拍手は記者に宿題は議会に。物足りないと書ききった気骨に敬意!公人が任期を全うするため必要な姿勢とは?

未来拓く、みうらひらくです。
津山市議会議員、三浦ひらくです。

本日は、地元紙である山陽新聞さんの内容について取り上げさせていただこうと思います。先日紙面に掲載された津山市議会3月定例会を振り返る記事について、触れておきたいと思います。

「3月定例津山市議会を振り返って 新市長 政治姿勢ただす 美作大公立化 課題改めて整理」と題された記事で、3月17日に閉会した津山市議会の3月議会の内容を、17日の夕刻の内にはすぐ配信紙の新聞としては18日付の新聞紙面でご確認いただける記事です。

光井聡新市長が就任から間もない中で臨んだ最初の定例会において、政治姿勢や美作大学公立化への認識が論点となったことを軸に三日間の質問戦を中心とした定例会の振り返りが端的にまとめられた内容でしたので、読んでいただけたらと思いますが、私が特に目を引かれたのは、終盤の一文です。

「論戦に物足りなさを感じた。」

これ、なかなか書けるものではありません…しかも署名記事としてです。記者個人のことも存じ上げていますが、誰に忖度するでもなく、見たまま感じたことを、きちんと言葉にして世に出す。これは報道の役割として、とても大事なことだと思っています。当たり障りのないまとめ方に逃げず、あえて「物足りなさ」と書き切った点は、率直に評価したいところだと強く感じました。

そして同時に、議会側に対する重い問いかけでもあると受け止めています。

今回の3月定例会は新市長誕生後初の定例会、就任直後どころか、光井市長は開会時にはまだ市長でなかったわけで…準備期間が十分ではなかったことは誰が見ても明らかな事実でしょう。当初予算も骨格編成で、所信表明は6月定例会に持ち越されるという事情もありました。そうした背景は”事実”です。ただ、それでもなお、「就任したばかりだから質問しない」とか、「尋ねる内容がない」という空気がもし少しでもあったのだとすれば、もちろん議員個人の自由な判断ではありますが…それは”議会として決して胸を張れる話ではない”と私個人としては思うところです。

むしろ、新市長誕生のタイミングだからこそ問うべきこと、議会として示すべき姿勢は山ほどあったはず。

雄弁は銀、沈黙は金と言いますが、そのタイミングを間違えてはなりません。

どんな市政運営を目指すのか…「しがらみのない市政」とは具体的に何を指すのか…公正公平とは、誰に対して、どの場面で、どう担保していくのか…美作大学公立化をどう位置付け、どのような手順と根拠で判断していくのか…市民への説明責任を、どのタイミングで、どんな形で果たしていくのか…などなど。

市議会で今回、取り上げられた多くの質問は、その尋ね方や表現などは私の好むところではないものが多く、何じゃそりゃと思うような時間帯も多かったのですが、趣旨自体は理解できるものも少なくはなかったことも事実です。私のように選挙期間になる前から”光井さとし”という人物の発信や言動に注目して、その考え方や感じ方を理解しようと努めてきた議員ばかりでないことは当然ですし…何しろ、議場でのやり取りは、市民の皆さまに対しての発表の場という側面もあります。個人的には理解していることであっても、あえて質問することで市の取り組みや考え方を市民に対して発信する場として活用していただくというアプローチは、私自身もしばしば行うやり方です。

無論そういう意図があったかどうかは知りませんが…。

いずれにしても、このような論点は、所信表明を待たなければ何一つ問えない類いのものではないとは言えるでしょう。むしろ、政治姿勢や判断基準こそ、最初の段階で確認しておくべきことと言えるかもしれません。そうすれば所信表明の際に、場合によっては「こう言われていたじゃないですか!」と質すことができますからね。

行政として、言っていることとやっていることが違うなどということがあってはなりません。

そんな事態を起こさないためにも…そこを問うのは議会の役割であり、議員の仕事であるはずです。

もちろん、質問戦だけが全てではありません。委員会審査の中、そして非公式とゆーか、会議録が残らない協議の場であろうとも、静かであっても中身の濃い議論はありますし、逆に賑やかなだけで中身の薄いやり取りもあるわけです。

しかし、今回の記事で示されたのは、単に質問に立った人数の少なさではなく、この大事なタイミングにおいて、議会全体として十分な緊張感と熱量をもって執行部に向き合えていたのかという本質的な問題提起だと思うのです。

議会は拍手を送る場でも、空気を読む場でもありません。

行政執行部と対立するために存在しているわけではありませんが、だからといって遠慮する場でもないわけです。喧嘩をする場でもなく、ごまをすって媚びを売る場でもないことは言うまでもありません。

市民の負託を受けた者として、必要なことを確認し、曖昧な点は曖昧なまま通さず、論点を可視化し、次に繋げていく。

そうした積み重ねがあってこそ、議会は本来期待されるチェック機能や政策提言機能を果たせるはずです。議会に期待されるのは、「チェックすること」だけでなく、「決めること」「提案すること」「市民の声を届けること」などだと思っています。

今回の定例会を通して、新市長の姿勢の一端は見えました。

記事内でも触れられているように、市政の大きなトピックである美作大学公立化については、前市長時代の「3月末までに方針を示す」という流れから、判断を一旦先送りし、「改めて課題を整理する」との考えが示されました。拙速に進めないという意味で理解できる部分は大きいです。

ただし重要なのはこれから先!

課題を整理するとは…具体的に何を、誰が、どう整理していくのか。
市民への情報提供と対話に着手すると言うのであれば、いつどうやって、どのような場を設け、どの程度の情報を開示し、いかにして市民の声を反映させていくのか。
収支見込みの妥当性を語るとすれば、その前提条件が崩れた場合のリスクも含めて、どこまで備え、説明していくのか。

無数に出てきますが、今までも繰り返されてきた問いも含め、具体的な回答を待たずして、「慎重な判断ですね、イイね!」で終わらせてしまえば、議会の責任放棄になりかねないことです。

今回山陽新聞に掲載された内容は、単に定例会を振り返っただけの記事ではなく、津山市議会に対する小さくない警鐘でもあったように思います。個人的には、この警鐘は真摯に受け止めるべきだと考えています。

書かれているように、市議会議員の任期満了まで残り1年少々。

6月定例会では確実に、新市長の政策を反映した補正予算案や、より具体的な方向性が示されることになるわけです。正直言って、それでも全てを乗っけられるわけがないと思うので、優先順位を考慮していただいて9月以降になっても構わないものはそれで良いだろうと思いますがともかく…次こそ、「就任したばかりだから」「まだ様子見だから」では済まされないことは当然です。

任期を漫然と過ごすことと任期を全うすることは、全く違います。

議会として見直すべき姿勢があり、正していかねばならない空気がある…そうしたことを、今回の記事は改めて気付かせてくれたように思います。

厳しいことを書くのは、誰にとっても楽なことではありません。

それでも書くべきことを書く。報じるべきことを報じる。記者の皆さまの仕事に敬意を表するとともに、受け手である私たち議員側もまた、都合の悪い指摘に耳を塞ぐのではなく、自らを省みる材料として活かしていかねばならないでしょう。

議会は、市民のためにある。

そして議員は、その議会を機能させるためにいる。当たり前のことを、当たり前に…その難しさを痛感させられると同時に、改めて肝に銘じた次第です。

本日はこんなところで。それでは、また明日!

三浦 ひらく

三浦 ひらく -PROFILE-

世界を暮らしやすく楽しく変えるため、相棒ひらくマと一歩ずつでも現状改善していくために日夜ハゲむ、1978年生まれの岡山県津山市議会議員。選択肢の多い社会を目指し、政治も手段の一つと捉え、地域振興、多様性理解促進、生きづらさ解消、表現の自由を守るための活動、インフルエンザ脳症撲滅、臓器移植意思表示推奨などをライフワークとして活動している。