未来拓く、みうらひらくです。
津山市議会議員、三浦ひらくです。
本日は、急遽息子の指名で幼稚園の参観日に行くことになり…仕方ないなぁと言いつつもウキウキ気分でお邪魔させていただき、歌ったり工作に挑む姿を45分近く見させていただくなどした後、市役所には午後から登庁しました。
津山市国民健康保険運営協議会がありまして、多くの委員の皆さま、そして津山市環境福祉部医療保険課の皆さまと共に、本市の国民健康保険(国保)の諸々の課題に関する議論を深めてきたところです。市議会からは中島議員、河村議員、外薗議員と私が参加しています。
日本の誇る制度の一つに、国民皆保険があります。
生まれてから亡くなるまで、すべての国民が原則として必ず何らかの公的医療保険制度に加入するという、いわゆる国民皆保険制度(こくみんかいほけんせいど)の恩恵に与ったことがない人はいないでしょう。日頃から保険料を支払うことで、病気や事故など高額な医療費が必要になった際の負担軽減を図る制度であり、誰もが必要な医療にアクセスできて、病気やケガの治療をなるべく安心して受けられるための仕組み…これは本当に凄いことです。
…が!
1961年にスタートしたこの制度、もはや空気のように当たり前に存在しているからこそ、私たちは普段は有難みを忘れがちでもあります。そして同時に、当たり前に存在し続けるためには、現場で細かい調整を積み重ねて支え続ける必要があるということも、あまり気にする機会もないと言えるかもしれません。
そんな”皆保険の足元”にあたると言える根幹をなす制度が、自治体が運営する国民健康保険(国保)だと思っています。
今年度第2回目となる、本日の津山市国民健康保険運営協議会では、令和7年度の決算見込みと、令和8年度(来年度)の制度変更・保険料率の考え方などについての説明を受け、委員として意見を述べてきました。1回目の記事はこちらです。今回あえて発言はしませんでしたが、この会の開催時期や回数についても、もう少し考えても良いのではないかと個人的には思っています。
国民皆保険の最大の価値は、言うまでもなく…病院に行ける→治療が受けられる→命が守られる→生活が立て直せるという、生きていくための社会の安全網としての機能です。その一方で、少子高齢化、医療の高度化、薬剤費の増大、物価上昇などの様々な要因が複合的に作用し…社会全体の構造が目まぐるしく変わっていく中で、少なくとも短期スパンでは医療費全体は自然に増加していくという制度としての宿命もあります。
そして国保は、住民の年齢構成や所得構成の影響を受けやすく、自治体運営の中でも特に「数字の厳しさ」が出やすい領域だと言えるでしょう。今日の協議会でも、まさにそこがテーマでした。
被保険者は減っていくけど、1人当たりの医療費は上がっているわけです。
説明の骨格は明快でした。国保の加入者数(被保険者数)は減少傾向にあるが、1人当たりの医療費は上昇傾向が続くという話で、つまり、「人口が減ったから財政が楽になる」とはならないわけです。むしろ、支える人数が減る局面で、単価(医療費)が上がれば、じわじわと財政を圧迫していくことになります。いや、じわじわどころか…このままでは、数年先には運営が極めて厳しくなる見込みなのではないかという指摘もなされました。
令和7年度決算見込みについては様々な可能性に言及がありましたが、方向性としては「医療費の上昇圧力が続く」認識を共有している印象でした。また条例の一部改正の報告として、国の法改正、令和8年4月施行を見込む制度変更への準備として取り上げられた…子ども・子育て支援金への対応は、それこそ皆保険を次世代に繋ぐための負担としても受け止めています。国全体で子育て支援の財源を確保する流れの中で、国保でも保険料の仕組みに組み込む必要がある、という説明でした。
合わせて、賦課限度額(上限額)の見直しや、低所得世帯向け軽減の判定基準引き上げなども示されました。軽減基準の引き上げは、最低賃金上昇で名目所得は上がっても物価高で生活が厳しい中、これまで軽減を受けていた層が同程度の割合で軽減を受けられるように…という趣旨。つまり「制度を変えるなら、生活への効果を同時に見よ」という当たり前の話だと受け止めています。
国保財政を語るとき、どうしても保険料や基金の話になりがちですが、現場で効くのはやはり…皆ができる限り長く健康で生活する環境を整えることでしょう。そうした観点で極めて重要な施策となる、重症化を防いだり、早期発見・早期介入を増やすための事業として、特定健診や保健指導、糖尿病対策、服薬の適正化、ジェネリック普及などの報告もありました。
ハガキ・SMS等での受診勧奨、国保通知への健診案内同封、受診券の追加発送、パネル展示やデジタルサイネージ活用などなど…市として様々な形で対象者に届けるための工夫を凝らしていることは、よく理解できました。さらに厚労省の実証事業への参加して、保健指導用アプリを導入、アプリ内チャットでのフォローや目標達成に応じたインセンティブを用意するなど、効果的・効率的に目標達成していくための手法も講じていることなどについても語られたところです。
一方で当然ながら、個別事業の実施状況や評価を見ているとまだ課題はあるように感じました。
私からは、「成果連動型(PFS)的な委託」について提案しました。
外部委託している事業は少なくありません。職員の皆さまのリソースにも限りがあるわけで、それ自体は全く問題ないことですし、民間との協働は大いに進めていくべきだと常日頃から主張している私としては、むしろ歓迎すべき方向性です。ただ、その委託の設計について、最低限の経費を保障した上で、成果(指標改善)が一定以上なら報酬が上積みされる成果連動型(PFS:Pay for Success)的な方式も検討してほしい、と要望したのです。
「実施した」で終わらず、「効いた」を増やすための話です。
指標設計や評価設計は簡単ではありませんが、来年度はデータヘルス計画の中間評価・見直し年度でもあるとのことでしたので、今こそ、契約の仕方まで含めてアップデートを検討すべきタイミングだと思っています。津山市全体の財政状況も決して好ましい状況にあるとは言えず、少子高齢化・人口減少が進んでこの先、より一層の業務効率化、事業の健全化が求められていく中で…今まで以上に効果的・効率的な国保財政運営が必要とされることになります。そのために、PFSの考え方は非常に相性が良いものだと考えていますし、他自治体での実例なども少し調べてありますので、関係部局と共有しながら改善を促していきたいと思っています。
令和8年度の保険料率は、基本的に「据え置き」という説明でした。
ただし、その背景には…医療費増の圧力、子ども子育て支援金の新負担、物価高による生活への配慮、そして基金残高も踏まえた総合判断などがありました。
言い換えれば今は、基金(わかりやすく言えば貯金)を使って家計への直撃を避ける設計になっています。
ただ、上でも触れたように数年先には調整の必要性が出てくる可能性も高いと思われます。
先送りではなく、耐え方の設計が問われているのです。
今日も市長はおられませんでしたので、部長が代わりに挨拶されましたが…こうした制度を守り、維持していけていることは、今日の会議のような場も含め、担当の職員の皆さまらが常日頃から取り組んできてくださっている現場の努力の積み重ねの賜物なのです。
国民皆保険制度は、偉大な仕組みだなと思っています。ただどんなに偉大な制度であろうと、壊れるときは静かに壊れるものです。そしてすでに綻びは小さくなくなっている印象もあるように思います。
生活が苦しいのに負担が増える→受診控えが起きる→重症化が増える→医療費がさらに重くなる→制度への信頼が揺らぐ→結果的に救われない命が増える…そんな連鎖は起こってはならないことです。だからこそ、国保の運営協議会についても「数字の説明で終わらせない」ことを大事にしたいと思っています。
生活の安心の土台を、現場からちゃんと守っていくために。
引き続き、決算の着地や計画見直しの動きも含めて注視していきます。
あと今日は…本編とは関係ありませんが、某所にてわざわざ車を降りて声を掛けてくださった方がおられ、メチャクチャ嬉しかったです。こんなブログですが書き続けていて良かったなと思えました。有難うございました!
本日はこんなところで。それでは、また明日!




