ブリブリ言われるブリロの箱はパンドラの箱?美術館が欲しい人も欲しくない人も、考える前に感じて欲しい。

未来拓く、みうらひらくです。
津山市議会議員、三浦ひらくです。

週末の予定はお決まり?文化芸術振興に本気の議員オススメの津山芸術Festaに行ってみて考えてみよう。

2025-05-23

昨日は文化芸術振興への思いに触れた感じのエントリーを書いてしまいましたので…今日は先日訪れた素敵な美術館のお話を書いておきましょう。まだオープン間もないと言ってしまっても差し支えはないのではないでしょうか。

そう、鳥取県立美術館です!

結論から申し上げると、本当に素晴らしい施設でした!

4時間があっという間に感じられるほどでした。むしろ時間は足りませんでした。本人は否定するけど、それこそ自分の中ではアーティストと言い切ってしまっても差し支えないような方と一緒に回らせていただいてきたので、作品に触れる視点や感想戦なども面白く、忙しい中を強行軍で行ってきた甲斐があったと思える有意義な時間になりました。

今年の3月30日にグランドオープンしたばかりの最新の施設であり、全国で“最後にできた県立美術館”でもあります。都道府県が所有する美術館がなかったのは鳥取県だけでしたが、これで47都道府県全てに公立の美術館があることになります。芸術文化振興に対する広域自治体の姿勢が感じられます。

鳥取県立美術館は3階建てで、延べ床面積は約10,600㎡。数字の予備知識は報道などで持って伺ったわけですが、実際に訪れてみると想像以上に開放感のある「ひろま」では無料のワークショップが月替わりで開催されていたり、市民に開かれたテラス空間は入館料を支払わずとも利用できる憩いの場としてとても魅力的だったり、誰でも気軽に利用できるカフェ&とても贅沢なキッズスペースも利用したいなと強く思える印象でした。

「美術館って、こんなにも身近で自由な空間なんだ」と感じさせてくれる雰囲気が全体に漂っていました。

だがしかし…何をやっても叩かれるのが宿命づけられた(?)かのような公共の仕事の中でも、文化芸術振興については、公金の使い方としては特に難しいところがあると思っています。この記事あたりを読んで考えていただきたいところ。

ブリロの箱には約3億円が費やされています。

鑑賞券を買わなくても楽しめる範囲がエグい。

ミュージアムショップも素敵で財布の紐が緩んでしまいそうでしたし、岡山県立美術館と比べても、近くにあったら良いな感はヤバかったです。

スタートしたばかりすから気合いが入っていて当然ではあるものの、展示内容も大変充実しており…アートに馴染みのない方でも楽しめる構成になっているような親切設計で、これはまさに“開かれた文化施設”のモデルケースと言えるかもしれません。基礎自治体が参考にするには規模が大き過ぎるのは確かですが、アプローチには見習うべき点が多々あるように感じました。

ただ、現職地方議員としては、どうしても気にならざるを得ないのが整備・運営にかかるコスト問題です。

この美術館の総工費は約70億円。

明確に撮影禁止と示してある一部の作品を除き、撮影OKってのも今風で評価高め

そして、鳥取県立美術館の整備には「PFI方式(民間資金活用による整備・運営)」が導入されていることも特長です。これは公立美術館としては全国初の試みとのことで、PFI方式によって初期投資を抑え、維持管理・運営の一部を民間に担ってもらうことで、長期的な安定運営を可能にするという仕組みです。

2040年までの事業期間の総事業費は約142億円。

この規模感、そしてこの内容の施設を実現するには、やはり自治体としての財政力が問われるのは当たり前の話なのです。率直に言えば、津山市のような財政規模、そして財政状況の自治体が単独でこうした取り組みを実現するのは極めて困難でしょう。同じ規模なんてのはナンセンスですが、何分の一かに縮小したとしても同じことです。そもそも文化芸術振興に充てられている予算は、津山市では年間予算の1%にも足りず、その姿勢については、本気ならもう少し予算の面でも伝わるような措置を講じていただきたいと、何度も議会で質してきている通りです。

しかしながら、だからと言って文化的な挑戦を諦める理由にはなりません。

やり方次第では、津山市でも“できること”は確実にある。

たとえば、クラウドファンディングなどを活用して市民や全国の支援を募る。多くの方々からしっかりと共感を得られるようなプロジェクトであれば、自治体主導での取り組みでも、実際に結果を出すことが可能であることは、同じ岡山県内の瀬戸内市さんの例などからも明らかです。

他にも民間資本と連携し、企業の協賛や投資を呼び込む方向性や、周辺自治体や県と連携して、広域的な文化拠点を構想するというやり方などは、少なくとも単市で取り組むよりは現実的で、かつ持続性も見込めると思います。多角的なアプローチによって、津山市においても「身の丈に合った文化施設のあり方」を模索していくことは可能なのです。

ハコモノ批判が根強い中であっても(実際に私自身も基本的に批判的ですが)、地域に根ざした文化芸術への投資が持つ意味は小さくないこともまた事実だとは思っています。

単なる“施設整備”としてではなく、地域づくり・人づくり・賑わいづくりの一環として、どんな選択肢があるのか?

そのヒントは、視察…って感じではありませんでしたが、今回の鳥取県立美術館訪問でも大いに学ばせていただきました。久しぶりに贅沢な時間を過ごさせていただき、大満足でした。

そう言えばまたラーメン食べちゃった。お腹も大満足…。

本日はこんなところで。また明日!

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三浦 ひらく

三浦 ひらく -PROFILE-

世界を暮らしやすく楽しく変えるため、相棒ひらくマと一歩ずつでも現状改善していくために日夜ハゲむ、1978年生まれの岡山県津山市議会議員。選択肢の多い社会を目指し、政治も手段の一つと捉え、地域振興、多様性理解促進、生きづらさ解消、表現の自由を守るための活動、インフルエンザ脳症撲滅、臓器移植意思表示推奨などをライフワークとして活動している。

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