ばれる事業をサポートされている地域の皆さまの登録数は1,700名にのぼるとのことで、元警察の即応隊と“地域の目”との両輪で子どもたちを守るという意識が根付いていると感じられました。

この取り組みには事業経費として約1億5千万円(約1万8千人の子どもたちの基本使用料で約6千万円、運用保守に約6千万円、まもるっち購入費約2千万円)が費やされています。こうした取り組みの一つの成果として…品川区は前兆事案(子どもと女性を対象とする性犯罪等の前兆とみられる声掛け、つきまとい等)の子どもへの人口比での発生率が23区で最も低くなっているとのことでした。

この議連の面々との視察や研修会ではいつもそうなることを非常に肯定的に捉えていますが…各議員から大変積極的に、様々な質問が出ました。自分も聞きたいことが多々あったのですが、さすがはコドジコの仲間たち…”それまさに質問したかったやつ!”的なポイントを、私自身が尋ねなくてもガンガン消化していってくれるのです。しかも、一人でダラダラ長くやり取りするわけでもなく、皆が良い感じに空気を読んで、次の人に回す…阿吽の呼吸でそれが出来るのは、正直言って津山市議会では有り得ない展開なので、とても楽しく嬉しく感じた反面、少し淋しくもなってしまいました。

担当課長が、全ての質問にその場で澱みなく答えてくださった姿勢も、非常に素晴らしいと感じました。

自分としては…当然ちゃ当然ですがどうしても、同じような趣旨の取り組みを津山市でやるなら?と考えてしまいます。予算やリソースに品川区とは比較にならない制限がある以上、もっと色々とシビアに考える必要があるし、欲張って児童相談所との連携や、深夜から早朝の時間帯の丁寧な対応も欲しくなってしまう(この時間帯は基本的には保護者へのメール連絡対応)と思っていましたので、その件にも言及した上で一つだけ伺いました。

子どもたち自身がどう感じているのか、意見聴取しているかという確認です。

そしてさすがは品川区、その点も抜かりなく…アンケート調査を実施して、現在集計中だと伺いました。今後公開されるようなので、その結果にも注目しています。

この2日間のコドジコ研修で確信したこと…それは、「見守り」から「起きにくい環境・運用に作り替える」ことの重要性です。

見守りは大切ですし、過度な干渉を良しとする意図はありませんが…事故を子ども自身では防げないからこそ…大人が環境を整えていかねばなりません。

KPI設定をしっかりとした施策を継続していくことでブラッシュアップ、最適化を図り、そして何よりも最大の当事者である子どもの声を反映する制度設計をしていくことが大切だと、再認識しました。コドジコの仲間たちとも連携しながら、地域間の温度差ゼロの安全基準を当たり前にしていくべく、津山市でも取り組んでいきます。

午後からはローカル・マニフェスト推進連盟での勉強会に参加するために、品川区での研修は私は一足お先に失礼して大井町駅までスーツケースを引きながら猛ダッシュしたのですが…乗ろうと思っていた電車を目の前で逃してしまいました。

長くなるため午後からの話はまた次回書きます。有意義な時間でした。

品川区の皆さまをはじめ、コドジコの仲間たち…今回の件で関わってくださった全ての皆さまに感謝!

本日はこんなところで。それでは、また明日!

三浦 ひらく

三浦 ひらく -PROFILE-

世界を暮らしやすく楽しく変えるため、相棒ひらくマと一歩ずつでも現状改善していくために日夜ハゲむ、1978年生まれの岡山県津山市議会議員。選択肢の多い社会を目指し、政治も手段の一つと捉え、地域振興、多様性理解促進、生きづらさ解消、表現の自由を守るための活動、インフルエンザ脳症撲滅、臓器移植意思表示推奨などをライフワークとして活動している。