産業委員会主催勉強会。設立から10年の津山産業支援センターの歩みと未来を実感。可能性と課題を考える。

未来拓く、みうらひらくです。
津山市議会議員、三浦ひらくです。

昨日のエントリーの続き…というわけではないのですが、今日の記事は昨日の出来事です。

議案説明会は定例会の予習タイム。これで本当に誰もが自分らしく活躍し、希望を実現できる津山になるのか?

2025-08-25

昨日のエントリーでも少し触れましたが…昼で終わった議案説明会の後、一旦は別の仕事(ゆーても、もちろん議員としての仕事ですが…)の関係で市役所を出て、開始ギリギリにまた舞い戻って参加させていただいた、産業委員会主催の勉強会の話について、軽くまとめておこうと思います。会場は午前中の議案説明会同様に市役所議会棟の全員協議会室。

勉強会のテーマは「津山産業支援センターの取り組み」でした。

産業経済部の部長次長(みらい産業課長)から、センターの歩みと今後の方向性について説明を受けました。それぞれセンターにおいて、副センター長と事務局長を務められている、組織の中枢におられるお二人です。部長はセンター設立時の初代事務局長だったという経緯も伺いました。

津山産業支援センターは平成27年(2015年)に設立されてから今年で10周年。

これまでの実績や課題を振り返り、そして今後の展開について議論するには、ちょうどいい節目のタイミングだと言えるのではないでしょうか。会派ツヤマノチカラからは現在は産業委員会に所属しているメンバーがいないこともあり、開催経緯をイマイチ把握していなかったのですが、開始時の部長の挨拶によると行政側から開催リクエストが委員会に対してあったようでした。

津山市の産業・経済が直面する現実を、議員に真っ直ぐに知ってもらいたいという意図があったのかもしれません。説明の冒頭から強調されていたのは、やはり「人口減少と人手不足」でした。賃金水準も全国平均に比べて低く、若い世代が流出しやすい現状があることにも改めて触れられました。正直、この問題は議員活動を通じても耳にタコができるくらい聞いてきた話ではありますが、それだけ切実で避けては通れない課題だということです。あとは労働生産性が低いことを問題視しているとハッキリ言われていました。そうした諸課題解決のために、様々な取り組みを進めてこられているわけです。

10年間積み重ねてきた産業支援センターの活動は、非常に多岐にわたっています。

当初から取り組んできた製造業への支援では、「無理・無駄・ムラ」をなくすための改善活動、現場に入り込んだ伴走支援を継続してきています。

技術開発サポートなども行い、環境配慮型の機械、有機物処理システムなど、地元企業との共同開発を進めてきており、最近一部で話題になったクマ問題に関係して、北海道の自治体での導入実績などもあるとのことでした。これは申し訳ありませんが知りませんでした。

起業・創業への支援も積極的に推進してきており、国や県などの補助金等の採択率が素晴らしい数字となっていることや、高校や大学とも連携した創業プラットフォームが形成されつつあることなどにも言及がありました。

私が当ブログだけでなく議場の内外でも度々言っていることの一つに”人それぞれ”って言葉がありますが…企業にも同じことが言えるわけです。社風なんて言葉もありますが…会社や団体、個人事業主などそれぞれに規模も歴史も業態も何もかも異なるのは当然で、全く同じ状況にある企業など存在するわけがなく、効果の最大化を目指すのであれば、個別最適化されたサポートが必要であることは言うまでもないでしょう。

センターでは目標・課題に応じた専門家派遣や、高付加価値製品開発やブランド化支援、補助金等によるサポートなど様々な形で起業支援に取り組んできています。

当然ではありますが個別支援について、機会は公平にと謳われています。

興味をお持ちの皆さまは、業種にかかわらず一度相談してみることをお勧めします。

時代のニーズに応えるIT・DX推進のためにICTコーディネーターを2名+1名配置していることや、津山工業高校・津山高専との取り組みなどについても興味深く伺いました。津山商業高校とは企業CM制作などのユニークな取組も進行中とのことでした。

そしてセンター、さらに津山市にとっても大きな稼ぐ手段の一つになっている、ふるさと納税。

いまや完全にネット通販だと言われていたこの手法についての現状分析と、ここには書けないような、ざっくばらんな裏話は頷けることが多い内容ではありましたが…価格競争になってしまうこと自体には個人的には懐疑的です。牛肉や米、桃、梨、ぶどう、トイレットペーパーなどなど…職員の皆さまが価格や供給を必死に調整して全国自治体と競争しているのが実際のところだと伺いました。

私自身も含め、議員からは様々な質問や意見が出ました。

Uターン希望者への支援については、条件付き求人紹介制度で年間60人をマッチングしているが、制度自体があまり知られていない問題点などに触れられ、成人式などでも行っている広報を強化予定とのことでした。新産業分野の育成、例えば医療・福祉分野でのIT活用をどう広げていくのかという問いかけには、少しずつ事例が出てきているとの答弁もあり、期待が膨らむところ。

私からは広域連携の必要性について訴えました。

市外、周辺自治体の企業との繋がりもあり…支援実績も積み重ねてきているわけで、負担金などの仕組みづくりを検討しても良いのではないかとの問いかけには、これから法人化などの選択肢も含めて考えてみるとのお答えでした。

センターの取り組みが評価されている裏返しかもしれませんが、実際に何度か耳にしたことがある一部企業偏重の懸念について「支援が特定企業に集中しているのでは?」という声があることを直球で指摘したところ、これに対しては「成果が地域全体に波及することが大事」との説明でした。結果として地域に還元できているし、上でも触れたように、機会の平等は謳われているので…利用できるものは利用してみることを民間の皆さまにはお勧めしておきます。

10年の積み重ねは確実に形になってきているとは感じました。

特に投資的な取り組みは狙いが明確であり、地域経済の循環を意識している点は評価したいところです。一方で、人材不足の解決は待ったなし制度があっても知られていなければ宝の持ち腐れです。もっともっと広報や仕組みをブラッシュアップしていく必要があることも確かでしょう。

また、きっと関係各位も心の底では同じように感じているところもあると思いますが…質問でぶつけたように、広域連携や法人化といった踏み込んだ議論もブレイクスルーのためには避けて通れないと思っています。”津山市だけで抱え込むのではなく、圏域全体で産業を支える仕組み”へとセンターの取り組みを昇華させることが、今後の大きなテーマになると思います。

津山産業支援センターの取り組みは製造業支援に始まり…現在ではICT化支援・人材育成・ふるさと納税等々と…本当に幅広い分野にわたっています。「市の産業政策なんて自分には関係ない!」と思われる方もおいでかもしれませんが、医療・福祉や教育、まちづくりとも直結する内容でした。

知らんぷりせず、行政の支援なんてと食わず嫌いをせず…一度訪れてみても良いのではないでしょうか。

行ってみてダメだったら、それはそれで教えてください。津山をより良くするため引き続き注目し、必要な提言は行っていきます。

本日はこんなところで。それでは、また明日!

三浦 ひらく

三浦 ひらく -PROFILE-

世界を暮らしやすく楽しく変えるため、相棒ひらくマと一歩ずつでも現状改善していくために日夜ハゲむ、1978年生まれの岡山県津山市議会議員。選択肢の多い社会を目指し、政治も手段の一つと捉え、地域振興、多様性理解促進、生きづらさ解消、表現の自由を守るための活動、インフルエンザ脳症撲滅、臓器移植意思表示推奨などをライフワークとして活動している。