ツヤマノチカラ会派視察。小田原市のシンボル、小田原城の歴史と住民意識から津山市の今後を考える。

未来拓く、みうらひらくです。
津山市議会議員、三浦ひらくです。

田口浩二議員、白石まこと議員と私…ツヤマノチカラの3人小田原市狛江市小金井市の3つの市を訪れる予定にしている今回の会派視察、まず最初に訪問したのは小田原市でした。

ご存知の方も多いでしょうが、全国的にも難攻不落の城として名高い小田原城公式が”難攻不落の城”と謳っているくらいですから!)がまちのシンボルとして圧倒的存在感を放ち、最新の住民意識調査でも、まちのイメージとして最も多くの小田原市民の皆さまが選ばれたのは、小田原城を中心とした歴史あるまちという選択肢だった小田原市は、人口規模からして約18.6万人とザックリ津山市の2倍ほどの方々が暮らしていますし、海に面していて山ばかりの津山とは風土からして違うわけですし…新幹線が通っているなど大都市からの交通アクセスが良好である点等々、状況は津山市とは様々な意味で異なります。

ただ城下町として栄えたこと、城がまちのシンボルとして住民の心に根づいていることなどを考えれば、同じように感じられる点も多々ありました。

小田原駅から程近い場所にある、おだわら市民交流センター「UMECO」の会議室で、まずは沢山ご用意くださっていた資料等を拝見しながら、文化財等への専門的知見もお持ちな上に行政経験も大変に豊富なお二人からレクチャーを受け、その後に実際に小田原城、小田原城址公園を現地視察させていただくという極めて贅沢な行程でした。2時間強の中に詰め込むにはちょっと無理があったと言うか、もっと時間を費やしたかったのが本音ではありますが…文化振興、観光振興の両面両立の意味でも、非常に参考になる時間でした。

事前に大量に送りつけさせていただいていた質問にも丁寧にご回答いただき、学芸員としての考え方と、観光振興に携わる行政職員としての考え方、市民ニーズや外国人を含めた観光客のニーズと、歴史・文化を守り継承していく姿勢との両立に当たってのバランス感覚など…言語化するのが容易ではない上に、回答しづらい問いかけにも真摯に応じてくださり、財政圧縮が必須となっていくこれから先の津山市において、どのように歴史的価値のある建造物や文化財を維持していくべきなのか、その考え方のヒントを頂戴できたと感じています。

小田原城が難攻不落の城となった背景を、城下を囲む総延長9kmに及ぶ総構(そうがまえ)の存在抜きに話すことは難しいでしょう。語弊を恐れず超絶ザックリと言えば、まち全体を城として囲んだことが小田原城を難攻不落の城たらしめたのだと理解していますが、かように有名な城を有する小田原市においても、城と言えばやはり天守、天守閣のことを指し、市民の皆さまの中にも本来の小田原城の全貌を知っていたり、知ろうとする方々は多いわけではないという話も伺い、津山市においても永遠のテーマのように語られ続ける天守再建の話を想起せざるを得ませんでした。

かつて動物園があった(何と観覧車があった時代も!)ことなど、津山城址・鶴山公園との共通点も見られ、現在でも城のすぐ下で猿が飼育されていましたが、こちらも今年度中のお引越しが決まっているそうでしたので、こりゃ今しか撮れないぞ今撮らないでいつ撮るのよってことで…記念撮影だけはさせていただきました。私、一期一会を大切にする男ですからね!

撮影者(白石議員)のリクエストに応えた結果…こんな写真になりましたがねッ!

小田原市では観光課を所管する経済部と、文化財課を所管する文化部はそれぞれ分かれていますが、部を跨いだ二課の間で課長や所長以下、職員の皆さまが集まっての二課会議を定期的に開催しているとのことでした。それぞれの主張がぶつかることもあるし、線引きが難しかったり綱引きのようになることもあるけれど、それでも合意形成を図っていかないとならないのは当然だし、時間を掛けてでもこうしたプロセスを構築することにより、結果として以前よりも文化財管理と観光振興の両立が図れているとの説明は興味深かったです。

津山市でも機構改革が何度も行われているところではありますが、こうした部局を跨いでの情報共有や自由闊達な議論がなされる仕組みが必要なシーンは、この分野以外にも多々あると感じています。こうした学びを具体的提言などに繋げ、状況改善に結びつけてきたいと考えています。

平日の日中にもかかわらず、天守への入場には行列が!

そして外国人観光客の多さよ…半分以上がそうじゃないのかなレベルでした。

天守への入場のみが有料で、城址公園そのものは無料で24時間開放されているのもポイントが高い!市民の皆さまにとっては憩いの場となっており、散歩している方もお見かけしました。小田原と言えばという物の一つに提灯があるそうで、小学生の皆さんデザインによる展示なども。

三者三様、様々な質問をさせていただきましたが、最後の最後に私自身がちょうど一年前の9月定例会一般質問でも取り上げた城に関してのVR、メタバースといったテクノロジー活用について伺いました。

津山城では天守自体の復元がメインになりますが、小田原城の場合は天守はすでに存在しています(昭和35年にコンクリートで再建したもの)。ただ総構等を復元したい思いはあるのではないかという意図で質問させていただいたわけです。文化財の価値を損なうこともなく施設を傷つけるようなリスクもない以上、やらない理由はないとの話で、問題はコストだけだろうとの見解でした。

このあたりも、実は発言させていただいた後に部長をはじめ、担当部局の皆さまに実際にVRゴーグルを付けていただいてのメタバース体験をしていただいていますし、考え方がどのように変わってきているのか、改めて確認させていただくつもりでいます。

そりゃ天守はあった方が良いに決まっているけど、事実として今、津山市には存在しないわけです。ないものをどうするのか…巨額の費用を投じてでも作った方が良いのか、そこに自分自身でお金を出す覚悟があるのか、それを他の市民の皆さまも納得すると思っているのか、納得させようと自分自身が務めていくだけの決意が本当にあるのか。

税金を注ぎ込むとはそういうこと。

それでも再建を望みますか?

現在の状況で公金突っ込んで再建なんて出来るわけないでしょってのが私の考え方ではありますが、新たな選択肢を含めて様々な可能性の検討くらいはしてみても良いでしょとも思っているわけです。

少なくとも人を呼び込む大きな材料となるのは間違いないと思えるし、費用対効果という面で考えれば、初期投資が掛かり過ぎるでしょオイって話ではありますが、天守さえあれば稼ぐ施設になることは間違いないとも言えるかもしれません。維持費もハンパないやろとも思うものの、小田原城に関しては今回の視察の中で事実、”ドル箱”施設であるとの表現も聞かれたところです。放っておいてもある程度お客様が来てくださることは、岡山城などを見ても、そらそうやろなとは感じます。

さて、あなたはどう考えますか?

お城のことに限らず…三浦ひらくは常にご意見・ご要望等承っております。お寄せいただいた声全てにお答えすることはいたしておりませんが、いつでも何でも声がけください!匿名での連絡も可能です。

小田原市関係各位、有難うございました!

本日はこんなところで。また明日!

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三浦 ひらく

三浦 ひらく -PROFILE-

世界を暮らしやすく楽しく変えるため、相棒ひらくマと一歩ずつでも現状改善していくために日夜ハゲむ、1978年生まれの岡山県津山市議会議員。選択肢の多い社会を目指し、政治も手段の一つと捉え、地域振興、多様性理解促進、生きづらさ解消、表現の自由を守るための活動、インフルエンザ脳症撲滅、臓器移植意思表示推奨などをライフワークとして活動している。

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