26年の蜜月に終止符!公明党が突きつけた政治資金透明化。地方にも波及する歴史的転換をイロモノが読む。

未来拓く、みうらひらくです。
津山市議会議員、三浦ひらくです。

すでに多くの皆さまがご存知の通り、国政において、とても大きな動きがありましたね。

公明党が自民党との連立を解消し、政権から離脱するとのことです。

26年に及ぶ蜜月関係に終止符を打つ…これは間違いなく、日本の政治史に残る「歴史的転換点」になる出来事だと感じます。教科書に載るレベルの事件を、今まさに私たちは目撃しているわけです。多くの人にはそんな実感がないかもしれませんが…これは地方においても確実に影響が出てくるはずの決定です。なぜなら地方議会においても、実質的な与党会派として保守系首長のもとで活動している公明党の議員は少なくないような印象を持っています。津山市議会を含めて、今後の公明党議員の皆さまの地方議会での姿勢には注目していかざるを得ないところです。

自民党には飲めなかった「政治資金の透明化」

今回の決裂の焦点は、「政治とカネ」の問題でした。例えば、いわゆる裏金議員と言われている方々も改めて選挙に通った…つまりは禊を済ませたのだから、それ自体がもう終わった話だろという論調もありますが、それ自体が自民党に寄ったものだという感覚は、一市民として私も強く感じています。そりゃまぁ…言われるまでもなく、いやいやあなたたち、それを今さら言い出すんかい感は非常に強く覚えましたが…公明党が主張していた「企業・団体献金の受け手を政党本部と都道府県連に限定する」という案が、自民党には受け入れ難いものだったんだろうなという経緯に関しては、私がいつも参考にさせていただいている政治家の一人、千葉県の熊谷俊人知事の発信がとても得心のいくものでした。

これは自民党の心臓部を直撃する要求だったということです。

熊谷さんの投稿を拝読するまで、その数までは正直全く知りませんでしたが…自民党は全国に7,000を超える政党支部を持ち、国会議員だけでなく地方議員までが実質的に献金を受けられる仕組みを持っているわけです。これは他政党には見られない構造であり、企業・団体献金が末端まで流れ込むシステムを守ることが、自民党組織の維持そのものに直結しているとのことでした。

つまり公明党が突きつけた案は、「地方議員も含めた自民党の献金ネットワークを断ち切るか否か」を迫るものだったと言えるのではないでしょうか。高市新総裁でなくても、いかに石破総理が自民党内での改革派であろうとも、地方議員層の反発を考えればこの案の受け入れは不可能だったのではないかとも思われます。

公明党の「離脱」は、信念か戦略か

「連立のブレーキ役」と言えるかどうかはわかりませんが…長年、自民党政権の安定に一定の役割を果たし続けてきた公明党が、自ら政権与党に与する座を降りる決断をしたというのは、まさに強い覚悟の表れと言えると感じています。これをある意味での「裏切り行為だ」「政局だ」と見る向きもあるでしょう。しかしながら、政治資金透明化という誰もが納得するテーマを理由に、長年の関係を断つというのは、単なる駆け引きではなく、“信念を問う選択”だったのではないかなと私は思います。

その本気度は、今後試されます。

国交大臣ポストの空白が意味するもの

私もこれ、どーすんのよって思っていた点の一つでもありましたが、まさに熊谷知事も書いてくださっている、この決断がもたらすもう一つの大きな変化が、国土交通大臣ポストの喪失です。公明党が長年にわたって国交省を担当してきたことは、行政の安定にも一定の役割を果たしてきたと言えるのではないでしょうか。私自身は、正直全く公明党を支持していない立場ではありますが、これは”事実”として言えるんじゃないかな…?

道路・港湾・河川・空港など、巨大な公共事業を抱える国交省は、メチャクチャ大切な防災、災害対応などの際にも非常に大きな影響力を持つ省庁でもありますが…長く連立が続いてきたからこそ、自民党でこのポストを長期的に担当してきた経験者は少ないわけです。次の大臣が誰になるのかは、派閥のバランスを含めて、自民党政権が続く場合には、総理の悩みどころになるのではないでしょうか。

地方自治体から見ても、国交省は地域インフラ政策の根幹。

極端な話…道路一本、橋一つが地域の未来を左右することだって有り得ます。そうした意味で、今後の方針や優先順位がどう変わるのか、現場の行政担当者も職員も議員も、全国で神経を尖らせているのではないかなと思います。

「政治とカネ」の分岐点──しがらみを断ち切る政治へ

この件の本質は、単なる政権離脱ではなく、日本政治が「しがらみの政治」を続けるのか、それとも断ち切るのかという分岐点にあるのだと思います。

政治と企業、政治と団体…長く絡み合ってきた関係をどう整理するのか。

献金が悪だと言い切るつもりはありません。実際、私のレベルでも本気で取り組めば政治にはお金がかかることを痛感しているわけですからね…企業献金なんて、そりゃ貰えるものなら貰いたいのが正直なところ。ただ、それが“政策決定をゆがめる力”になっているとしたら、それを得ていた場合には、国民の信頼は二度と元に戻らないでしょう。

地方政治でも同じ、要は”しがらみ”は諸悪の根源です。

私は一地方議員として、利権や便宜供与とは距離を置きながら、「本当に必要な政策」を、「本当に困っている人」に届けることを意識し続けてきています。本気で言うべきを言い、質すべきを質し、正しい方向に持っていこうとするならば、しがらみがあっては不可能です。それこそが今問われている“政治の信頼回復の原点”ではないでしょうか。

野党にも試練。国民・維新はどう動く?

別に国政ウォッチャーではないので、正直そのあたりは考えてもいなかったのですが…確かに、熊谷知事も指摘しておられるように、今回の決裂で難しい立場に立たされたのは国民民主党と日本維新の会の皆さまかもしれませんね。両党はともに「政治資金の透明化」を掲げており、公明党と同様の案に賛同していた経緯があるわけですから…すんなり自民党と組む、なんて話にはならない…ハズでしょう。

つまり公明党離脱により、野党案が浮上する現実味が増したとも言える。

臨時国会では、野党主導で政治資金の透明化法案が提出され、可決される可能性もあるのではないでしょうか。もしも自民党がそれに反対した場合、「改革拒否」のイメージが定着するリスクを抱えることになります。ただでさえ、解党的出直しには程遠いのではないかと感じている国民は少なくないでしょうし、何しろ私自身もそう思っています。場合によっては連立再編も絡み、政界地図の塗り替えが本格的に始まるかもしれません。

10月、日本政治は激動の月へ

完全に熊谷知事の投稿に乗っかって書いているだけですが…タイミングも凄まじい。今月末にはトランプ大統領の来日が控え、17〜19日には靖国神社の例大祭、トピックとなること間違いなしのイベント目白押しのスケジュールです。状況が動けば、電撃的な解散・総選挙も視野に入るでしょう。

ただこれはマジで声を大にして言いたいけど…国政の混乱が続くほど、地方にしわ寄せが来ます。

市区町村は選挙事務や予算調整に追われ、現場が混乱し、疲弊することになります。この点において、政局の綱引きは早々に切り上げていただいて…安定した政権運営と早期の体制再構築を切に望むものです。

地方こそ、政治の「安全装置」に

裏を返せば、こうした大きな転換期にこそ地方が試されると言えるかもしれません。中央政治の混乱に振り回されず、自分たちの地域を自分たちで良くするチカラが何より大切になるわけですからね。

政治に無関心にならず、選挙に行くこと…情報を自分で取りに行くこと(取りに行ったのに出していない政治なんて、問題外!)、地域の課題について皆で考えること…そうした今までもやってきていることを実直に真摯に、徹底的に積み重ねていくことが、腐敗の温床を断ち、「共生」「協働」「清明な政治」への道を切り拓くのだと、強く信じているのです。

理想だけでは政治も現実も動かないことは重々承知しているけれど…あきらめたら、そこで終わりだからねぇ!

それでは本日はこんなところで。また明日!

三浦 ひらく

三浦 ひらく -PROFILE-

世界を暮らしやすく楽しく変えるため、相棒ひらくマと一歩ずつでも現状改善していくために日夜ハゲむ、1978年生まれの岡山県津山市議会議員。選択肢の多い社会を目指し、政治も手段の一つと捉え、地域振興、多様性理解促進、生きづらさ解消、表現の自由を守るための活動、インフルエンザ脳症撲滅、臓器移植意思表示推奨などをライフワークとして活動している。