未来拓く、みうらひらくです。
津山市議会議員、三浦ひらくです。
岐阜県可児市を訪問し、あまりにも素晴らしかった”さくら議会”のことを当ブログで書かせていただき…思いを込めすぎてしまった感もありまして、稀に見る大作記事になってしまった昨日。
ただ実はその後も可児市に留まらせていただき、非常に参考になる体験をさせていただいたのです。さらにそれだけではなく今回、大変に歓待いただいたことについても書かせていただいておかねばなりますまい。
可児市の津山市との歴史友好都市としてのご縁については、昨日の記事でも取り上げた通りでして…昨年の2月にも訪問しています。ただ今回はその際には訪問が叶わなかったものの非常に高い関心を持っていた場所に行くことができました。
カニミライブ図書館です!
無印良品ヨシヅヤ可児店の中に入っている、市立図書館の分館であります。館内は基本的には写真撮影禁止ですので、特別な許可をいただいて撮影しています。
「図書館に興味がない人」が始めた未来志向の図書館として以前、本日のアイキャッチ画像にも写っている、ローカルマニフェスト推進連盟(通称LM)の事務総長である川名ゆうじ武蔵野市議会議員がこれまた参加できずに残念だった研修会の内容を、そのような趣旨の表現でブログで紹介されていたことが印象に残っていました。
ちなみにこの写真を撮ってくださったのは可児市議会の大平副議長。さくら議会の閉会後に議長室にお邪魔して、色々とお話を聞かせていただいた後に撮影いただいた一枚です。
余談ですが…靴の色が黒ってことで叱られる議員は、日本中探しても私くらいのものでしょう!
話を戻しましょう。川名さんのブログによると、当時の市役所職員さんから「軽い気持ち」で、カニミライブ図書館の立ち上げ担当者だった木村さんに相談があったことで良品計画(無印良品の運営会社)側も「じゃあ、やってみよう」と動き出したとのこと…このあたり、実は軽く流せるポイントではないと思いますが、今日のところは置いておいて。
ただ「どこにでもある図書館」を作っても意味がないねってことになったそうです。
目標に掲げたのは“可児市の未来を作れる図書館”とのこと。
担当の木村さん自身が図書館にそこまで興味がなかったからこそ “無関心層に気づきを持ってもらう” ことが最重要ポイントになったというわけです。実際に訪問してみて…無印良品の店舗の商品配置と、絶妙にリンクする書籍の配置の工夫など…随所に注目すべき点がありました。
今までにも何度も当ブログでも書いてきていますし…議場の内外でも言ってきていることでもありますが、私は図書館という公共施設が大好きなので、各地に出張などに出かけた際にも隙あらば図書館に足を運んできているのです。だからこそ、図書館のあり方には色々と思いもあるところでもあります。
ちょっとブログ内を検索してみただけでも色々と行かせていただいていますなぁ…。
ただ放っておくと図書館は“好きな人だけが好きなだけ使う空間”になりがちで、街の“装置”としての伸びしろが、そこで止まっちゃう印象もあるように感じています。それゆえに、地域活性化を目的に据えてスタートしたという話は、目的設定として非常に強いと思いました。
寛げるスペースが必要だと感じてデザインされたという空間では、今日も多くの皆さまが思い思いにリフレッシュしておられました。
現地訪問してみて、この目で確かに見させていただいた印象としては…”十進法じゃない”棚づくり、無印良品らしい“導線設計”が、空間をおしゃれに保ったままで、両者を最も効率よく融合させているといったイメージを感じています。カニミライブ図書館は、そもそも無印良品の店舗内に市立図書館分館を整備したという時点で、発想が一段飛んでいると思っていましたが、公民連携の勝ち筋の一つだと実感しました。
美味しいコーヒーが100円で飲めるし、マイボトルに給水もできる。
熱中症対策としても私が津山で提案していた給水スポットとしての機能まで備えていて、さらに良い感じのボトルをその場で購入することもできるわけで…利用者目線で色々と考えられていることが端々に現れていました。
カニミライブ図書館の蔵書は約2万冊で、上記の1〜7のテーマに沿って本が並んでいます。
いわゆる“図書館の正攻法”である十進分類で整然と並ぶわけではなく…調理器具の近くに料理本、子ども服の近くに子育て本…みたいな感じで、商品と書籍が連携する配置がなされているのは、図書館司書の皆さまなど専門家からすると違和感が強いものかもしれませんが、少なくともこの場所のメインユーザーにとっては非常にユーザーフレンドリーであると感じました。そしてこれは決して単なるおしゃれ図書館ではなく、設計思想としてはかなり実務的に考えられていると思ったのです。
要するに”手に取ってもらえる確率”を最大化している、と。
図書館に用がある人を待つのではなく、買い物のついでに本が刺さる人を増やすor本を見にきた人の商品購入意識を掘り起こすという発想なんでしょうね。
そして、図書館は楽しさだけじゃなくて「安心」や「探求心」が得られる場…という整理が、無印良品の理念とも接続すると川名さんがブログに書いておられましたが…まさにハマっている印象を受けました。良品計画の公式メッセージを確認すると、「商品を売るだけじゃなくて、店舗も含めて“感じ良い暮らしと社会”に貢献する」って話で、店舗を“地域のコミュニティセンター”みたいに位置づけてるんですよね。「本を借りる場所」から「安心して居れて、探求心が動き出す場所」に組み替える発想は、無印側の思想とも相性が良いわけです。
図書館を、静かにしなくてはならない場所ではなく、”暮らしの中で本に出会う装置”に変えたってことだと理解しています。
可児未来部という意味も込められたカニミライブ図書館は、熱心な利用者の満足度だけでなく、”来ない人が来る理由”をどう作るかまでを考えられた素敵な場所でした。空間・導線・人材・運営まで含め、どこを行政が担い、どこで民間の力を引き出すのか…正解は一つではないと思いますし、今後にも注目しています。
図書館に限らず公共施設をより効果的・効率的に運用したいと考えるのは、どの自治体でも同じことですが、それを思いだけで終わらせずに、「目的」と「実現手段」をセットで詰める必要があるわけで…ダメ元でもお願いしてみる姿勢なども含め、当たり前のことを、気持ちよく再確認させてくれました。もっと長い時間いたかったのが本音です。
そして夜は懇親タイム!
議長みずからお肉を切っていただいたり、焼いていただいたり、お酒を作っていただいたり…大変にご歓待いただきました!
食べたこともないような超絶美味しいお肉(飛騨牛!)をはじめ、高級ウイスキーの数々までご馳走になり、危うくさくら議会もミライブ図書館も忘れてしまいそうになりました…ってのは冗談ですが、最高の体験をさせていただいた後に、最高のご馳走までもいただき、大満足すぎる可児時間でした。
川上議長、そして図書館等への送迎案内等でも大変にお世話になった天羽良明議員、本当に有難うございました!
今度伺う際は、しっかりと(?)金か銀の靴を履いて行こうと思っております!
本日はこんなところで。それでは、また明日!





