大阪は金蘭会高校にて何ちゃって講義?レジェンド福嶌敎偉先生の講義の後に、世界一優しい愛娘の話を紹介。

未来拓く、みうらひらくです。
津山市議会議員、三浦ひらくです。

今日は講義で制度を学ぶとともに、新たな皆さまに愛娘くーちゃん(あいく・愛称くーちゃん、インフルエンザ脳症がもとで5歳で亡くなり、脳死下臓器提供に臨み5人を救った)のことを知っていただく機会をいただきました。自分とは別のドナーファミリーのお母さんの話も聞かせていただく時間もあり、貴重な経験をさせていただきました。

大阪の金蘭会高等学校・中学校へ!

中高ともに、様々な部活動などでの活躍でも著名な学校ですので、大阪でなくても名前は見聞きしたことがある方も多いはず…校舎からして素敵でした。昨年は創立120周年だったそうです。

3月議会開会前の忙しいタイミングでもあったのですが、日本の移植医療現場におけるレジェンド的存在・福嶌敎偉(ふくしまのりひで)先生からお話をいただいていたことで、この三連休の予定は昨年から決まっていました。臓器移植、とりわけ脳死と小児移植、そして家族ケアをテーマにした研修に登壇させていただくだけでなく、ご厚意でオブザーバー的に参加させていただいてきたのです。

福嶌先生は臓器移植法成立後の国内初の脳死下心臓移植(1999年2月28日・高知赤十字病院)をはじめ、様々な事例に関わってこられただけでなく…2010年に法改正を成し遂げられた中心人物でもあられる、移植医療の発展と制度改善に向けて取り組み続けておられる方です。

福嶌先生ご自身による講義があり…この日の締め括りのセッションとして、2名のドナー家族による講話がなされるという流れで、そのうちの一人として、まず私がお話させていただきました。つまり私はゲスト講師としてお招きいただいた立場だったのですが…図々しくも、講義そのものも受講させていただいたというわけなのです。

福嶌先生をはじめ、関係各位に感謝です!

本日の研修の内容自体は、極めて専門的な知識が必要とされることも多く…正直言って、素人に毛が生えた程度の私の知識では付いていけない部分もありましたが、ある意味、だからこそ非常に勉強になりまくりました。難しい内容だったので私自身の中で咀嚼することに時間が掛かることも理由の一つですが、そもそも有料研修であり、全国各地からハイブリッドで参加されていた皆さまにも申し訳が立ちませんので…資料の共有や内容の詳細への言及は控えさせていただきます。

ただ議会前の超厳しいスケジュールの中、消防団の操法大会の練習やイベントへのお誘いなどもお断りして…妻と息子にもブヒブヒ言われながらではありましたが、それでも参加させていただいた価値が十二分にある、大変に学びの多い時間でした。また新たなご縁をいただくことも出来ましたし、実は先の話に繋がるような希望が持てるお話も伺えたので、色々と楽しみにしています。

実は2023年の11月に、当ブログでも福嶌先生について触れさせていただいたことがあります。

ガッキーが表紙のAERA記念号に掲載された記事が素晴らしいので紹介!移植医療のレジェンドを知る。

2023-11-23

福嶌先生について知っていただくには、上のエントリー内で紹介しているプロフェッショナルによる記事をお読みいただく方が良いはずですが、要するに私は一方的に存じ上げてはいたのですが…昨年10月、大阪で開かれた臓器職推進国民大会で初めてお会いした際のご縁がキッカケで、今回のお話を頂戴したという経緯でした。何と今日は土曜日にもかかわらず、その際に諸々の調整を図ってくださった大阪府の職員さんも私が登壇するからということで(?)ご参加くださるなど、予期せぬ再会もあり…とても嬉しかったです。

「死」の定義は国によって異なることや、制度・歴史・医療の積み重ねの中で整理されてきた背景。脳死についてや、小児移植の難しさと歴史的経緯に加え、制度上の年齢要件や意思表示の扱いが現場の合理性と噛み合わない局面があり得ることなども含め…今日だけでも非常に多岐にわたるお話が伺えました。ちなみに今日から2泊3日の集中研修です。

中でも福嶌先生ご自身が、新生児・小児の重症例と向き合う中で「助けられない子がいる」現実に直面し、そこから移植医療に関わってこられたというお話は、私には大変に重く響きました。

言うまでもなく、制度は必要です。

ただ制度が”線を引く”とき…その線の外側に誰かが残ることがある。

こうした私が議員としても日々向き合っている課題について、移植医療の最前線において、誰よりも向き合い続けて来られている第一人者が語られる言葉は深く、考えさせられるものでした。

もう一つ、本日の講義の柱になっていたのが家族ケア。

だからこそ、当事者家族の生の声を聞く機会の確保として、ドナー家族の講話が2本続いたわけです。その1人目として私が登壇し、くーちゃんの話をさせていただきましたが…正直なところ、脇道に逸れすぎて最後は時間が足りなくなってしまったので反省しています。

ドナー家族として何を感じ、何に迷い、何を背負ったか…「意思表示」と「家族の同意」がどれだけ重いか…それでも、社会がこのテーマから目を背けてはいけないと思う理由などについて、いつものように我が家の世界一可愛い娘のスライドを流しながら、お話しさせていただきました。

私は当然、常日頃は議員として政策や制度の話をすることが多いわけですが、このテーマは結局、制度の話で終わることではありません。それぞれの家族の人生を直撃する話だからこそ…くーちゃんのことを、私の言葉で共有することに意味があると信じているのです。

私の後に語られた、もう一組のドナー家族の方の体験談も…当然ながら厳しく、理不尽に感じる内容が多々含まれるお話でした。くーちゃんよりも大きな娘さん…手塩にかけて育てられた娘さんを亡くされたお母さんの悲しみ、痛みは想像するだけでも苦しく…長い時間、上を見ながらお話を伺っていました。語られていたのは美談ではありません。

絶望の中で、臓器提供が「唯一の希望」になったという、むき出しの言葉でした。

それでもやっぱり納得がいかないこともあると言われていた率直な態度には、共感の気持ちを覚えましたが…妻と私の中でも思いが異なるように、ドナー家族と一言にまとめられたとしても、その思いは本当に人それぞれだよなと改めて強く感じた次第です。

医学的な根拠や、命に優劣をつけてはいけないというような道徳的規範などを全て踏まえた上でも、それでも…私たちには感情が残ります。

ある意味では”割り切れなさ”こそ、家族ケアの核心なのではないかと思いました。

最初から最後まで通して話を伺っていた身として…しかも、多くの読者の皆さまと同じように、医療の専門家ではない私の中での今日の結論としは、”制度を学ぶことと、家族で話すことはセットにすべし”ということです。

これ、政治にも当てはまりません?

講義で学んだのは、制度と歴史と現場の構造であり、締めの講話で突きつけられた(突きつけた?)のは、家族の人生の現実でした。

この2つは切り離せません…政治の制度や現場と、生活が切り離せないのと同様に。

そして2組のドナー家族は、共通のメッセージを発しました。

「家族や大切な人と、臓器提供の意思について話し合ってほしい」

どんな考え方も感じ方も個人の自由です。提供する、提供しない、受ける、受けない…それぞれの選択が尊重されるべきです。ただ、何かしら話し合っておくことは万一の際の助けに、きっとなるはずです。いつもこのテーマの際に書いていますが…皆さまにも、大切な誰かと考えてみるキッカケにしていただけたら幸いです。

明日&明後日も楽しみになる充実したカリキュラムでした。

本日はこんなところで。それでは、また明日!

三浦 ひらく

三浦 ひらく -PROFILE-

世界を暮らしやすく楽しく変えるため、相棒ひらくマと一歩ずつでも現状改善していくために日夜ハゲむ、1978年生まれの岡山県津山市議会議員。選択肢の多い社会を目指し、政治も手段の一つと捉え、地域振興、多様性理解促進、生きづらさ解消、表現の自由を守るための活動、インフルエンザ脳症撲滅、臓器移植意思表示推奨などをライフワークとして活動している。