公益通報ゼロは必ずしも良いことじゃないかも。津山市政の縮図が詰まった総務文教委員会審査の内容を共有!

未来拓く、みうらひらくです。
津山市議会議員、三浦ひらくです。

本日は津山市議会の委員会審査日でした。

私自身が所属する総務文教委員会と、厚生委員会が開催されました。今回はそれほどボリューミーな審査にならないで午前中に終わるかもしれないくらいに想定していましたが、結果的に総務文教委員会は午後に食い込み、審査が終わったのは12時半過ぎでした。補正予算から条例改正、総合計画基本構想に教育分野の取り組みまで、まさに津山市政の縮図といっても過言ではない内容でしたので、概要を備忘録も兼ねて紹介していきます。

まずは総務にかかる内容…ここは毎回副市長お二人(ここに2人出席するなら振り分けた方が適切でしょとは本会議で指摘しています)と、企画財政部長、総務部長、税務部長、地域振興部長をはじめ、会計管理者や政策推進監、選挙管理委員会事務局長も参加されるなど、津山市政の最も多岐にわたる分野をカバーする委員会審査の場です。

メインは補正予算の審査。

職員の皆さまの育児休業取得に伴う会計年度任用職員の人件費や、連合町内会の70周年記念事業費の補助など…市民生活に直結する内容についての増額なども多く、陸上競技場やアイススケート場の収入などについても説明があり、今回は珍しく誰からも一切の質疑がなく全員一致で補正予算が通るという流れになりました。正直、細かいところで気になる点はないというわけではありませんでしたが、今議会に予定されている昨年度の決算審査の際に本格的に質すつもりで考えている内容とも被る点が大きかったため、今回はスルーした感じです。

育児・介護休業関係の条例改正についても話がありました。この点は当事者の声を聞いても、制度を整えるだけでなく、職場風土をどう変えるかが問われていると思います。男性職員の育休取得率が依然として低い現状を受け…私からはより実効性の高い取り組みとなるように付言させていただきました。他の委員からも言及がありましたが”なぜ育休が取れないのかを分析した上での対応が必要”だと言えるでしょう。執行部の説明内からも、取得しやすい環境づくりに努める意思は感じられたので、期待はしています。

ただ実際のところ、津山市の男性職員の育休取得率は令和6年度ベースで23.9%にとどまっています。

対象者46名のうち11名が取得したということで(女性職員は100%)、令和5年度の同数値の全国平均値が47.6%(まだ令和6年度分のデータは公表されていない)であることに鑑みても、決して高い取得率とは言えないことは明らかで、その点にツッコミを入れた上で、改善されることを目的に取り組んでいただくようにお願いしたわけです。

半年ほど前に佐良山公民館が新しくなったことについて書かせていただいていますがこの度、大崎地区に新しい公民館が完成します。研修室・和室・調理室までそろった新施設は10月21日から供用開始予定とのことでした。旧館は解体され、駐車場に生まれ変わりまるとの話です。

現在絶賛策定中の津山市の最上位計画、第6次総合計画の基本構想が、今議会には議案として上程されています。この内容についても、様々な意見が出ました。以前にも少し触れましたので、詳細はご確認いただければと思いますが…2025年から2035年を対象に、2050年を見据えた長期視点も盛り込まれている内容です。

「ひとづくり・くらしづくり・しごとづくり・しくみづくり」の4本柱。

この基本構想については「わかりにくい!」という声が上に貼り付けた先日のブログ記事をご覧になった市民の方からも複数届いていることや、個人的に感じている「しくみづくり」が柱として独立していることへの違和感についても言及させていただきました。

他の委員からも期間がわかりにくい点など指摘が入り、これについては反対意見もあったのですが、最終的には賛成多数で可決されています。私の立場としては、反対するほどではないが、総合戦略や基本計画策定の際には意見を踏まえてよりわかりやすく具体的な内容としてもらいたいということです。この項目についてはかなり多くの意見が出た印象があります。

サッカー・ラグビー場の人工芝を張り替える契約(約1億9千万円)を承認し、また公用車の物損事故(過失100%)による賠償も専決処分なども報告されました。

ただ最も多くの時間が割かれたのは、その他の項目で論じられた…本会議の一般質問の際にも大きなトピックとなった谷口市長の後援会資料の庁内保存問題と公益通報に関してでした。市長後援会資料が庁内ネットワークに保存されていた問題は特に議論が白熱していたので、本当は動画でご覧いただきたいくらいですが…残念ながら委員会審査の様子は動画での公開に取り組めていませんので、何ヶ月か先の会議録公開までお待ちいただくことになります。

物凄く率直に言って…何とまぁ生産性のない話だと思うのが私の正直な気持ちです。

ただ実際問題、政治的中立性に疑義を招く重大案件ではあるとも思いますし、経緯の不透明さは残っているようにも感じます。スッキリしない話だなとは思いつつも…こんな案件を議論することに議会全体としてこれ以上の時間や労力を使いたくはないのが個人的な見解です。

大事なのは制度運用の見直しと通報者保護という論調で議論も進んでいましたので、関連して公益通報制度について質疑させていただいました。直近の通報はほぼ0件で、今年度1件あったのみとのことでした。

通報ゼロ=不正ゼロとは限らないことに注意が必要です。

「制度が知られていない」あるいは「信頼されていない」可能性を示す数字でもあるわけです。制度周知と信頼確保、そして通報者保護の実効性を高めるように強く求めました。

総務分だけでも長くなってしまいましたが…ここからは後半戦とも言える文教分の審査について書きます。実際には本日の時間配分としては、総務2に対して文教1って印象でした。

教育関連についても補正予算審査から入りました。学校管理職のマネジメント力強化事業や、学びの多様化学級の施設整備(専用トイレ・空調・Wi-Fi等)などの取り組みや、学校指定での寄附金があったこと(河辺小に10万円)等についても説明があり、教育現場直結する予算が盛り込まれています。予算案はすんなりと通りましたが、学びの多様化学級が文科省への認可申請は通らなかったものの、市独自の対応として鶴山中学校に開設することが決定したことについては私自身を含めて複数の委員から質疑や意見が飛び交いました。

通学困難な子どもへの配慮が課題であることが改めて確認されました。

「国が認めないなら市独自でやるという判断は評価する」というのは私の基本姿勢(国に認められるような形にできなかったこと自体は問題ですけどね!)でもありますが、オンラインの積極活用や通学支援策などの具体的施策を講じていっていただくことが肝要です。教育委員会からは「先行実施しながら改善し、再度の認可を視野に入れて動いていく」との趣旨の答弁がありました。何はともあれ、津山発の新しい学びの形が一歩を踏み出すことは応援していきたいと思っています。

GIGAスクール構想の実現によって、ICT機器の活用した課題提出やオンライン授業の形など、学びの形が広がっています。ただし“端末使用などが目的化しないように”との声もありました。紙・体験・対面と組み合わせてこそ、深い学びに繋がるというのは、私としても否定する気はありません。手段は幾らでもあるということです。

医療的ケア児の校外活動に、現在は付き添い要請が任意で、交通費や宿泊費は保護者負担であることを問題視する意見もありました。送迎支援や費用補助など、難しい部分はあるものの…制度的な工夫が必要だという考え方自体には、私も賛同できる部分が大きいです。

また今回の委員会審査では、令和6年度教育に関する事務の管理及び執行の状況の点検・評価という資料が共有されました。また教育委員会のホームページで公開されるはずですが、これはとても良い資料であり、市長部局からは何度こうした資料を決算参考資料として共有してくれとお願いしても一向に頂戴できないものでもあります。また、前回分を覚えている議員がどれだけいるのか知りませんが…令和5年度分以上にわかりやすく作成されていたことも、少なくとも私にはしっかり伝わっています。その点の評価と感謝を伝えた上でそれでも、外部評価のあり方や、KPI設置のあり方に課題があることなどについては指摘させていただきました。

「事業目的を考えた上で、KPIは成果を端的に示す指標に変えるべき」「外部の多様な視点をもっと入れるべき」と提案しています。

また第4期教育振興基本計画の策定状況についても説明がありました。「ふるさと津山を誇り、人とつながり、志高く未来を切り拓く」…言葉としては美しく響きますが、この策定には子どもたち自身の声をしっかり反映していくことが不可欠だと思っています。

誇りを持てるように教育する前に、誇りを持てるような津山にしていくことが肝要だろ、と言いたいです。

Screenshot

委員会審査を通して感じたのは「制度や計画があるだけでは不十分」ということ。

大事なのは実効性と信頼性。

少々長いエントリーになりましたが…これからも現場のリアルを皆さまに届けながら、市民目線で皆さまから頂戴した声を市政の最前線に届け続けていくことを継続していきます。

本日はこんなところで。それでは、また明日!

三浦 ひらく

三浦 ひらく -PROFILE-

世界を暮らしやすく楽しく変えるため、相棒ひらくマと一歩ずつでも現状改善していくために日夜ハゲむ、1978年生まれの岡山県津山市議会議員。選択肢の多い社会を目指し、政治も手段の一つと捉え、地域振興、多様性理解促進、生きづらさ解消、表現の自由を守るための活動、インフルエンザ脳症撲滅、臓器移植意思表示推奨などをライフワークとして活動している。