逆効果になっていないか?制度の歪みと不信感。歴史的風致を守るためにも当事者の本音を拾う仕組みが必須!

未来拓く、みうらひらくです。
津山市議会議員、三浦ひらくです。

本日は15時ごろから市役所に。

本当に今必要な議論は何か?6月議会閉会日、内容に共感しつつ2件の請願に反対討論した理由と結果を確認!

2025-07-01

昨日のエントリーで書きましたように津山市議会では定例会が終わったばかりということもあり…今日は私以外には登庁した議員はいなかったようでした。詳細はまた改めて書ければと思っていますが、教育委員会の皆さまに対して、提案とお願いをさせていただくためにお時間をとっていただいていたところです。

感触は悪くなかったので、期待しています!

水曜日でノー残業デーだったにもかかわらず、観光文化部文化課の皆さまに残業していただくことになって恐縮でしたが、夕刻から城西公民館において開かれた「重要伝統的建造物群保存地区(重伝建)」の説明会に、オブザーバー的に参加させていただきました。重伝建内に14あるという社寺の幾つかの代表の方と文化課を繋ぎ、聞き取りなどさせていただいていた経緯があり、今回初めて多くの皆さまが集まって全体に対しての説明会が行われたという流れでした。今日の会の中ではほとんど傍聴者同然に黙っていましたが…色々と感じる点が多い内容でした。

途中、よほど挙手してでも発言させていただこうかなと思うようなシーンもありましたが…昨日の討論の前後にも雄弁は銀、沈黙は金的なことを言われたことを思い出して、我慢したのも正直なところです。

津山市では往時の”歴史的風致”をよく形成し、まちづくり協議会を主体とした地域をあげての保存活動が評価され、平成25年に津山城の東側の城東地区が、そして令和2年には城の西側にある城西地区が重要伝統的建造物群保存地区に選定されています。全国で15番目の2地区の重伝建地区を有するまちとなったことは谷口市政における一つの大きな成果でもあるでしょうし、市長ご自身も施政方針をはじめ様々なシーンにおいて、城東地区と城西地区の重要性を語られてきています。アイキャッチ画像の通り…こうした景観を津山市の財産として保存、活用することで保存地区の生活環境の向上と、文化環境に資することを目的に、保存活用計画も定められているところです。

しかし、本当に目的通りになっているのかね?

保存活用計画に基づいて、建築・修理等の許可基準が設けられているわけで、計画の目的は、地域住民が合意したルールのもとで歴史的景観を守り、生活環境や文化環境を向上させることのはずです。許可基準は文化庁も関わって認定しており、修理・修景の補助制度と連動しているわけですが、そもそもの前提からして、関係各位に説明や情報共有が十分になされてこなかったのではないかと感じるようなシーンが多々ありました。

まず”歴史的風致”という言葉の定義からして明確でなく、現場でも理解や運用にばらつきがある印象です。

歴史的風致という概念を裏付ける法の条文(地域における歴史的風致の維持及び向上に関する法律、いわゆる歴史まち法)からして、ある程度は主観的にならざるを得ないことは理解しますが、法の制定趣旨を考えても、誰が何のために定めるのかを突き詰めて考えた時に、当事者を置いてけぼりで進めていては本末転倒になる、そうした事例だと感じました。

現行の補助制度や許可基準は社寺等の大規模建造物には対応しきれていないとの指摘には大きく頷ける部分がありました。基準が一部曖昧で、現地の実態に即していない可能性もあることなども含め、担当課として問題意識は持ってくださっていることも確認はできましたが…皆さまからはどうにも対応が遅すぎること、過去に信用を失うような出来事があったらしいことなども声として出てきて、侃侃諤諤の議論が展開された印象です。

「県と市でたらい回しにされた」「補助制度の説明が不十分」「修理費を既に高額負担した」などの不満の声も聞こえてきました。制度の存在すら把握されておらず、制度運用の説明責任や周知不足が課題として浮かび上がってきました。

文化財保護施策による支援あるいは規制と、現実の維持管理コストのギャップが大き過ぎると感じています。

建物の規模に応じた補助金額の見直しや、社寺の特性を踏まえた制度構築が求められていると思いますが…金額の見直しは、ちょっとやそっとでは話にならないところだろうとも思います。

今後を見据えての具体的なアクションなども一応の道筋は立てて閉会しました。市としても制度の柔軟運用を目指すが、変更には時間と段階を踏んだ審議が必要だという説明は私としては理解できるものでしたが、今までの経緯に鑑みても丁寧な説明と真摯な対応が必要であることを痛感しています。

地域のための制度だったはずが、むしろ逆効果になりかねません。

城西地域の重伝建指定は、社寺の存在なしには成り立たないものだったと理解しています。6月議会での一般質問でも私は津山市防災会議のメンバーに公募市民や、障害者団体の代表者など、当事者目線が不足している点を質しましたが…本件についても、例えば津山市伝建保存審議会委員に地元の社寺の代表者に入っていただくなどしておけば、こうした事態を招くこともなかったのではないかと思います。ただ、そういう意味では今までにはなかったこうした場を設けていただいたこと自体が(本当は今までにやっていないとダメなのですが)、現状改善への第一歩にはなるかもしれません。

昨日の請願への対応同様に、国(文化庁)への働きかけや県との連携などと同時に、津山市としてできる限りの施策を行う必要がある課題の一つで、津山の今と未来にとって大切なことだと認識していますので、引き続きサポートさせていただくつもりでいます。

本日はこんなところで。それでは、また明日!

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三浦 ひらく

三浦 ひらく -PROFILE-

世界を暮らしやすく楽しく変えるため、相棒ひらくマと一歩ずつでも現状改善していくために日夜ハゲむ、1978年生まれの岡山県津山市議会議員。選択肢の多い社会を目指し、政治も手段の一つと捉え、地域振興、多様性理解促進、生きづらさ解消、表現の自由を守るための活動、インフルエンザ脳症撲滅、臓器移植意思表示推奨などをライフワークとして活動している。

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