未来拓く、みうらひらくです。
津山市議会議員、三浦ひらくです。
当ブログの熱心な読者の皆さまには改めて言うまでもないことかもしれませんが…私には、議員活動と並行して、議員であることも活用させていただきながら取り組ませていただいていることがあります。臓器提供、臓器移植などといったワードと共に語られることになる、移植医療推進のための啓発活動です。
このブログにおいても度々関連記事を書いてきていますが…私の議員活動を誰よりも応援してくれていた世界一可愛い娘・愛來(あいく・愛称くーちゃん)がインフルエンザ脳症で5歳にして亡くなり…彼女の臓器提供を決断してから、ライフワークとして取り組ませていただいている活動です。
このところ、臓器移植や臓器提供に関する報道が続いています。
3月16日からは、心臓移植を待つ患者さんの選定基準が見直され、余命1カ月以内と予測される60歳未満の方を最優先にする新しい仕組みが始まりました。また本日午前中には、厚生労働省による、厚生科学審議会疾病対策部会臓器移植委員会のWeb会議が開催されており、実は私もライブ配信で傍聴させていただく予定にしていたのですが、急遽議員としての仕事が飛び込んできたもので、そちらを優先する形になり、拝見できませんでした。ただ、早速に報道に記事が出ていましたので、超ザックリとですが概要を知ることができたところです。移植医療を担う一部病院を拠点化し、体制強化を進めていく方針が示されています。
ちょっと話を広げすぎな気もしますが…17日には、iPS細胞からつくった心筋シートによって、心臓の機能改善に繋がると期待される新たな知見が示されたとの報道もありました。これらはそれぞれ別々のニュースのようでいて、根っこにあるのは同じ問いだと思っています。
人の命が救われる可能性を、どうすれば少しでも広げられるのか?
そのために求められることは、医学的進歩だけではないはずです。
制度を見直す、選択肢を増やす、現場を支える、研究等のサポート…そして正しい知識の普及啓発。他にも色々とあるでしょうし、簡単な話ではありません。現実はあまりにも厳しい。移植医療の現場でも、臓器提供を待っている間に命を落としてしまう方が厳然とおられるわけですし、医療現場には人手や設備の限界もあるわけです。それでもなお、社会全体として関係各所において皆さまが前に進もうとしていることは間違いないわけで…私は、そこに希望を見たいと思っています。ただし、ここで大事なのは、臓器提供を”唯一の正解”や”絶対正義”みたいに語らないことです。
臓器提供は、あくまでも一つの選択肢。
大切な選択肢ですが、唯一の答えではないのです。だからこそ、感情論や雰囲気で流されるのではなく、事実を正しく知り、正しい知識を持って、自分自身の意思として判断することが大事だと思っているのです。
どんな判断であっても、本人が正しい知識をもとに考えて示した意思である限り、尊重されるべきものです。
くーちゃんの存在があったからこそ、私は「いのち」について、「残される側」について、「決断する家族」について、以前とは全く違う重みで考えるようになりました。教科書的な知識としてではなく、現実の痛みを伴うものとして受け止めざるを得なくなったのです。それにより、同じような思いを抱える皆さまと向き合う機会も圧倒的に増えました。またどうしても当事者同士でなかれば、わかり合えない気持ちもあるし、当事者同士であろうとも考え方感じ方は”人それぞれ”であるからこそ、何事も軽々しくは語れないということも理解しているので…この件に限らず、様々な相談対応において自分自身の幅が広くなっているように自覚しています。
今でも私は、くーちゃんの存在に助けられまくっているのです。
キレイごとだけで済ませるつもりもありません。臓器提供をめぐる判断が、どれほど重く、どれほど個人的で、どれほど苦しいものであり得るかを無視して「良いことなんだから広めよう」だけで済ませるのは、私は違うと思っているわけです。
ただそれと同時に、重いテーマだからこそ、知らないままでいてはいけないとも強く感じているのです。
誰がいつ、どんな形で当事者になるかなんて…本当にわかりません。
移植を待つ側になるかもしれない。
家族として、突然、意思確認を迫られる側になるかもしれない。
医療者として、あるいは支える立場として、その現場に向き合うかもしれない。
だからこそ、運転免許証やマイナンバーカードなどの公的身分証明書の裏面に、臓器提供の意思表示欄が設けられているわけです。
あれは飾りじゃない。”そんなこと考えたこともないまま、その時を迎えてしまう人が多い”からこそ、用意されている仕組みなのだと思います。
書くか書かないか…提供するかしないか…その結論自体を急ぐ必要はないと思いますし、実は何度でも気持ちが変わっても構わないことなのですが、少なくとも一度は考えてみて…いつも書いていることですが、できれば、このことについて大切な人と話してみていただきたいわけです。
自分はどう考えるのか、意思をどう残したいのか、そこに向き合うこと自体に意味があるはずです!
そして、もう一つ大事だと思っていること…それは今回のiPS心筋シートの話が示しているように、どんなときも、何事についても、助かる道は一つではないことが多いってこと。
例えば心臓の話について言えば…臓器提供をめぐる議論を深めることや移植医療の体制を整えることも大事ですが、全く別の角度…再生医療の研究を進めることも大事だってことです。
何事も、どれか一つやっていれば全部が解決するわけではない…万能薬なんてないんです。
だからこそ、できる限りやるしかないのです。選択肢を可能な限り増やして、全部試すしかないわけです。制度も、支援も、研究も、啓発も…そして、一人ひとりの理解も、これが絶対正解だってことなんて、まぁないと思った方が良いわけです。現実は厳しい…知れば知るほど本当に厳しい。それでも困難の前に立ちつくして諦めるのではなく、少しずつでも変えていくことはできるわけです。そのことを、今回の一連の報道は示しているように感じています。
くーちゃんのことを思うとき…私はいつも失われた命の重さと同時に、残してくれたものについても考えるのです。
悲しみは消えません…まぁハッキリ言って消えるわけがない。それでも、彼女の身体の一部が、今この瞬間もどこかで誰かと共に頑張ってくれているという事実が、私自身だけでなく家族にとってのチカラにもなっています。そしてそれが臓器を受けてくださったご本人やその家族、あるいは周囲の誰かにとってのチカラになるだけでなく…誰かの気づきや学びに繋がり、社会をほんの少しでも前に進めるチカラになるのだとしたら…メチャクチャ有難いこと。
だから今後も、くーちゃんの話を発信し続けます。
押しつけではなく…正しい知識を持って、自分の頭で考え、自分の意思で判断できる人を一人でも増やすために。
まずはぜひ、ご自身の身分証明書の裏面を見てみてください…そして、ちょっとだけでも考えてみてください。臓器提供も移植医療も再生医療も、遠い世界の話ではないのです。
私たち一人ひとりについての”いのちの話”なのです。
本日はこんなところで。それでは、また明日!



