未来拓く、みうらひらくです。
津山市議会議員、三浦ひらくです。
本日の大きなミッションの一つは、美作大学の公立化に関する第2回有識者会議の傍聴でした。
議論の中では、さまざまな視点からの意見やデータが示されました。この会議の資料や会議録は全て津山市公式サイトにおいて公開されています。本日分の会議録が公開されるのはまだ先になりますが…第1回の資料等は会議録も含めて公開済みですので、ご確認くださいませ。まぁこれに関しては一元的に過去の会議内容や資料を確認できるように公開の仕方を改めるべきだとは思いますが…今回の資料もすでに公開いただいているところです。

公立化とは何か、その意義はどこにあるのか?
改めて根源的な問いが示された場となった印象です。傍聴者の数も平日にしては多かったと思いますし…報道陣も多数入っており、相変わらずの注目度の高さを感じさせる状況でした。傍聴参加ですので、当然に意見表明をすることは控えて座っていただけでしたが…市議会議員としてだけでなく、一人の市民としても、色々と感じ、考えることがありました。感想等も含めて簡単にまとめておきます。
公立化ってそもそもどういうこと?
津山市による公立大学化とは…”市が運営責任を持ち、大学法人が現場を担う”という形を意味します。大学が自助努力をすることは当然の話として、国の私学助成により運営される私立大学とは異なり…公立大学は総務省を通じた地方交付税を原資とした自治体予算を活用する形で、運営支援を受ける仕組みとなるわけです。
つまり、津山市の税金が投入されるということ。
だからこそ…”市民の理解と納得”が何よりも大切になってくるわけです。

公立化で何が変わる?
他大学の事例を見ると、多くの私立大学において公立化後に志願者数が増加し、倍率も上昇していることが確認できます。これだけ聞けば「良いことじゃん!」と思われるかもしれませんが…地域内入学者の割合が下がる傾向も指摘されていました。人気が出る=全国から受験者が来る…その一方で、”地元の子が受かりにくくなる”ということも起きてしまう。この点は、津山市のような地方都市にとっては見逃せない課題かもしれませんし…何よりも、この先は圧倒的に少子高齢化・人口減少が今まで以上に進んでいくことを考慮しておかねばならないはずです。
新しい学部は作れるの?
「魅力的な学部を作って、地元の子どもたちも残りたくなる大学にしよう!」
そう思われる方がおられるのは当然ではあります…その通りだとも思います。学部に魅力があれば、さらに多くの子どもたちが全国から集うことにも繋がるでしょう。ただし、様々な意味で学部新設はそう簡単にはいかないのが現実なのです。
今回の会議でも、「公立化と同時に学部新設をした例は記憶にない」と述べられた委員がおられ、新学部設置には最短でも公立化から2年はかかるというのが実情とのことでした。

さらに、設備投資や教員確保といった課題も山積み。
今後の検討対象として「人文学」「教育学」「情報・データサイエンス」などの7分野が示されており、理系分野の方が初期投資が抑えられ、補助金などの制度活用もしやすいという説明もありました。公立化の可否にかかわらず、新学部の設置は検討していくとの話でしたが、公立化しないのであれば津山市が口を出すことではないでしょとも思いましたけどね…。
地元定着に向けて必要な視点
その設問内容や回答に首を傾げてしまうような点も感じられたアンケートや事業者ヒアリングの結果からは、当たり前の話だけど…地域と大学の接点をどう作っていくかがカギだという印象を覚えました。入試制度に”地域枠”を設ける案なども含め、地元の若者が入りやすく出ていきにくくする仕掛けは、市民理解を得るという観点からも重要だと感じました。
今回示された資料内では、美作大学の存続に向けた方策として、津山市が単独で公立化する以外では、①更なる自助努力、②他法人への経営譲渡、③市による独自支援、④広域での取り組みの4つが考えられると示されていました。
ただ含みを持たされた印象だったのは④のみ。
3月議会での私の質問に対し、市長が現時点では考えていないと答えられた方向性ですが…考え始めてくださったのであれば良いことです。ただ…どう考えても検討しますなどという段階ではなく、周辺自治体にしっかりと当たっていかねばならない段階です。

大学はただの看板ではないはずです。
市内外から人が集い、学び、育ち、そして地域を支える存在となる場であるはずです。何しろ、関係者みずから”地域立”の大学だと言われるくらいに、今までも津山市に根ざした高等教育機関であったわけなのですから。
だからこそ、公立化議論は延命措置にとどまることなく、戦略的に未来志向で行っていかなばならないと改めて強く感じた次第です。
ちなみにアイキャッチ画像は津山鶴山ホテルで開催された、つやまICTコネクトの企画に潜入した際の一枚。午前中の有識者会議は津山市役所の第一委員会室で開催されました。
あまり目新しい情報を得ることができなかったのが正直なところで、今回は少し残念な印象でした。ただ市内の企業においてテクノロジーの利活用が進捗に差はあれど総じて進んでいる様子が確認できたのは良かったです。
行政や議会ではサッパリですけどねッ!

本日はこんなところで…それでは、また明日!