イロモノ議員が視察対応?赤磐市議会の皆様に津山でのオンライン委員会実施の裏側を暴露。新しい議会の形。

未来拓く、みうらひらくです。
津山市議会議員、三浦ひらくです。

本日は、赤磐市議会の皆さまが津山市議会へと視察に来てくださいました。

議会ICT推進委員会のメンバー5名と、議会事務局職員の方の計6名でお越しくださいました。

テーマはズバリ、「オンライン委員会の開催について」でした。

(そんなの、今どき当たり前の話じゃないの?)と思われる方もおいでかもしれませんが…実はこれ、地方議会ではまだまだ珍しい取り組みなんです。

津山市議会では、コロナ禍真っ只中の令和3年6月に、会議規則を改正してオンライン出席を認める仕組みを整えています。これは県内市議会では最も早い対応でした。感染症感染時や大規模災害発生時、登庁ができない場合でも、議員が自宅などからオンラインで委員会に参加できるようにしたものです。

実際には、令和4年5月に1回だけ実施しています。

感染症への罹患が判明した議員からの出席要望を受け、zoomを使ってオンライン参加してもらったのですが、その際の経緯などをざっくばらんに伺いたいという趣旨でしたので、議会事務局の皆さまと共に、当時当該委員会の委員長を務めさせていた私も視察に参加させていただき、実施の裏側を含めた津山市議会の過去と現在の実情を説明させていただいたというところです。

津山市議会では事前申請は「前日正午まで」で、委員長の判断でオンライン出席を認める形をとっていますが…形式だけ作って満足するのではなく、“いざという時に使えるかどうか”を確かめておくこと…常日頃からの備え、訓練(デモンストレーション)の重要性について繰り返し言及させていただきました。実際にやってみて問題点をあぶり出し、改善を積み重ねていくことが何よりも意義があることですし…それこそ、そうでなければ備え自体が税金の無駄になりかねないわけです。説明させていただく中で、津山市議会の現状にも大きな問題があることを改めて再確認しました。

オンライン委員会での使用ツールはZoomで、リアクションボタンや画面共有などが議事進行上とても有効であること…事務局や議員間の通知にはLINE WORKSを用いていること、オンライン参加の申請もメールでOKで紙の許可書類は不要であることなど諸々の細かい点についても、事務局の皆さまが作成してくださっていたわかりやすい投影資料や、3人の職員の皆さまそれぞれの立場や経験を踏まえた説明で、実情がしっかりと伝わったと思うので、ぶっちゃけ私はいつも通り(?盛り上げ要員的に乗っからせていただいただけという印象でして…好き勝手に発言させていただきました。

会場にはタブレットとプロジェクターを設置し、実際にオンライン会議を行った際の状況を再現しようと参加者の顔や発言を画面で共有したりもしましたが、議論の進行にほとんど支障はないため、プロジェクターは個人的には不要だとも思っています。あった方がそりゃ良いだろうけど…無駄は省くべきですからね。

委員長は原則としてオンライン参加できないという縛りも、ハッキリ言って無意味だと思っています。

頻繁に参加しているオンラインでの会議や勉強会などで、私自身も司会進行、ファシリテーターや講師を務めたりする機会をいただきますが…何とでもなりますからね。どう考えても個人の資質と言うか…明らかに習熟度の問題です。

習うより慣れよって話です。

多少の音声トラブルなどがあったとしても、「やってみたら意外とスムーズ!」というのが正直な感想ではないかと思いますが…もちろん課題がないわけではありません。発言者の顔や順番がわかりづらいなどの課題は確かに対面の場合に比べて大きいと言えるでしょうが、オンライン委員会はあくまでも全員参集しての対面開催が難しい場合の選択肢なのですから、贅沢を言う場面ではないと考えます。

ただ…“どんな場合にオンラインを認めるか”という線引きが難しいのは確かです。

感染症に罹患してしまった際や大規模災害発生時は当然OKとして、「妊娠中」「介護中」「子育て中」など、登庁が難しいケースにも適用できるようにするべきなのか。津山市議会でも当然に話し合われたのですが、実際のところ、端的に言えば今ではないという結論に至って、条件から外されました。

これはまさに議会改革の“次の壁”です。

個人的には、オンライン委員会は非常時の特例ではなく、現代的な議会運営の一形態となっていくべきだと考えています。何よりも重要なのは議論を進めること、市政を停滞させないことであり、その形式を守ることではないはずですし…そしてオンラインで開催することで、真っ直ぐに考えれば、時間をはじめとした極めて重要なコストを削減することができるはずだと考えるからです。

やってみなければ、わからないことだらけです。準備不足のままゼロの地点で立ち止まって思考しているよりも、10点でも20点でも良いからまずやってみること、スタートすることが大切だと思っているのです。

「完璧じゃないからやらない」ではなく、「やりながら完璧に近づける」…そんな津山市議会でありたい!

…と思っています。

津山市では現在、庁内職員の皆さまのPCもタブレット化が進んでおり、ICT環境も徐々に整いつつあります。あまりにも遅いというのが正直なところではありますが…議場での議論の際に、議員側だけでなく執行部の皆さまがタブレットやノートPCを持ち込まれる日も、近いうちにやってくるでしょう。

オンライン化は利便性向上だけでなく、多様な事情を抱える方々がそれぞれの活動を続けられるための“支え”にもなるはずです。

そこに選択肢があるという価値、意味について私たちは考えていかねばなりません。今回、赤磐市議会の皆さまと意見交換する中で改めて感じていたことの一つは、「制度は使ってこそ意味がある」ということです。どんなに立派な条例を整えても、実際に動かさなければ宝の持ち腐れです。オンライン委員会は、議会を便利にするためだけの仕組みにとどまるものではなく、多様な働き方・生き方を支える民主主義の“柔軟性”の象徴や、現状を大きく変えるキッカケになり得るものだと思うのです。

津山市議会でも、まだまだ改善の余地はたくさんありますが…「やってみた」経験があるというのは確かな財産でもあり、だからこそ今回、このような機会に恵まれました。

赤磐市議会の皆さま、わざわざ津山までお越しいただき、本当に有難うございました!

これからも“使える制度”を整えていくため、実践を重ねていくことを約束しておきます。

この対応をさせていただくことが決まっていましたので…昨夜は文字通り真夜中に高速道路を飛ばして津山に帰ってきたのですが、その甲斐がある有意義な時間でした。あ…一応念のために申し添えておきますが、アイキャッチ画像はブログ用にお写真ご一緒していただいても良いですかってリクエストにお応えいただき、本当は、遠慮して一番横で足あげて写ろうと思ったのですが、どーぞどーぞって光成委員長の横に招き入れていただいたものです…図々しくど真ん中にスミマセン!

新たなご縁を頂戴した若手の横山市議からは、早速にインスタで身に余るお言葉と共にひらくマガジンを紹介いただき…感謝です!

インスタもXも放置同然の身としては耳が痛い…俺こそやらねば!

本日はこんなところで。それでは、また明日!

三浦 ひらく

三浦 ひらく -PROFILE-

世界を暮らしやすく楽しく変えるため、相棒ひらくマと一歩ずつでも現状改善していくために日夜ハゲむ、1978年生まれの岡山県津山市議会議員。選択肢の多い社会を目指し、政治も手段の一つと捉え、地域振興、多様性理解促進、生きづらさ解消、表現の自由を守るための活動、インフルエンザ脳症撲滅、臓器移植意思表示推奨などをライフワークとして活動している。