未来拓く、みうらひらくです。
津山市議会議員、三浦ひらくです。
本日は、オンラインで開催された、難病者の社会参加を考える議員勉強会に参加…と言うか、登壇させていただきました。

リアルタイムでは約20名ほどの参加でしたので、それほど盛況とは言えなかったのが正直なところかなとは思いますが…強く問題意識を持った意識の高い面々が集っていたハズで、有意義な会になったように感じています。少なくとも私自身は新たな学びや気づきを少なからず得ることができたと感じていますし、手応えのようなものも少しはありましたし、新たな展開が期待できる繋がりも生まれたと思っています。
今回で第5回目になるこの会は、地方議員が難病者支援に関して理解を深め、政策として具体化することを目的に開催されてきています。私は初期から参加させていただいており、会の主な趣旨としては…難病を取り巻く現状を知ること、関心を持つ議員に具体的な取り組みを促すこと、議会での質問を通じ課題を広く発信すること、地方からロールモデルを生み出し全国に広げること…などとなっています。
今回は特に「医療・福祉基盤」よりも「就労・社会参加」に焦点を当てて、議論が交わされました。
「誰一人取り残さない社会をつくる」なんて言葉は耳にタコができるくらい聞いてきました。
けれども実際には、本気でそのために取り組んでいると思えないような状況が様々なシーンで放置されたままになっているわけです。厳然とした事実として、取り残されている人たちがいるんです。難病を患っている人たちの多くに関しても「働きたい」「地域とつながりたい」と思ったとき、その思いに応えられる制度や環境が整っているとは言えないのが現実です。
当事者の皆さま、全国の議員仲間と共に、それぞれの地域での取り組みや課題を共有し…地方からできることを考える非常に濃い時間となりました。
開会&閉会時の挨拶もされた袖ヶ浦市の伊東議員は、粘り強い議会質問の積み重ねと知事への直接の訴えによって、ついに千葉県において難病者採用枠を新設する成果を勝ち取られた話を聞かせてくださいました。やはり市議会においては「他自治体の状況や動向を見ながら」という消極的な答弁も多いとのことでしたが、県が動けば当然に市も無視はできません。
まさに”一歩ずつの積み重ねが道を拓く”と証明する事例でした。
北杜市の輿石議員からは、当事者から直接「就労が難しい」と相談を受けたことをキッカケとして、議会質問で取り上げた話があり、市から「将来的に難病者の採用を検討する」との答弁を引き出した件についての詳しい経緯をお聞かせくださり、裏話なども披露してくださいました。背景には、山梨県がすでに難病者に特化した職員採用枠を創設していたこともあり、県の後押しが市を動かした好例です。波及効果がしっかり届いているのだなと感じました。
焼津市の秋山議員は「難病者の数を把握していても、暮らしや就労の実態が見えていない」と指摘。当事者へのアンケート調査を求めると同時に、未来的な提案として遠隔操作ロボットによる接客なども紹介してきた話を聞かせてくださいました。OriHimeはもはや超有名なプロダクトですが、ベッドからでも遠隔操作でお店で接客できるような仕組みが実現したら…病気の有無に関係なく「働きたい」という思いを実現できる人が増えることは間違いないでしょう。市も「制度との組み合わせを検討したい」と答弁し、将来への可能性を感じられました。
私自身も津山市議会の一般質問内で、これまで3度にわたり難病支援について取り上げてきているところです。市の反応は総じて慎重で、独自の支援策をとるような姿勢は全くと言って良いほど感じられませんが…継続して取り上げることで、極めて少しずつではありますが、状況改善の兆しは見えてきているようにも思っています。粘り強さこそが力になると感じていますので、そんな話もさせていただきました。
共有した資料の一部を画像にして貼り付けておきます。


鹿嶋市の佐藤議員は、最初に難病を取り上げた際、市側には知識も準備もゼロだったが、それでも諦めず質問を重ねた結果、公共交通の割引制度の対象拡大やヘルプマーク配布方法の改善といった具体的な成果を得た話を聞かせてくださいました。「小さな改善でも、市民にとっては大きな一歩」…まさにその通りだと感じました。
発表ののち、質疑応答などを経てパネルディスカッションに入りました。時間の都合で予定よりも短縮されましたが…これがとても有益で、もっと時間をとっても良かったような印象があります。単なる意見交換にとどまらず、皆さまの発言を通じて、課題や解決策が色々と浮かび上がってきたような気がしたからです。
最初の一歩は担当課との信頼関係づくりから始めること、一度の質問で終わらせず、繰り返し取り上げること、データを根拠にすることで説得力を増すよう努めること、地方からの取り組みが他自治体や国に波及することもある…などなど。
何度も取り上げ続けてきたからこそ言える佐藤議員の「一度やっただけでは市は動かない。続けて取り上げることで『本気だな』と伝わる」という言葉は、すべての参加議員に響いたはずです。

今回の勉強会では「RDワーカー(Rare Disease Worker)」という概念も勉強させていただきました。難病のある人は、①支援制度が少ない②社会的な認知が低い③働く選択肢が少ない…という「3つのレア」を抱えているということです。
さらに、症状の変動に応じて「ゆるゆる型」「そこそこ型」「せかせか型」と分類する発想も紹介されました。ユーモラスでありながらイメージしやすくわかりやすく、実際の就労支援を考える上でとても有効ではないかなと感られるものでした。
そして…応援メッセージも寄せさせていただいていたのですが…クラウドファンディングを通じて「難病者の社会参加白書2025」がついに完成したことも報告されました。こちらはどなた様でもPDF版をご覧いただけます。
津山市議会でのやり取りや私の名前も掲載いただいておりますので、是非チェックしてみてください!

様々なデータと共に、全国の議会質問と答弁などもまとめられた資料となっていますので…今後の政策提案の際など、大きな武器となるものだと期待していますし、私たち議員には活用していく責務もあると思っています。
こうして知見や取り組みを共有し合えるのは…まさにネットワークのチカラ!
伊東議員の言葉を借りれば…「社会を変えるのはネットワーク。ホームランじゃなく、コツコツの積み重ね」なのです。
難病者であろうと、そうでなかろうと「働きたい」「社会と繋がりたい」と願う人はたくさんいます。地方からの小さな取り組みを積み重ねて、やがて全国の制度を動かし、社会を変えていく…その可能性を強く感じられた勉強会でした。

津山のイロモノ議員も、これからも粘り強く頑張り続けます!
本日はこんなところで。また明日!