美作大公立化調査特別委員会。議会の見える化は市民の関心に反比例?提供された材料が燃料にならぬように。

未来拓く、みうらひらくです。
津山市議会議員、三浦ひらくです。

津山市議会はどうすべき?議会活性化調査特別委員会の傍聴に潜り込ませていただき、大先輩にイジられた話。

2025-12-12

一昨日の記事では議会活性化調査特別委委員会に傍聴に入った話を書きましたが、午後からは私が委員長を務めさせていただいている「美作大学公立化調査特別委員会」がありました。美作大学の公立化に関する諸々の議論は、市民の皆さまの関心のも非常に高く…先だっての本会議でも述べたように、現在津山市が直面している最も大きなトピックの一つだと感じていますので、ちょっと時間が空きましたが、共有しておきます。

津山市の高等教育機関連携室の皆さまらにも出席いただきまして、前回の委員会時に宿題的になっていた件についての説明をいただくところから会がスタートしました。

まずは“材料”の報告:高校生アンケートの話

今回、当局から報告されたのは「高校生アンケート」関連のデータでした。資料の説明をグダグダと一旦書いていたのですが…ご覧いただくのが最も適切だと思うので、直接アップします。

普通科に在籍しているか、それとも専門学科・総合学科に在籍しているのかによる、高校生の属性ごとの美作大学の公立化及び学部・学科に関するアンケート調査の結果でした。

当該委員会の委員長を務めさせていただいている身としても、あえてあーだこーだは書くべきではないかな。ただ高校生と一口に言っても、当たり前ですが一括りではなく、進路は在籍学科だけ見てもザックリ言えば二層化しているわけで、公立化は”選択肢として候補に入る”効果が大きいことは見て取れます。需要を見ても学科ごとに見ても刺さる分野は個々に違うわけで、新設だけが答えではなく、既存の強みの見える化とセットで考えるべきって感じたことくらいは超概論としてまとめておきます。

受け止め方は”人それぞれ”だと思います。

実際、各委員の受け止め方も本当にそれぞれでした。

全く資料を読む気すらないんじゃん、何じゃそれ普通に全方位に失礼でしょって感じの委員もいたような気がしますが…勘違いかもしれません。ただまぁ本当に、一刻も早く特別委員会での議論の内容も示せるようにしていきたいと思っています。情けない話ではありますが…動画の公開なども結局は棚上げになったままです。議会活性化調査特別委員会での議論に委ねて全体で足並みを合わせて…”いつの日か”全部の特別委員会でスタートという流れになるのかもしれませんが、そんなことに何年掛かるんだろ…と言うか、議会のメンバー構成が大きく変わってからでないと難しいのが現実なんでしょうが、それではあまりにも情けないし、市民の皆さまに対して「開かれた議会を目指しています」…などとはとても胸を張って言えないはずです。

何人もの市民の皆さまと意見交換する中で、別に一つの特別委員会が先陣を切って動画発信や議事録公開を始めたところで、市民の皆さまは「ふざけるな!全部一緒にやれ!」なんてことには絶対にならないことを私は確信していますが…そうは思わず「何でここの委員会だけやって他の委員会がやってないのって声が届いても困るじゃん?」みたいな非常に後ろ向きな、届いてもいない妄想想像の意見を盾にとって進めない姿勢には、1ミリも同意できないところですが…まぁ、ここに書くだけでは前には進んでいかないので、僅かずつであろうと進めるための努力を重ねるしかありません。

感想や意見も含めて全議員に発言を促したので、様々な指摘も出ました。

学部学科は一度設置したら簡単に転換できないからこそ、10年後も通用する設計か?国・世界の変化、産業界の変化も見ておかないとヤバいよね?というような話も出ましたし…それは当然にその通りだとも思いますが、現段階で私たちが議論することでもないというのが率直なところ。

アンケートは現役高校生の「今の気持ち」を知るには良い材料ですが、未来を決める“最終審判”の根拠にしちゃダメというのが個人的な感覚ですし…こうした諸々の材料をもとに、どうしたら最も現実的かつ持続可能な形で、津山市において美作大学を存続させていけるのか、その公立化の可否を含めて議論するのが委員会の役割ですからね。

「高校生の希望」と「産業界ニーズ」の接続が弱くない?問題など…大きな話も出ました。

要するに高校生の希望はあくまでも現在の“希望”であるのに対して…ある意味で地域にとって重要なのは、大学は“卒業してから”が勝負であり、産業界にどう効くのか、どう人材が循環するのかが肝要だという非常に大きな問題への言及です。

確かに、そこが弱いまま進むと、「公立化したけど、地域の側が受け止められませんでした!」みたいな悲劇が起こりかねないかなとも思いつつ…そーはならんやろ、そんなに地域の企業の皆さまは愚かではないというのが個人的な思いでもあります。もちろん関係各位との意見交換や調整も必要でしょうが、民間がそれぞれに知恵を絞ってやってくださるであろうこと、現在も実は色々と取り組まれていることに鑑みれば(知らない人も多いでしょうが)、放置プレイのままになるはずがないことは明確だと感じています。

ただ企業ニーズ調査との整合性や、評価指標の考え方なども含めて、アンケートの“信頼性”と“設計”の問題について、かなり踏み込んだ質問や意見が出たことは見過ごせないと感じていますし、自分も同様に感じたポイントもありました。回答率が46.5%程度、約半分じゃんという感覚での指摘は、まぁこの種のアンケートで半分も回答してもらえたら立派かなとは思いつつ…設問や調査の出発点が見えにくく、情報が十分入ってない段階で取ったアンケートと、情報が入った後で取るアンケートは結果が変わるよねという指摘には、頷ける部分もありました。

つまり、委員会としては概ね”アンケートは参考になる。でもこれだけを前面に出すのは危険だし、吟味が必要だね”という空気に寄っていきました。

まぁ、当たり前っちゃ当たり前の話なんですが。

当局側の説明の骨格は比較的明確で、まずは「公立化するならどうするか?」で経営基盤を固め、学部新設などは、その後に改めて検討するという順番で考えていること。また企業ニーズ調査については、市内だけじゃなく県内全体にも広げていて、庁内でも恐らくは部局横断的に情報共有を図っているという旨などの説明もありました。何人もの口から何度も言われてきていることですが…”公立化が目的化”すると、議論が逆立ちしてしまうので、やはりここは丁寧に熟議する必要があります。

色々な方々との意見交換を経て辿り着いた(?)そのための具体案も提案しましたが、議事録にも残らない議論(もちろんブログにも公開しません)の場の必要性を考えてのアクションですので詳細を書くことは控えておきます。

最後に次の動きとして、講演会の案内をさせていただきました。

諸々の事情により一般の市民の皆さまに聞いていただけないのは残念ではありますが…千葉大学の学長特別補佐である 鈴木章文先生を招いて開催する明日14時からの講演会の話に少しだけ触れ、閉会しました。

委員会の議論を一段深める“材料”になるか…それとも“燃料”になるのか?

変な言い方かもしれませんが、楽しみにしています。内部で開催する会ですが、別に秘密会ってわけではないので…また講演会の内容もまとめて発信させていただきます。

本日はこんなところで。それでは、また明日!

三浦 ひらく

三浦 ひらく -PROFILE-

世界を暮らしやすく楽しく変えるため、相棒ひらくマと一歩ずつでも現状改善していくために日夜ハゲむ、1978年生まれの岡山県津山市議会議員。選択肢の多い社会を目指し、政治も手段の一つと捉え、地域振興、多様性理解促進、生きづらさ解消、表現の自由を守るための活動、インフルエンザ脳症撲滅、臓器移植意思表示推奨などをライフワークとして活動している。