熱すぎ長すぎ、ぶっちゃけ過ぎ?第4回美作大学公立化調査特別委員会の議論を公開。嵐の議論はネタの宝庫!

未来拓く、みうらひらくです。
津山市議会議員、三浦ひらくです。

19日(金)は、朝から夕刻まで文字通り一日中、津山市役所議会棟で過ごす一日でした。議会の行事としては午前中に広報調査特別委員会議会活性化調査特別委員会が開かれ、会派ツヤマノチカラからはそれぞれに白石議員と田口議員が委員として参加。その前後に会派でのミーティングを行ったり、他の同僚議員の皆さまとも諸々の意見交換をしたりと、お昼も食べずに外には出なかったものの、色んな意味で充実はしていた時間でした。

そして午後から、13時半に委員長として第4回目の美作大学公立化調査特別委員会を招集させていただき、2時間に及ぶ、なかなかに濃い議論が展開されました。

本日も熱かった!

そして長かった!

でもね、長さ=無駄ではないとは思っています。

長さ≒無駄、多くの時間は”結果的に”無駄だったってことにはなりがちですけどね…。ただむしろ、ある程度は長いからこそ色々な意見が出て、問題点や課題が浮かび上がることもあるとは考えていて、委員長としては、個性そして自己主張が強すぎる面々のそれぞれの主張を引き出して、一つにまとめないまでも何らかの方向性を打ち出していくことを目的とするならば、ブレインストーミング的に進めていく時間は必要な過程だとは思っているのです。

で、結論から言うと…?

まだまだ結論は出てません。

…まぁ、当然っちゃ当然なんですけどね。

ただ、今日の委員会での議論を経て”具体的には何が論点で、何が宿題なのか?”というポイントについて、かなり輪郭がハッキリとしてきたのは間違いないところです。その辺りをわかりやすく…そして例によってツッコミも交えつつご紹介していきましょう。

まずは津山市当局から、第2回&第3回の有識者会議の内容について、ザックリとまとめた説明タイムがありました。

当ブログでは上の記事内でまとめていますし…津山市からは全ての会議資料と、第3回目はまだですが、議事要旨ということで詳細な議事録も提示されていますので、ここでその内容を振り返ることはしません。

本日は改めて高等教育機関連携室長をはじめとした皆さまから、公立化した場合どうなるのかのシミュレーションや、アンケート結果などがドバッと、改めて共有されたところです。有識者会議を傍聴していれば不要ではなかったのではないかと思える内容でしたが、当局の厚意で丁寧に説明いただいた説明自体に30分近く時間が掛かったことと、この説明に対する各委員からの意見と言いつつも、ほとんどは改めての自説の展開がメインだった時間によって会議全体が長くなった印象は強いです。

そうした過程も、しっかり公開していけば良いと思っています。

ただ…今回はかなり乱発した休憩中のぶっちゃけトークの中には、会議録に残すには微妙かなと思えるような内容もありました。とゆーか、そういう内容こそ話し合うために休憩を乱発したと言った方が正しいかもね。傍聴に入っていただければそんな裏話も聞くことが出来ますが…まぁ、これは余談かもしれませぬ。ただ今後は、そうした話ができる場を別の形で設けることもあって良いと言うか…設けるべきだなと、先輩議員の助言を聞いて思い至ったところです。

各委員からのツッコミですが…嵐のごとく、まぁきっと愛ゆえなのでしょうが、それぞれの考え方が示されたような示されていないような、そんな表現もあったような気がしているところです。

「結局公立化ありきじゃない?」

これは、当初から言われていたことでもあるわけですが…改めて複数の委員から出た違和感でした。「私立ではダメだから公立化すれば解決」「結局は美作大学の救済」って流れになってないかという危惧です。制度の変更に飛びつく前に、「そもそもどんな大学を目指すの?」を考えるべきだという話が改めて示されたわけですが…ハッキリ言って、そんなことは言われるまでもなく大学当局や津山市としても考えているはずのこと、考えていないと話にならない問題であるわけですから…それら全てを納得できるように示してもらえば良いだけの話であり、実は問題自体は意外とシンプルな構造なんだと思っています。

「少子化のリアルを直視せよ!」

例えば十数年後に受験生数が激減することは、ほぼ確定しているわけです。定員を100%充足するなどというシナリオは夢物語に過ぎないと思える中で、「10年は持つだろうが、その後はどうするのだ?」という視点で、20年スパンの計画など、将来にわたる見込みを出さねばならないだろうとの指摘もありました。さらに厳しい声もあり…「75%充足の場合に10年持つのか?」などの想定が必要だろうと、ワーストケースを出してくれないと市民には説明できないし、納得してもらえるはずがないという考えのもと、最悪でもこれだけは大丈夫ですというラインを見せてくれという趣旨の発言もあったと思います。

確かに、いつまでの将来設計を考えているのかは、明確に示しておく必要があると私も考えます。

例えば、10年先までしか考えないなら、そりゃともかく公立化して残そうぜ話になるかもしれませんが…100年先に維持できているかと言えば甚だ疑問ですし、そこまでの責任が伴うような判断を私たちがすべきか、そもそもできるのかという問題もあります。100年先を見据えた地域づくりが必要な取り組みもあるとは思いますが…本件がその種の課題であるかどうかは、また別であり…個人的には100年先の話を持ち出して、現在の問題と同列で論じられるようなテーマではないと考えています。

「広域でやるのかどうか、はっきりして!」

この件が岡山県北地域どころか、県をまたいでも影響があるようなテーマであることは明白です。だからこそ私自身、議会質問でも広域での取り組みを進めるべきだと先頭に立って言い続けてきたつもりです。津山圏域どころか、美作国全体を巻き込んで広域で連携していくべき話だと思っています。

もっと言えば、県にも加わってもらうべき話だと考えています。

これはしっかりと議会からのメッセージとして打ち出す必要があると思っていることですので、丁寧に進めていくつもりですが、このポイントを曖昧にしたまま津山市だけで抱え込むと、あとで厳しい状況になることはは目に見えています。周辺自治体にとっても全く関係がない話ではないことは明白であり、全国的に広域で公立化を進める例も出てきているわけです。一刻も早くオープンに、首長間ででも広域化の議論を始めるべきだろうと考えているのですが…津山市には相変わらず前向きな姿勢が見られないばかりか、今回の委員会に先立って事前にぶつけた質問への回答から、大学側からも、今は津山市にお願いしているところなので津山市の回答を待ちたいという姿勢が示されたことには、遺憾の意を示しておきました。

「地場産業に効果がある学部再設計を!」

今の学部構成は、地元産業と噛み合ってないのではないかとの指摘もありました。アンケート調査などからも情報・データ・工学系への期待が集中しているように感じられるのは事実です。ただここには大きな問題が幾つもあります…教員確保が難しいこと一つ挙げるだけでも十分でしょう。根強い希望がある看護系も人件費が重いし、全国的には人気が下がってる環境もあります。答えとしては「段階的整備」かなぁという流れでしたが…ニーズを無視した学部に人が集まるわけはなく…地域の発展という観点からも非常に大切な視点であることは間違いありません。ただここは私としては、地場産業そのものの新規開拓を含めた整備強化もセットで考えていく必要があると強く思っています。

「施設投資、どうすんの?」

過去の新棟整備の妥当性を検証すべきだという声、現状を招いた経営責任を問う声もありました。いずれにしても、これからの改修・更新費をどう工面していくかについては確かに大問題であることは間違いありません。

「附属幼稚園どうする?」

教育的価値はある。ただ園児減少による収支は非常にシビアであり、将来的に負担増に繋がることは避けられない状況であることを踏まえ、他に公立園もある中で継続していくことへの疑義が複数の委員から指摘されました。いっそ附属の小・中の設置検討を含めた新たな教育システムを構想することもアリでは…などとの未来志向な意見もありました。

その他、国際化は重要だけど特効薬じゃないよね的な話で…留学生頼みで数を稼ごうという考えは非現実的であること、ゆーても長期的には国際連携の視点も不可欠だから基盤は作っていかねばなるまいよ的な話など…ともかく、改めて多様な意見が出た印象ですが、じゃあ、どうすべきかなどという結論は、議会としてもまだ意見できるような段階までは全く醸成できていない段階です。

2月の市長選のトピックとして市長候補には姿勢を示していただいた上で市民の判断を仰ぎ、その後に議会としても意見していく方が適切ではないかというような声もありました。

「動画で議論の内容を公開しようぜ!」

個人的な超重要ポイントです。生配信は無理でも、録画→チェック→公開くらいの透明性ある議論をこの特別委員会で展開していくことは、津山市や大学当局に資料を出せ、透明性のある議論をしろ、わかりやすく説明しろと散々言い続けてきている側として、私たちにも当然に求められる姿勢です。そして何よりも、市民の代表として議会に選出いただいている身ですから…市民の皆さまに、委員会で議論している内容をキッチリと見てもらえる環境を整えることは、当たり前の話で必要不可欠な姿勢だと思っています。これについてはまた改めて書くつもりでいます。

「外部知見を取り入れよう!」

また、文部科学省や他地域の事例のヒアリング、さらには有識者を呼んでの勉強会の開催、ある意味で最大の当事者たる高校生をはじめとした市民の皆さまの声を聞いていく取り組みなど、議会として独自に取り組むべき方向性についても具体案を出し合いました。議会の役割は「公立化するかどうか」だけを論じることがゴールではなく…「地域に必要な大学をどう設計するか」こそが目的だと言えるでしょう。

公立化はあくまでも手段です。

ただもちろん特別委員会は、公立化の意義や費用対効果、将来負担などをしっかり調査研究していくこと自体が設置目的であるわけですので、今後も「独自調査」「透明性」を柱に、進めていくべく考えているところです。

ご注目&ご意見ください!

ブログ記事まで長くなってしましましたが…本日はこんなところで。それでは、また明日!

三浦 ひらく

三浦 ひらく -PROFILE-

世界を暮らしやすく楽しく変えるため、相棒ひらくマと一歩ずつでも現状改善していくために日夜ハゲむ、1978年生まれの岡山県津山市議会議員。選択肢の多い社会を目指し、政治も手段の一つと捉え、地域振興、多様性理解促進、生きづらさ解消、表現の自由を守るための活動、インフルエンザ脳症撲滅、臓器移植意思表示推奨などをライフワークとして活動している。