未来拓く、みうらひらくです。
津山市議会議員、三浦ひらくです。

昨日も、初日の所感を綴っていたら大作になってしまったエントリーを書いていますが…本日はローカル・マニフェスト推進連盟主催による勉強会の2日目でした。
今日の記事は、多くの自治体議会では9月頃に決算審査が行われます。その過庭をしっかりと意義のある「未来をつくるための政治」に変えるための集中セミナーでの、本質的な学びの記録の後半戦。昨日同様に私自身のための記録としての意味合いが強い記事となるかと思いますが、その内容の一端には触れていただけると思います。
本日も日本中から自治体議員(議会事務局職員など関係者を含む)が会場とオンライン併用で参加され、連盟の役員をさせていただいている関係から、昨日同様に私自身の司会進行で開始させていただきました。本日は昨日以上に、特にテクニカルな部分での、実践的な学びを深められた印象です。昨日の記事でも触れたように、有料セミナーゆえに資料共有等は控えざるを得ませんが、可児市議会の実際の資料をベースに展開された3時間の講義内容を可能な限り詳細に、私なりの視点も交えてお届けいたします。
「決算審査は議会人の真骨頂」セミナー冒頭のメッセージ
開会冒頭、主催者を代表して私からは「この場が初めての方も、昨日から連続参加の方も、それぞれの経験値を超えて共に学びましょう!」という呼びかけをさせていただきました。議員としての経験、期数なども異なる様々な方々が、それぞれの地域から参加してくださっているわけで…果たして、特に2日目は非常に多くの質問が飛び交う実践的な学びを得られる場になったと、多くのポジティブな感想をいただいています。
「決算審査はやる気がない議員が多く、自分自身もそれに流されそうになることもあったし、同調圧力を感じる場面もあったが、川上さんの話だけでなく、三浦さんが自分のまちの話を隠すことなく聞かせてくださったおかげで、自分も頑張ろうと思えた。決算審査こそ、議会での議員としての仕事の真骨頂だと感じました!」とまで言ってくださった方もおられ、報われました。
私自身は今回は進行に注力した面が大きかったのも正直なところですが、カメラを止めている間や会の本編開始前後に、川上さんに直接色々とぶつけさせていただいたりもしたので…満足はしています。また非常に厳しい暑さの中で現地に足を運んでくださった参加者が両日とも3名おられまして、新たなご縁をいただくとともに情報交換をすることもできました。ひらくマガジンも、2年分ほどのバックナンバーを含めて全員に無理やり手渡しさせていただくなど、ある意味で津山市や津山市議会のPRもしてきたところです。運営側の一人としても、一人の市議会議員としても、課題や気づきをたくさんいただけた貴重な時間となりました。
議員は、会派などを組んでいても、基本的には一人での活動がメインの方が多いのではないかなと思います。活動の中で、一人では思い悩んでしまうことも少なくないという声もよく聞く(個人的には悩んでいる暇もないというのが正直なところですが…)ので、こうした場がその助けにもなっているという実感を改めて得られたことは意義深く、また新たな展開の材料ともさせていただけると思っています。
本日登壇されたのは昨日に引き続き、ローカルマニフェスト推進連盟の共同代表であり、可児市議会議員の川上文浩さん。「議会改革・政策評価・決算審査」のスペシャリストとしての、豊富な経験に裏打ちされた講義は、現場実務に直結するエッセンスに満ちていました。
【振り返り】1日目の要点:決算書の“数字”を“政策”で読み解け
初日のおさらいとして川上さんは、予算審議に比べて地味で後回しにされがちな決算審査こそが、本当は政策の成果を問い、改善を提案する“議会の力量を問う舞台”であることを改めて強調されました。
私たち議員が住民の皆さまに対して「この事業にはこんな効果があったんですよ!」としっかり説明できるようにならなくては、決算審査が十分にできているとは言えないという意味だったとも思います。議員は単に予算執行のチェック機関ではなく、住民に代わって行政を評価し、次の政策に繋げていく案内人であるべきという強いメッセージでした。
2日目のテーマ:事業評価と質問力
2日目の講義では、主に以下の2点に焦点が当てられたように感じています。
・事業別の成果評価をどう行うか(事業評価)
・質疑を通して何を引き出すか(質問力)
川上さんからは「数字だけを追うな、意図と効果を読め!」という趣旨の発言がありました。
数字は書類から読み解くことができますが、事業の意図や効果については机の上だけで計測できるものではありません。つまりこれは、職員の皆さまをはじめ、現場としっかりコミュニケーションをとることの重要性への言及だったと理解しています。
「金額が大きい事業」よりも「影響が大きい事業」に目を向けるべきであり、単なる支出の多寡に惑わされず、「どんな課題を解決したかったのか」「それに対してどういう手段を講じ、どういう結果が得られたのか」を主眼に置くということでしょう。こうした視点を持つことで、「予算が余っている・執行率が低い」といった数値だけでは測れない“施策の本質”が見えてくるはずです。
圧倒的にわかりやすい”重点事業点検報告書”の衝撃
可児市議会に限らず、決算審査にしっかりと取り組まれている自治体議会では個別事業に対する評価シートが活用されている事実は知っているからこそ、津山市にもそうした資料の提供をもう何年も前から求め続けてきているわけですが…可児市議会での決算審査において用いられている重点事業点検報告書は、本当にメチャクチャわかりやすいものです。
こうした資料を事前に議会に対して提供いただいていれば、決算審査にあたって議員がアホみたいに長い時間を使って質疑する必要もなくなるわけですし、市民の皆さまにとっても決算審査の内容が非常に伝わりやすくなるわけです。公益追求のためには誰にとっても良いことしかないと思えるのですが、津山市議会では残念ながら何度も言い続けていますが…対応いただけていないのが現状なのです。
全く予備知識がなくても理解しやすい、どんな事業を行なって、どんな結果が出て、どう受け止めて、どう生かしていくのか…先に繋がる形でまとめられている素晴らしい資料である上に、これがネット上で公開されていますので、興味がある方は是非チェックしてみてください。PDFファイルが開きます。
議員仲間や行政関係者が見てくだされば一目瞭然ですが、このシートでは事業概要や決算額はもちろんのこと、実施内容やKPI(成果指標)の分析、今後の課題のみならず、決算書のどこに載っているのかといった要素が整理されており、議会側もこれをもとに審査を行うことで、より「戦略的な質問」や「提案型の指摘」が可能になるという優れ物です。こうした書類を作成している自治体は少なくないはず…と言うか、当然ながら事業評価をしていない(書類を作っていない)自治体など基本的にはないと考えられますが、津山市のように共有してもらっていない自治体が幾つかあることを今回の参加者の中でも確認させていただきました。
この種の資料を自治体の執行部側が進んで議会に共有して、決算審査に臨んでいる自治体はあまり多くはないのかもしれません。
しかしながら、質疑の根拠がこのように可視化された書面にあることで、議員と職員の議論も“感情論”や“指摘合戦”に陥らず、政策ベースでの前向きなやりとりが実現できるというわけです。
【質疑応答から】若手・ベテランを問わず生まれた学び
今回のセミナーでは、参加者がチャットでリアルタイムに質問・コメントを投稿する形で、活発なやり取りが生まれました。
川上さんからは、膨大な量がある上に難解で、新人議員からはどこから着手すべきかわからないという声も聞かれる決算審査にあたって、まず市民目線で大事な事業に着目し、関連する支出を追ってみることから始めてみたら、間違った方向には進まないだろうとのアドバイスもありました。
また可児市議会のように議員全体で情報共有する仕組みが整っていない(残念ながら津山市議会もそうです)場合にはどうするかとの問いに対しては、「決算を“個人戦”ではなく“チーム戦”に変える発想が重要」だと強調されていた印象です。
まとめ:議会は「お金の使い方を通じて、未来を語る場」である
テクニカルな面はともかく…川上さんが講義を通して伝えたかった最も大切で当たり前の話、多くの議会で忘れ去られているのではないかなという件について…私としては下記のように理解しています。
決算審査は、終わったことを評価する場ではなく、これからの税金の使い方をベースに、まちの未来をどう良くしていくかを議論する場である。
つまり、議会の役割は「批判」ではなく「改善」、そして「提案」であり…そこに本気で向き合うことでこそ、議会の信頼性も高まり、その本来の役割を果たせるのだと思っています。決算審査は議員にとって鍛錬の場であるようにも感じました。もちろん、実際の審査は本番そのものであるわけですけどね!
予算はある意味で夢を語るものであり、決算は夢が実現できたかを確かめるものであると言えるかもしれません。そうした意味でもやはり、決算審査を軽視する議会・議員に、真の“政策力”や“住民代表としての責任感”を期待することはできないと思います。得た学びを胸に刻み、津山市議会でも、より建設的で未来志向の決算審査に挑んでいくために準備していきます。
記念撮影時に足をぶつけて悶絶し、ラーメンを食べて帰りました。
本日はこんなところで。また明日!