未来拓く、みうらひらくです。
津山市議会議員、三浦ひらくです。
津山市、暑かったですね…。
本日のアイキャッチ画像は良い天気の中で、恐らくは一番暑いくらいの時間帯に、津山市の某所にて市民の方から届いた相談案件のリアルを確認させていただいている際の一コマです。この際には携帯電話の万歩計によると3,000歩ほど歩いていましたが、水分補給をしないと熱中症になるんじゃないのって感じの暑さでしたし、皆さまもそろそろ今年も熱中症対策、しっかりしていきましょうね!転ばぬ先の杖ですぞ!

そして今夜は、先日もLM勉強会で講師として登壇いただいた足立区議会議員の小椋修平さんからお声掛けいただき、上記のオンライン研修会に参加させていただきました。小椋さんにはブログ記事を良い感じに紹介いただくなど、お世話になりっぱなしです。
本日の研修会では日本からワーキングプアをなくすという目標のもと、ひきこもり、ひとり親、非正規労働者やヤングケアラー、シニア層など、これまでアプローチがしにくかった層の個別ニーズを掘り起こし、テクノロジーを活用して、非常に届きやすい形で多様な支援情報を最適化して届けていくというサービスをはじめ、「就労支援・キャリア相談×AI活用」をテーマに、株式会社Compassさんの取り組みが紹介されました。結論から申し上げると、これは“単なる制度の紹介”にとどまらない、地方自治体にこそ求められる「支援の変革」の話だったと思っています。
「相談に繋がらない」を解消するために
生活困窮者やシングルマザー、ヤングケアラー、高齢者など、残念ながら実は支援が必要な人ほど行政サービスにアクセスしづらい現状があると感じることが、今まで実際に多々ありました。津山市議会議員として福祉等の現場を見てきた中だけでなく、もっと広い意味でも、こうした“支援の届きにくさ”を日々痛感しています。
Compassさんのアプローチは、その課題に正面から、そして効果的・効率的に問題解決を図るという考え方のもとで向き合ったものでした。
利用者の入り口は「LINE」。
継続的に当ブログでの発信をご覧になってくださっている方や、私の活動を追ってくださっている方ならばご存知のように…その積極的な利活用については、津山市議会においても何度も訴え続けてきているところです。理由はただ一つ、圧倒的に利用率が高いからに他なりません。

相談は24時間365日対応、しかも匿名でOK!
予約やマッチング、適職診断まで全てスマホで完結するというものでした。この手軽さこそが、最初の一歩を踏み出せない人々にとって最大の壁を取り払っているのです。
加えて、夜間や土日祝日でもキャリア相談が可能な体制。
これは全国のキャリアカウンセラーと連携し、オンラインで実現しているとのこと。行政が同様のサービスを独自で構築するのは非効率…と言うよりもはや非現実的であるからこそ、この「民間連携」は非常に理にかなっているものだと思います。窓口などでの行政職員の負担軽減にも直結します。

就労支援の“これまで”と“これから”
就労支援と言えば、かつてはハローワークが中心…と言うよりも、個人的なコネ以外にはほぼそれしかなかったと言えるのではないでしょうか。求人を大量に紹介し、職業訓練に送り出す。つまりそうした“入り口支援”が中心で、定着支援やキャリア設計にはなかなか踏み込めないという限界があったとの説明が、プレゼンの中でもありました。
一方で、今の社会において求められているのは、継続可能な働き方の提案や個人の希望や価値観に寄り添った支援、メンタルケアやキャリアの棚卸しといった包括的なサポートであるという話がなされました。
”点ではなく線となる支援”です。
Compassさんの取り組みは、AIの力などテクノロジーを活用しながら、こうした方向へと大きく舵を切った内容でした。今までは難しかったデータ蓄積・分析に個別最適化した形で対応し、利用者ごとにマッチする求人情報や支援情報を届けるための仕組みを、地域事情に合わせて構築していくということだと理解しました。つまり、相談者が「必要なときに、必要な支援と繋がる」ための環境が、ようやく整いつつあるのかもしれません。

多様な実例が示す“生きた支援”
特に印象的だったのは、モデルケースとして紹介された実際の相談案件の数々でした。
・非正規雇用を繰り返してきた氷河期世代の女性が、匿名相談から正社員登用へ至ったケース
・子どもを5人抱えるシングルマザーが、夜間のオンライン相談を活用し、介護職への転職を果たした例
・高齢であるが収入を得る必要がある方が、LINEを通じて求人情報にアクセスし、働き続ける希望を見出した事例
他にもありましたが、こうした一人ひとりの声とも言える事例は、我々議員や行政職員が肌感覚で知っている“制度の限界”を言語化してくれているものとも言えると思います。
津山への落とし込みを考える
正直なところ、津山市のような人口10万人規模の自治体では、都会ほど多くの求人があるわけではないのはご存知の通りです。しかし、だからといって、それを「やれない理由」にしてしまっては、誰も救えないのも事実。
セミナー中に私自身からの質問へご回答もいただきましたが…近隣自治体との連携を前提に求人開拓エリアを広げること、オンライン完結型の相談システムを採用して地理的な課題を乗り越えること、“つながる”手段を確保すること等々。
工夫次第で、津山市にも応用可能な施策であると感じました。

津山市に限った話ではありませんが、多くの地方自治体では現在「若者の流出」や「高齢者の就労継続支援」など、複数の課題が交差しています。例えば「中高年のキャリア再構築」や「ひとり親支援」は、まさにCompassさんが得意とする分野だと感じました。多数の自治体との協働実績もありましたし…外部連携による効果的・効率的な支援の実現を、今後も勉強させていただきながら、政策形成において検討すべき柱の一つとして取り組んでいきたいと思います。
デジタルと“温度”を両立させる支援へ
テクノロジーを活用した施策の推進を訴えている身ですが、デジタル技術の導入は目的ではなく、手段の一つに過ぎません。一番大事だなことを見失ってはいけません。
デジタルで効率化しながらも、「困っている人の声に寄り添い、伴走する」という支援の本質を失わない。
これが、Compassさんの最大の強みであり、行政そして私たち議員にとって最も学ぶべき姿勢であると感じました。大津社長の座右の銘である”優しさは最大の強さである”というフレーズが、心に残っています。

ひとりの人生を動かす支援は、もはや紙のチラシや役所の掲示板だけでは届かない時代です。
気軽に、匿名で、スマホ片手に相談できる…そんな“暮らしの中にある支援”を、津山市でも実装していけるよう、今後も積極的に提案・実践していきます。
本日はこんなところで。それでは、また明日!