未来拓く、みうらひらくです。
津山市議会議員、三浦ひらくです。
本日は標題の通り、津山市連合町内会の創立70周年&津山市合併20周年を祝う場…地域の自治活動の節目を祝う式典に参加させていただいた話を共有します。
第一部:式典…祝辞ラッシュの向こう側に見えたもの
まず前半は、地域の歴史が詰まった内容で、来賓の紹介と挨拶のみに約一時間が費やされたことには驚きましたが…皆さまの思いが込められたお祝いの言葉が次々と続きました。体感としては「祝辞フルコース」といった趣だったものの、知らない話も山盛りあったので勉強になりました。
来賓挨拶だけでも津山市長、津山市議会議長、全国自治会連合会会長、岡山県自治会連合会会長、岡山県知事(代理)、岡山県議会議員、津山商工会議所会頭、津山市社会福祉協議会会長が登壇されました。津山市の部長級以上の職員の皆さまや私たち市議会議員も来賓として席を設けていただいておりましたので、来賓だけで57名とのこと。大変盛大に催された会でした。
これだけ多くの方々が祝辞を述べられますと、どうしても幾つか、繰り返されるテーマが出てきます。
人口減少、高齢化、家族形態の多様化、災害リスクの増大、行政課題の複雑化など…非常に多岐にわたる地域課題が時代背景として存在するのなかで、「地域をまとめる力」「見守り」「防災」「福祉」「声を集める仕組み」として、町内会は地域の根幹で超重要だよねというメッセージが繰り返されました。
津山市内には現在364の町内会があります。
広い津山市…町内によって直面する課題もことなるわけで、多様化するニーズに応えていくためにも、要は、行政だけではどうにもならない領域が増えているってことだと理解しています。だからこそ、住民側の受け皿であり、現場の実行部隊でもある町内会の存在が重要になるわけで…これは全く同じ役割を私たち議員も期待されているところだと再認識しました。
地域住民と行政が目標を共有して、一緒に進めていかねばならない時代です。
これ、実際はかなり切実だと思っています。“協働が大事”ってレベルの話じゃなくて、”協働しないと詰む”というような局面は今後増えていくでしょう。地域から課題を教えてもらいながら行政施策に反映していく姿勢の大切さや、老朽化した施設・インフラの長寿命化など、現実の具体的課題についても語られていました。
そんな感じで記念式典らしい空気のまま休憩を挟んで、第二部へと入り…第二部は、いわゆる”記念講演”だったのですが、一部終了後にあからさまに人が激減したのはかなり残念な印象ではありました。
別に休憩要らなかったんじゃない?…とすら思ったくらい。
普通に講師に失礼だと思いますしね…まぁ皆さまお忙しいのでしょうが…。
第二部:記念講演…生死の話を、笑いで通すという技術
講師は、浄土真宗本願寺派西養寺第16世住職で、宗教者としての立場に加え、青年会議所(JC)での活動や地域での福祉活動、PTA活動に取り組まれてきた亀原了円さん。昭和100年の今年、70歳になられる、各地で講演会などされている方で…津山市でも以前お話をされたことがあると伺いました。
お坊さんってお話が上手な方が多い印象はありますが…噺家かと思うくらい、本当に面白い方でした。
自己紹介的なツカミの段階からまばらになった客席をネタに笑いを誘い、会場を一回ほぐしてくださいました。ご自身をネタに他人が不快感を覚えないように気を使われつつ、老いも不自由も、笑って語られる話術には感嘆しました。それでいて決して軽いわけではない講演内容は、ここで席立てないでしょ…と思って残っていた甲斐があったと思えるほどに、興味深いものでした。
加齢に伴うご自身の視力の変化の話など、身体にまつわる話が出てきましたが、それも単なる自虐ネタではなくて、聴衆側に問いかける感じになっていた印象です。
ことによると私の考え過ぎかもしれませんが…うまくいかないこと、思うようにならないこと、見たくないものまで見えること…そういう“人生のあるあるネタ”を、笑いを交えながらも真正面から受け止めることを示唆されたり、デフリンピック等の話題にも触れつつ、障がいのある人が挑戦し感動を与える姿への敬意も語られていて、弱さを“ないこと”にしない…現実から目を逸らさない姿勢が一貫されていたように思います。
講演の中核は死生観だったと受け止めています。
亡くなった人は、消えたのではなく…仏となって、今を生きる自分たちを照らしてくれているという捉え直しは、多くの聴衆にとって印象的なものだったのではないかと感じます。
亡き人の冥福を祈るというよりも、亡き人が残された者の人生を願ってくれていて、むしろ祈られているのは、この世界に残された私たちの人生の方なのだという趣旨のお話があり…これは私自身が娘のことをお話させていただく際の考え方ととても似ていたので、強く共感を覚えたところです。
だからこそ弔いは、決して悲しみだけじゃなく、感謝の営みであると言えるでしょう。
宗教・人生の話だけで終わらず、JCなどでの組織のリーダーとしてのご経験も踏まえ、組織の話に入られたのですが、それがまた面白かったです。会長は次の会長を育てるのが仕事で、自分より良いリーダーをつくることが組織が続く条件だと言い切られた姿勢には、リスペクトの気持ちを覚えさせるものがありました。仮に私自身にもそうした場面があれば…そのようにありたいと思っています。
記念式典の趣旨と関係ないように思われた話が…最終的には70周年記念式典の文脈と、ピッタリと接続していく話の展開には舌を巻きました。
地域組織が続いていくためには、担い手が育たないといけない。
第一部の祝辞で繰り返された“協働”とか“地域の基盤”って話が、第二部の講演で「個人の生き方」「弔い」「継承」という角度から補強されたように感じました。
今日の学び:地域は“制度”ではなく“関係性”で動いている
式典は制度の話にも見えますし、講演は宗教の話にも思える内容がメインでしたが、両方とも結局、大切だと言っていることは同じだったと受け止めています。
地域を支えるのは、人の繋がりであり…それは、勝手には続いていかないものだということ。
継承する意志と感謝、対話が必要ってこと。
人口減少・少子高齢化社会の中で”地域が崩れるか、踏ん張るか”を分けるのは、最後はやっぱり“現場での人と人の関係性”なんだろうなと思うのです。そうした関係性の潤滑油のごとき働きができればと感じた、学びの多い式典参加の時間でした。
本日はこんなところで。また明日!



