未来拓く、みうらひらくです。
津山市議会議員、三浦ひらくです。
直前過ぎた感がありましたが…先だって告知案内ブログも書かせていただいておりました、津山市の生涯学習課さん主催によるイベントとして、市民の皆さまに向けて津山市立西小学校で行われているPBL「かすちゃんタイム」の取り組みを紹介する会が本日催されました。今日もなかなかのハードスケジュールで13時半の開会ギリギリの参加になりましたが、多くの市民の皆さまと共に、西小学校にお邪魔させていただきました。
※PBLって何ぞやって方は、まず上の記事をご確認ください!
会の全体像:二部構成で「実践→言語化」の順番が完璧だった
今回の会は、生涯学習課主催の市民向けイベントとして開催されました。もっと教育委員会の関係者が来ないとダメでしょ…というのが私の率直な感想でしたが、地域の皆さまなどを中心に、子どもたちや先生方が当初想定されていたよりは恐らくかなり多くの参加者(ザッと30名以上はおられた印象)が集い、皆が子どもたちと先生の発表に耳を傾け、活発な質問なども飛び交いました。
白石、田口、三浦…ツヤマノチカラの3人の他にも、市議会からは丸尾議員も参加しておられました。また、当然今は超絶お忙しいので、少しの時間ではありましたが…新市長となられる予定の光井さとしさんの姿もありました。光井さんの存在は、子どもたちをはじめ、皆さまのモチベーションアップにも繋がったのではないかなと思っています。この場に来られるのは、さすがの姿勢だなと感じました。
また結果こそ残念でしたが、選挙カーを出していなかったにもかかわらず、市議補選で多くの票を集められた正岡かずきさんは私のブログ記事を見て参加してくださったとのことでしたので、それだけでもまぁ案内した甲斐があったということにさせていただきます。ともかくかなりの盛況でした。
内容は二部構成。
第一部:子どもたちによる発表(PBLの概要・実践報告)
第二部:先生たちによる発表(PBLの魅力と教育的効果の説明)
それぞれの最後に質疑応答を行うという流れで…この順番も良かったように思います。先に”子どもたちの実践”を見せて、後から”先生が理屈として整理する”という構成は、「良いことをやっております!」ではなく…何が起きているのか、なぜ良いのかが腹落ちしやすいプロセスになっていたと感じました。
【第一部】子どもたちの発表:今年は19プロジェクトを86人で回している
まず子どもたちから、PBLの概要説明と、取組の具体が紹介されました。今年度のかすちゃんタイムは19のプロジェクトが動いていて、86人の児童で取り組んでいるとのことでした。この数字が示しているのは、単に「たくさんやっている」というレベルの話ではなく、西小学校においてはPBLがもはや”行事”ではなく”学校システム”として動いているということだと感じました。
子どもたちが写っている写真や個別発表の写真を共有すること、順位づけを連想させる記述などは控えますが…全ての発表に共通する特徴として、どのプロジェクトの発表においてもしっかりと、課題を見つける→調べる→企画する→実行する→振り返って改善点を語るというサイクルが見える形で語られていたことが圧巻でした。
ここが西小の怖いところ(超褒めてます)。
私たち大人…それこそ議員の立場に就かせていただいている者であっても、単に問題を見つけて指摘するに止まり、その解決は自分の仕事ではないと言わんばかりの人間も少なくないような気がする中で…自分たちで問題を発見して提起するだけでなく、その解決方法を皆で探り、具体策を提示するところまで持っていく。これを小学6年生が、しかも皆で取り組めている事実は物凄いことだと感じざるを得ません。見事と言うしかないレベル。
印象深かったアプローチとして、問題意識があるにもかかわらず結論から入ることはせず、アンケートなどを通してまず現状を把握し、問題の本質を見つめようと深掘りするスタンスにも頭が下がりました。例えば…利用が少ないという課題以前に、そもそも知られていないというような問題点があることを浮き彫りにするというような姿勢です。
この時点で、子どもたちはもう”大人の議論”をしているわけです。
さらに実行した上での課題整理が続きます。この「やってみた結果、改善点まで語れる」姿は、後半の先生パートで言語化された”自己効力感”の醸成に直結してるんだろうな、と思いました。これが何よりも超絶大事なことだと、個人的には思っています。
自分自身が確かにチカラを持っているという事実を、自分自身で認められること…自己肯定感とか自己有用感とか似たような意味合いの言葉がたくさんあるけど、とにかく…自分自身が存在して良いんだ、自分自身は誰かのチカラにもなることができるのだという、本来全ての子どもたちが生まれながらに備えている存在意義を自分自身で確かに認識できること…それが達成できるだけで、この取り組みはもう、誰がなんと言おうと優勝だと私は思うのです。
学校に行くことがつらい子、誰かと協力して何かをすることが難しい子、コミュニケーションが得意ではない子…自分の周囲だけですら本当に色んな子がいます。同じような状況に見えても、それぞれが抱えている問題は決して一様ではなく、一人ひとりそれぞれに、求められる支援の形も変わるものです。
ただそれでも、全ての子どもたちに絶対に備わっていて揺るがない事実があると、私は信じています。
それは、どんな子どもも絶対に、誰かに望まれて生まれてきたという事実。
人間は一人で生まれてくることはできません。そして一人で育つこともまた不可能です。何歳の誰であろうとも…誰かが、絶対に誰かが、望んだからこそ生まれてくることができて、そして今まで育つことができたのです。誰かが必ず、愛情を注いでくれているのです…そうでないと、生命を維持していくこと自体が不可能だったはずですから。
この”絶対に揺るがない事実”を自覚できること…それが自分自身の存在を肯定できる第一歩かなと私は考えています。子どもたちが緊張したり笑い合ったりしながら、それぞれのあり方で発表に臨む姿を見て、ほとんどの子たちと初めましてであるにもかかわらず、迂闊にも泣いてしまいそうになりました。
問題意識を持ち、具体的な改善方法を考えてみても、やってみると現実の壁が立ちはだかるのは大人の世界でもよくあること…それでも工夫する、あきらめない姿勢も幾つかのプロジェクトからは強く伝わってきました。「良いこと言って終わり」じゃなく、実装した瞬間にぶつかる摩擦まで含めて語られていた点が印象的でした。
子どもたち自身が得たチカラは、成長していくに従ってさらにアップデートされていき…生きるチカラそのものになっていくでしょう。
ここまでが第一部。
”子どもが語る実践”がこれでもかと詰め込まれていた時間でしたので、すでに結構お腹いっぱいだぜという印象もありましたが…後半戦でも、素晴らしいお話が聞けました。次のコマの授業では、実際に中心となってPBLの指導に当たっておられる先生お二人から具体的な話が伺えたのです。
【第二部】先生たちの発表:PBLの魅力と教育効果を言葉で表現、質疑応答も
先生お二人のお話は、単なる賛美でも理念語りでもなく、西小学校の現場で起きていることの言語化だったように受け止めています。
PBLの教育的効果として…当事者意識をもって学びを進めることで、主体性を中心にあらゆる資質・能力が伸びることが期待できる点や、学校で学ぶことの意義を改めて獲得できること、そして伝統や文化にただ触れるだけでは育まれない「確かな郷土愛」が醸成されると思われることなど…学びが、単に評価のための学びではなく、かすちゃんタイムを通して言わば”社会との接点”を持つことで、”学ぶ意義”が宿るという話だったように理解しています。
郷土愛って「郷土の歴史を学ぶ」「文化に触れる」「偉人を知る」みたいなアプローチで育てようとしますよね…全否定するつもりはありませんが、例えば”つやま郷土学”の取り組みも肯定的に受け止めている子供達ばかりではないことを把握しています。何に価値を感じるかは子どもたちの自由であり、押し付けのようになる教育は私は望ましいとは思いません。
ただ西小学校ではPBLの効能として、別角度から郷土愛が育っている。
PBLでは、問題発見から解決策の立案、実行・検証、成果と課題のまとめ、発表と振り返りまでを、子どもたちが自分たちの手で回すわけです。その過程で全員が漏れなく感じるものがあります。
それこそが上でも触れた…”自己効力感”です!
自分自身の考えや言葉、行動によって、プロジェクトが進んだり広がったり、滞ったり行き詰まったりする。
つまり、世界が「自分の舵取り」に反応するわけです。先生の表現がとても秀逸で、心に残りました。
「舵を切ったら船が傾いた!」
この経験からくる自己効力感…つまり自分自身の影響力の実感が、所属への愛情を育むというお話でした。
「西小学校は私たちの学校!城西地区は私たちのまち!」
子どもたちが自分自身の手で触れ、動かし、ときには失敗もしながら関わった場所だからこそ、愛着が生まれるということです。これこそは外から”教えられる郷土愛”ではなく、内側から湧き上がる、文字通り育まれる”確かな郷土愛”ではないでしょうか。
そして先生はさらに踏み込んでおられました。その確かな郷土愛は、都市部でキャリアを積んででも戻ってくる…我がまちを大切に想う 「市民性」 として、いずれ新たな姿を現すはずだ、と。
これは、少子高齢化人口減少とか担い手不足とか…津山の現実課題に、教育が真正面から向き合っている挑戦です。
”戻ってくる理由”を、教育現場で育ててくれている…これがどれだけ希望のある話であるのか。共感いただける方は決して少なくないと思います。メチャクチャ重要な、意義深い取り組みを行ってくれている…その現場を今日ほんの少しだけ覗かせていただいただけではありますが、大変に心強く感じました。
先生パートの後に、会場から出た質問も興味深かったです。「他の自治体や学校でやっているPBLと、西小のPBLの違いは?」という問い掛けに対して示された先生の答えは、技法論ではなく、実装論でした。
先生の回答の骨格:西小学校では地域内で”循環”するシステムが整っている
無論これは勝手に整ったわけではなく…子どもたちと先生方、そして地域の協力の積み重ねの結果として整っていったものです。
例えば学校側が毎年、地域に「今年もPBLをやりますのでご協力お願いします」という趣旨のお願いに行き、地域からは「今度こういうイベントがあるから、一緒にやってみない?」的な声が返ってくる。そして子どもたちが現場に入り、学びが現実に結びつく…無論こういった”循環”は、どこにでもあるわけではありません。さらに現場のリアルな感覚として、「教師側が一歩踏み出さないとなかなか難しい」というニュアンスで語られていた先生たちの姿勢は、実は極めて重要なことだと思っています。
つまり西小のPBL「かすちゃんタイム」は、学校→地域で終わらせず、地域→学校に戻ってくる形になっていて、子どもと大人との間に色々な意味での”往復”があるのだと勝手に納得しました。だからこそ、子どもたちにとって「やってみた」が現実の手触りになるのだと思います。
そしてこの循環が19プロジェクト、86人の子どもたちを中心に回っているという話でしたが…関わっている人の数はそれこそ数えきれないでしょう。
他と何が違うかは明確です。
一言で言えば…関わっている誰もが、圧倒的に主体的に取り組んでいるのです。
こうした取り組みを市全体に波及させたいといった声もありましたが、正直を言って極めて難しいと思います。そして実はそれで良いとも思っています。
地域ごとに様々な形のPBLがあって良いと思いますので、必ずしも同じアプローチで取り組む必要はないと考えるからです。そしてこの種の取り組みには、核となる人材が絶対に必要で、ある程度は属人的にならざるを得ないからです。誰にでもどこででもできることではなく、圧倒的なやる気が求められる…西小学校の取り組みが凄いのは、それが継続されていることです。
子どもたちと先生方の熱量が、そのまま地域に波及している実際の様子を目の当たりにして、城西エリアの地域としてのまとまりを再認識しました。
「城西が好き?」という質問には全ての子どもたちが迷うことなく挙手しました。ただ残念ながら「津山が好き?」という質問に好きだと答えた子どもたちは多くはありませんでした。
これが何を意味するのか?
私たち大人も考え続け…そして「津山が好き?」という問いかけに「好き!」だと答えてくれる子どもたちが一人でも多くなるような津山にしていくために行動していかねばならないと…改めて、熱い思いを抱かせてくれるキッカケにもなる時間でした。
西小学校の皆さま、有難うございました!
西小に行った後は西中(正確には周辺部ですが…)に行ったり、帰宅は夜中になるくらい色々と飛び回った一日になり、非常に充実していました。長めの潜入レポートになりましたが、素晴らしい取り組みだったことは伝わったかなと思います。冒頭に触れたように、津山市教育委員会としても、もっとしっかりと注目すべきだと考えていますし…市長部局と教育委員会の連携をしっかり図っていただくことは、光井新市長の掲げられる政策実現のためにも必要なアプローチだと思っています。その辺りの姿勢と今後のあり方については3月議会でもしっかりと確認させていただくつもりでいます。
本日はこんなところで。それでは、また明日!





