津山市議会はどうすべき?議会活性化調査特別委員会の傍聴に潜り込ませていただき、大先輩にイジられた話。

未来拓く、みうらひらくです。
津山市議会議員、三浦ひらくです。

日付けとしては11日…昨日の話になるのですが、津山市議会の議会活性化調査特別委員会を傍聴してきました。午前中に広報調査特別委員会と共に開催されていまして、この日は午後から私自身が所属する美作大学公立化調査特別委員会があった特別委員会デーでした。

名前からして、なんだか硬派で真面目そうな委員会ですが…もちろん、中身も真面目です。

ただし、「議会にいかに興味関心を持っていただくか?」「いかに市民に身近で寄り添った議会にしていくか?」といったテーマが論じられている場であり…それは換言すれば「津山市議会をいかに面白くするか」という話をしている場とも言えるわけで、本日もなかなか攻めたテーマも語られていました。そのあたりを私のフィルターを通して、噛み砕いて共有していきます。

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先日の記事でも少し触れていますが、議会活性化調査特別委員会の所属議員は下記の通り。

議会活性化調査特別委員会
・定数:7人
・委員長:末永 弘之
・副委員長:河本 英敏
・委員
勝浦 正樹
田口 浩二
原  行則
松本 義隆
森岡 和雄
・所管事務:議会活性化に関わる諸問題についての調査研究

津山市議会最年長で現在12期目を務められているレジェンド…末永議員が委員長を務められている上に、副委員長の河本議員をはじめ、基本的にはそれぞれの会派(政策や政治姿勢など共通点が多い者で構成されることが多く、視察などにも一緒に出かけることが多い…要するに議会内での仲良しグループ的なもの)から一人ずつ、錚々たる先輩方が揃った構成になっている印象です。何と言うか、フットワークが重そうなイメージがありました。

ハッキリ言って、活性化しそうにないな…。

大変失礼ながら…正直、今年5月の改選後には私自身はそう思っていました。

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まぁ、あの時は他にも色々とあったし…とても疲れた一日だった記憶は忘れようもありません。

ただ、今日の内容はとても興味深く、メチャクチャ勉強になりました!

本日の次第はこんな感じで…改選後に傍聴に入ったのは初めてではありませんが、久しぶりに潜入させていただいて…かなり衝撃を受けたところです。

良い意味でねッ!

委員会ライブ配信、やるのか・やらないのか問題

まず最初は情報公開についての項目。

のっけから末永委員長に「前委員長が傍聴に来られているので緊張しますが…」などと弄られつつ、私が委員長を務めさせていただいていた3年ほどの間にまとめきれず、今期のメンバーの皆さまへと決定を委ねる形になってしまっていた常任委員会視察の報告書公開時期についての議論などを経て、話し合いの内容は、本日の議論の柱の一つとも感じられた「委員会のライブ配信・録画配信をどうするか」というテーマに移っていきました。

報告書については、事務局に届くタイミングがバラバラな場合に、届いた順に公開するのか、4つの常任委員会分が揃ってから一気に同時公開にするのかなど…公開のタイミング・順番をどうするかが、実務上の論点として挙がり、議会事務局に一任する方向でどうかという提案がなされ、これについては大きな異論は出ていない印象でした。昨年度実施分の話ですし、公開自体は決まっている話ですので、会派視察同様に準備が整い次第の公開という形になるかと思います。

「お、ついに津山市議会も委員会ライブ配信スタートか?」とワクワクした皆さま…落ち着いてください。

そんな方がいるかいないかは置いておいて…一気にそこまで話が進んだわけではありませんが、少なくとも“議論の俎上にはきちんと載っている”という状況が確認できました。

公開すること自体には、そこまで強い反対はない

配信に対して後ろ向きだなぁと感じさせる発言も見受けられましたが、真っ向から「絶対反対だ!」という声は、今回の議論の中ではあまり聞かれなかった印象です。議会事務局の職員皆さまの手を煩わせることになるという指摘に対しては、現在はこの委員会の委員ではありませんが私をはじめとした(?)比較的若い面々で対応、準備していくことで対応可能だと思っていますので、丁寧に進めていけば、やれないことではないと感じています。

一方で、「よし、どんどん配信しよう!アクセル全開で!」とはならないのが議会の難しいところでもありますし、大事なところでもあります。

今日、とても印象に残ったこととして…「私が委員長をしている間は、多数決で押し通すような決定の仕方はしない」という趣旨の、末永委員長の言葉がありました。

合議制である議会という場において、そして民主主義の原則としても、ある意味では最後には多数決で判断せざるを得ないところはあると思っていますが…だからこそ、こうした少数派を置き去りにしない姿勢は極めて重要なことだと考えています。覚悟をハッキリと言葉にされる末永さんの矜持には、心を打たれるものがありました。

まぁ…私が同じことを言っていたら、イヤイヤイヤイヤイヤと全方向から突っ込まれていたとは思いますが…。

そもそも傍聴者いないじゃん、そこが基本でしょという指摘について

動画配信にあたっては、複数の慎重論も出されていました。

まず、現状認識として出ていたのが、「委員会を開いても、実際には傍聴者がほとんどいない」という事実。これは疑いの余地がない”事実”であり、それは本会議でも同様だと言えます。津山市議会委員会条例上は、議員は自由に傍聴できるけれど、市民の皆さまの傍聴は委員長許可制という一般的な枠組みにはなっているのですが、それでもリアルの傍聴に来られる方はごく少数です。

そこで出てきたのが、「まずは委員会に足を運んでもらえるように工夫する方が先ではないか」という考え方。確かに傍聴者はゼロだけど、配信だけはバッチリという状態よりは、現場に来てもらえる仕掛けを増やす方が、議会への“距離感”は縮まるのかもしれません。

ただし!

情報保障という観点からはどうでしょうか?

上で触れたように、そもそも本会議の傍聴者すら決して多くないという現状を真っ直ぐに受け止めるべきです。それは興味関心がないというよりも(それも少なからずあることは確実ですが)、まず平日日中に傍聴に来れるほど、皆さま時間に余裕がないということの証左であることを理解せねばなりません。

オンラインでの動画の発信は重要、必要と言えるものだからこそ本会議においても行われているわけで…本会議同様に極めて大切な議論をしている委員会審査についても、以前は非公開だった会議録を公開するなど、自分が委員長を務めさせていただいている間に超ゆっくりですが情報公開を進めてきたところです。

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傍聴に来たくても来られない方々がいるという”事実”を忘れてはなりません。

こちらができる限りの姿勢を示してこそ初めて…”市民に開かれた議会”を目指しているなどと言うことができるのです。手段や選択肢はできる限り多く用意すべきで、何を選ぶかは市民の皆さま次第であり、それを発信側が勝手にあーだこーだ、やる前から言うのはナンセンスです。やってみなきゃわからないわけですから。

委員会の本来機能と、全面公開の副作用

もう一つ、大事なポイントとして語られていたのが、委員会の“本来機能”の話です。委員会は、賛成・反対、さまざまな意見をぶつけ合い、協議を通じて一つの結論を導いていく、そういう場であるべきという原則論が改めて出されていました。これには私も賛成です。

ただそれゆえに、「すべてを常にオープンにしてライブ配信してしまうと、本音が言いにくくなり、委員会の機能自体が弱ってしまうのではないか」という懸念には賛同できません。

公開したがゆえに発言が萎縮したり、一部のシーンだけ切り取られて拡散されたり…という“副作用”も考えられるのは確かですが、それがやらない理由にはならないはずです。そもそも、公金ベースで運営されている議論の内容を公開しないとい姿勢自体が大問題だと私は考えますし、必要なら秘密会にすることもできますし、”ここだけの話”などは委員会審査以外の協議の場ですれば良いことであり、今現在でもそうしているハズのことでもあります。

多数決で「はい、決まり!」にはしない

上にも書いた通り…個人的に印象的だったのは、末永委員長が繰り返し強調していた「こういうテーマこそ、多数決で押し切るような決め方はしたくない」というスタンスで、ライブ配信を含む“公開路線”についても、委員会の中に「ちょっと待ってほしい」という継続の審査を求める声がある限りは、やるにしてもやらないにしても強引な進め方はしないと明言されていました。

中身だけでなく、「どう決めるか」というプロセスにもこだわる…これは、個人的にも非常に共感できたポイントで、勉強になりました。

委員会だけじゃない、「外」との繋がりづくり

今回の委員会では、議会と市…特に地域の高校生との関係をどう作るかというテーマや、連合町内会との懇談会などについても具体的な話が出ていて、とても素晴らしい動きだなと感じたところです。

連合町内会は津山市政に大きな影響力を持つ団体でもありますので、政治的な色合いの強い場にしないようにしつつ…きちんと議会のことも話し合える場にできるかどうかには工夫の余地があるところだとは思いますが、取り組み自体は良いことだと思います。そして高校生との連携は、私が訴え続けてきている主権者教育の充実という観点からも非常に大切です。具体的な高校名なども挙げられつつ、準備を水面下で進めているとの話があったことには驚くとともに、是非とも進めていただきたい方向性だと感じました。

これからが楽しみです!

次の世代、時代へと繋がるような議会を目指して

私たちに残された残り1年あまりの任期の中で、“今の時代に合った議会活性化”を整理して形にしていきたいというような趣旨の発言もありました。いきなり完璧な答えを出すのではなく、残された時間を費やしながら“素材”を集めていくイメージなのだと理解しました。具体的にも幾つかのの問題提起がなされていましたが、私自身の中にも中途半端なままで放置になっている案件が複数ありますので…現実と相談しながら、今後また、会派ツヤマノチカラを代表して委員を務めていただいている田口さんを通して、提案してもらおうと思っています。

末永委員長からは、傍聴席にいる私に発言を求めるような進行もあり…2023年の改選直後の所属委員会決めやポスト決定の際などには少々ぶつかったことがあったのですが、その際のエピソードなどに触れていただくなど、今日はかなりイジっていただけた印象です。

傍聴して感じたこと

傍聴席から聞いていて、「派手な結論」はまだ出ていないけれど、少なくとも“ちゃんと考えて議論している”ことは伝わってきました。委員ではなくなっていますが…私自身も、議会の一員として、「議会って本当は面白くて超大事なんだよ」ということを伝え続けていきます。

そして議会活性化は、議会の中で議員が話しているだけでだけで完結するテーマではありません。

市民の皆さまの目と声があってこそ、本当に“活きた”議論ができる…それこそが本当の意味での活性化だと思っています。

皆さまのアイデアも是非お寄せください!

本日のアイキャッチ画像は、議会棟の会派控室の時計がブッ壊れたのでついにデビューさせた、天才時計師プロデュースによる私物。

それでは本日はこんなところで。また明日!

三浦 ひらく

三浦 ひらく -PROFILE-

世界を暮らしやすく楽しく変えるため、相棒ひらくマと一歩ずつでも現状改善していくために日夜ハゲむ、1978年生まれの岡山県津山市議会議員。選択肢の多い社会を目指し、政治も手段の一つと捉え、地域振興、多様性理解促進、生きづらさ解消、表現の自由を守るための活動、インフルエンザ脳症撲滅、臓器移植意思表示推奨などをライフワークとして活動している。