事故で都城市視察が飛ぶも、松永昭吾先生の5年越し講義&井上図書館長の案内で大充実の会派視察スタート!

未来拓く、みうらひらくです。
津山市議会議員、三浦ひらくです。

本日から、3泊4日の日程で会派視察に出ています。

朝6時半前に津山駅に集合、会派ツヤマノチカラの3人で行動しているところです。

先だっての切符の手配に関する記事で少し触れているように、今回は訪問先や宿泊地など完全に私が考えさせていただいた、ある意味での”オーダーメイドツアー”であり、ハッキリ言って超過密スケジュールを組んでいました。

ただ、報道でご存知の方もおられるかもしれませんが、山陽新幹線で発生した人身事故の影響をモロに受ける形になり…2時間以上の遅れが発生し、初日のメイントピックの一つであった人口対策課の取り組み最大500万円に及ぶ給付金メニューを用意している移住施策様々なDX関連施策の推進などで注目を集め続けている宮崎県都城市への自治体視察には時間がどうしても間に合わず、キャンセルせざるを得ない事態になってしまったのです。本当に残念でしたし、都城市の皆さまにはご迷惑をお掛けすることになり、申し訳ありませんでした。

ごく一般的な会派視察であれば、この日はそれで終わりだったかもしれませんが…何しろ、今回の会派視察を段取ったのは私自身です。

いやいや、せっかく宮崎まで行くのに…2時間ほどお話を伺って終わりってわけにはいかないでしょう!

…ってな具合で、実は2本立てのスケジューリングをしておりました。いや、実際には3本立てと言って良い内容。個人的に連絡を取らせていただいた上で、横浜国立大学 豊穣な社会研究センター 元気なインフラ研究所所長・客員教授であられる松永昭吾先生をお迎えし、講話いただくという場を設けていました。松永先生は日本中を飛び回り、様々なシーンで活躍されています。災害調査や構造物延命化を専門とする土木技術者でもある先生に、私たち地方議員に伝えたい”事実”をお話いただくという趣旨の会でした。

視察先においてお迎えし…ってのも何だか変な話ですし、松永先生は都城市を何度も訪れておられ、初訪問の3人よりもよほどお詳しいわけです。何とその上…何とも有難いことに今回は特別に、私たちの視察趣旨などを確認くださった上で…都城市立図書館をはじめ、様々な施設がテナントとして入った極めて興味深い複合施設、Mallmall(まるまる)の案内を予め、松永先生ご自身が旧知の間柄である井上康志図書館長にお願いしてくださっていたのです。

そんなわけで事実上、3本立ての盛り盛りスケジュールでした。待望の都城市訪問にもかかわらず、都城市の取り組みを職員さんから伺うという形での視察は叶わず市役所には行けませんでしたが…議会事務局の職員の方がわざわざ駅まで迎えに来てくださって、Mallmallまで送ってくださるなど厚遇いただき、非常に有意義な時間になりました。本日の行程に関わってくださった全ての皆さまに感謝しております。

井上館長のわかりやすい説明とともに、比較的駆け足でしたが案内いただいたMallmallは、とても興味深い建物でした。

都城市の中心市街地はかつて百貨店(旧・都城大丸)などが核でしたが、撤退や衰退で空洞化が進んだとのこと。そこから起爆剤として、図書館等を含む拠点整備が本格化していった流れは、どこかのよく知っているまちを見ているような印象も覚えながら伺ったところです。

ここで出てくるキーワード…図書館(文教)、子育て支援(福祉)、中心市街地のど真ん中、毎日人が来る仕組み…これらの掛け算の結果として、図書館と子育て支援で、まちの真ん中に“毎日人がいる”状態を作り、その人流で商売と暮らしを呼び戻していく…という簡単ではないことをやってのけているのです。

日割りすると毎日約3,000人、施設周辺のエリア全体では1日5,000人くらいの人が“うようよ”しているイメージだと伺いました。言うまでもないことですが、毎日人がいるという前提があると、周辺の空気が変わるんですよね。

若い人が“何かやろうかな”と思える確率が上がる。

別に若くなくても一緒だけど…誰もいないところで商売を始めるのは修行が過ぎるわけです。実際、Mallmallは2018年に開館して以降、利用が定着し、累計利用者数が大きく伸びているようです。

そして人の流れが増えたことで、地域の空き店舗率もグッと下がり…高かった頃と比較すると、今は3分の1くらいに低下しており、新規出店が100店舗単位で増えた(うどん屋、カフェ、古着系など)という話も伺いました。

図書館そのものが儲けるというより…人が来る施設が「周辺で儲かる余地」を作る、という構図。

さらに「土地の値段が少し上がりつつある」という話まで出てきて…まちの価値が上がるって、文字通りこういうことなんだよな…と痛感させられました。子育て支援のエリアも、話を聞くほどに”ちゃんと設計されている”感を強く覚えました。ベビーカーで回りやすい動線(ぐるっと回ったら用事が済む)や、初めて来た親子には受付・登録があり、その間にスタッフが自然に声掛けをするという仕組み、保育士等の配置も含めて…”来てくれた人が孤立しないで済む”ような仕組みが徹底されていることを窺い知れました。「とりあえずまとめときゃ良いでしょ」なんて安易な考えでは決してなく、何しろしっかりと考えられた上で配置、運営されているのだなと痛感した次第。

「子育て支援って大事だよね」という“気持ち”のみで終わらせず…ストレスが軽減されるように空間と運用を作り込む。これは行政の仕事として超重要な姿勢だと思っています。

もちろん、図書館自体もメチャクチャ素晴らしい施設でした!

図書館の入り口にありがちな、静粛にしましょうとか…そういった注意書きのようなものがないのです。

例えば入り口に向かって走ってきている子どもがいた際に、どのような対応をするかという問いかけに対しても…スタッフの皆さまによって全く異なる答えが返ってくるとのことで伺った話が印象的でした。何よりも安全面から危険だと考える人もいれば、その子がトイレに行きたくて猛ダッシュしているのかもしれないと考える人もいるし、まずは一緒に走って、なぜ走っているのと尋ねてみようと思う人もいる…言われてみれば、と思うことが多々ある示唆深い話でした。

ここは一般的な「静かに本を借りる場所」という枠をはっきり越えて、まちの真ん中で“人の流れ”と“表現”まで生み出す装置になっていました。まず、ショッピングモールを図書館へ転用(コンバージョン)し、通路を“市場のストリート”に見立てて歩くだけで偶然の出会いが起きる空間に再設計しています。さらには壁で区切らず家具で場をつくり、木箱架やメッセージカードで直観的に本へ導くなど、滞在と回遊を企図したつくりは見事としか言いようがありませんでした。そして開館も9〜21時、定期休館なし、500席超・約30万冊規模で、中心市街地の“毎日の居場所”として成立する運用も非常に魅力的なものです。

さらに特徴的なのが、図書館内に相談機能(相談デスク/そうだんカウンター)を明示し、調べ方そのものを支えること、そして「知る」と同時に「表現する」を支援するプレススタジオ(レーザーカッターやエスプレッソ・ブック・マシンまで!)を持っていることです。利用者が地域の情報を編集・共有し、展示や映像上映、ギャラリー、プロジェクトスタジオ等とも連動することで、図書館が地域の“情報編集局”として回り始めるわけです。インデックスワード(スタンプ+QR)や「だいじなものメモリー」(読んだ/気になる等のリスト化、ポイント蓄積)も、利用をゲーム化しながら学びを継続させる仕掛けで、他館ではあまり見ない設計だと思います。

結果として、子育て・若者・高齢者まで混ざる中庸な環境が生まれ、まちの賑わいと挑戦(出店等)に繋がるチカラが生まれていると感じました…圧巻!

施設設計施工段階から運営を担う指定管理事業者として行ったリクエストがしっかり反映された施設であるがゆえに、ハード面は複合施設としてはもちろんのこと、図書館単体で見てみても素晴らしいものでしたが…その素晴らしい施設を宝の持ち腐れにすることなく、運営事業者さんが市民の皆さまを巻き込んで有効活用している姿勢とその手法は、大いに参考になる部分があったと思います。

個人的に印象深かった点の一つに、図書館の裏側に、編集的な役割を担うチームがいて、チラシや展示、企画など「地域の発信」も作っていくというお話がありました。図書館を”静かに本を読むだけの場所”で終わらせず、まちの情報編集局=地域の知的インフラに寄せている印象がありました。私自身が議場や当ブログなどでもいつも主張しているように図書館は決して、無料の貸し本屋ではないわけですからね。

地域の知の発信基地であり集積地としての役割を静かに果たし続けてきている上に、大いなる可能性を秘めた、最高の公共施設なのです。

この流れで津山市のことを考えると、かなり飛躍しますが…現在ほとんど機能していないと言って良いであろう議会図書室が突然”編集局”になったら面白いのにな…などと妄想してしまいました。ただ当然、突然にそんなことは起こらないので…起こしていかねばなりませんな、主体的に。

井上館長、学びの多い時間を有難うございました!

館長による案内ツアーの後は、いよいよ松永先生による講話。

何と75枚に及ぶスライドを用意してくださっていました。会場として、図書館に隣接する未来創造ステーションのセミナー室を、2ヶ月以上前から予約させていただいていました。

何と2時間で660円。

結局はその場で、よりクリアに映る大型ディスプレイを選択したのですが…プロジェクターなどの設備利用も込みでの話で、市外在住の私の予約であっても何の問題もなく大変リーズナブルに使用させていただけたことに感謝しています。市外県外からであろうとも来ていただけること、利用していただけること自体が市にとってポジティブなこと…だからこそ、扱いに差をつけることはしないという姿勢を、明確に示してくださっているものだと理解しています。

今回のお話は”人口減少時代の日本を破綻させないためにどうするか?”という極めて重い切り口で、しかも非常に多岐にわたる内容でしたので、当ブログの一記事でまとめ切るのは正直困難です。ごく一部の概要を抜粋して書かせていただきますが…松永先生のお話の上手さと、取り上げ方の巧みさで興味深く伺うことができました。圧倒的に豊富な知識と経験に裏打ちされた講義は、私たちにもわかりやすく、反応も見ながら非常に丁寧にお話しくださいました。

そして…重い話をちゃんと聞いて、未来が軽くならないように選択してくことこそ、政治の仕事。

先生が強調されていたのが、見える化には2種類あるという整理でした。

まずは管理者・担い手にとっての見える化(プロ同士の見える化)です。例えば自治体職員同士で「どこが何をどうやってうまく回しているのか」をわかるような形にする。人口減少で専門人材が減るほど、“繋がって補い合う”ような制度設計が必須になることから、非常に大切なアプローチだと感じました。

そして、議員としても常日頃から考慮し続けている市民の皆さまへの見える化です。こちらは例えば何か大きなお金を費やさねばならないインフラ整備事業があるとして…なぜ将来投資が必要なのか、なぜ今お金がかかるのかを、誰もが納得できる言葉と構造で伝えるといったことです。ここが弱いと、わかりやすいもの(福祉等)に予算も…そして選挙での票も寄ってしまうことになり、未来投資が痩せていき、結果的に地域そして国が衰退していくという悪循環に陥りかねないのです。

松永先生はそんな言い方は一切されていませんが…”この2種類を同時にやらないと詰んでしまう”というお話が、今日の全体を貫く軸だったように理解しています。地方議員に対して、どういう話をすることが”国益のために”最適である(最も効果的か)を考えてくださった上で、ご自身がメンバーである国の検討の場でのお話や海外の話なども盛り込んでくださりながら、大変に有益なお話を聞かせてくださったことに感謝しています。

そもそも松永先生とは、私自身も直接お会いするのは実は初めてでした。

コロナ禍の真っ最中の2020年9月に、当ブログでも何度も活動を取り上げてきたパブラボセミナーにご登壇いただいた際、事務局メンバーの一員として、ある意味で無理やりに繋がりを持たせていただいていたことが、今回のお話のキッカケになりました。パブラボ運営メンバーの仲間たちは、羨ましがってくれたり驚いてくれるかもしれません。丸5年以上立ってからお会いできる機会を作れるとは、もちろん私自身も想像していませんでしたけどね!

実はこの際には、田口議員と当時ツヤマノチカラの仲間だった安東議員にも参加してもらっていたのですが…田口さんは覚えていたかな?

かつてお話を伺った際とも重なり、より深刻度を増したニュアンスで表現されていたのが”危機感”についてです。先生は国土交通省の現在の検討の枠組みとして、次の4大課題を挙げられました。

①人口減少・少子高齢化
②災害の激甚化
③構造物(インフラ)の老朽化
④地球環境問題

全部、地方議会の定番メニューと言っても良いですよね。

つまり「国の大枠」も「地方の現場」も、実は同じ盤面で戦っている面があるということです。高度成長期など、縦割り(分業)が効率を上げるための勝ち筋だった時期もありました。ただ人口が減り、担い手が減り、現場のノウハウが薄くなると、分業はいつの間にか分断に変わっていく…今はそういったリスクが肥大化した局面だということです。

「税金払ってるんだから全部行政がやってくれるよね」「これは国の仕事or都道府県の仕事or市区町村の仕事だよね」「専門家がいるんだから任せればいいよね」「問題が起きたら、(自分以外の)誰かのせいだよね」…こういう”お客様化”が過度に進むことで現場は疲弊し、カスハラも増え、行政執行自体が回らなくなる。だからこそ、全体最適を回復する設計=壁を壊す政治が必要であるというお話をしてくださったと、そう受け止めています。

松永先生、色々と本当に有難うございました!

先生には勉強会の後席にもお付き合いいただきました。

上に書いたMallmallに隣接する、こちらも素敵すぎる複合施設TERRASTAの我々と同じホテルに宿泊いただいていたので、ホテルに戻ってからも超良い感じのフロントロビーで焼酎やワインが飲み放題の懇親タイムにもお付き合いいただき、心から感謝。

津山で再会したいと願っています!

本日はこんなところで。また明日!

三浦 ひらく

三浦 ひらく -PROFILE-

世界を暮らしやすく楽しく変えるため、相棒ひらくマと一歩ずつでも現状改善していくために日夜ハゲむ、1978年生まれの岡山県津山市議会議員。選択肢の多い社会を目指し、政治も手段の一つと捉え、地域振興、多様性理解促進、生きづらさ解消、表現の自由を守るための活動、インフルエンザ脳症撲滅、臓器移植意思表示推奨などをライフワークとして活動している。