未来拓く、みうらひらくです。
津山市議会議員、三浦ひらくです。
田口浩二議員、白石まこと議員と私…ツヤマノチカラの3人で小田原市、狛江市、小金井市の3つの市を訪れる予定で関東に上陸している今回の会派視察。昨日のエントリーでは難攻不落の城として名高い小田原城を訪れたことについて書きましたが、その直後に東京都狛江市へと移動しました。
何しろ田口・白石両議員は昼食を移動中に電車内で食べていた(私は食欲より睡眠欲優先)ほどのタイトスケジュールではありましたが、ツヤマノチカラの視察はいつもこんな感じです。
せっかくだから、できる限り時間を有効に使わなくちゃ!
それは津山にいようとも当然に必要な姿勢で、どこで誰とどんな風に過ごしていようとも一日が24時間しかないことには変わりはなく…私たちが人生で使うことができる時間には限りがあるのです。全ての人にとって平等な事実であり、あらゆる人の時間は尊重されるべきで、誰かによって何かを強制されたり、理不尽な奪われ方をして良いはずがないことは、改めて言及するまでもないことでしょう。
全ての人には意思があります!
意思のない人はいない…障がいのある方も含め、誰一人取り残さない姿勢で主権者教育に真摯に向き合っているまちが狛江市です。東京在住時にも訪れたことがなかった狛江市は絵手紙発祥の地とのことでした。それすら知らずに伺いましたが、主権者教育に関しては日本でトップクラスの先進的な取り組みを進めてこられたまちだと知っているからこそ訪問したわけです。
最初に書いてしまいますが…期待を裏切らない、素晴らしい内容の視察になりました。
そもそも主権者教育とは?
「国や社会の問題を自分の問題として捉え、自ら考え、自ら判断し、行動していく主権者を育成していくこと」だと国において定義されています。そして狛江市では、単なる自分で決めることができる人としてだけでなく…みんなで決めることができる人、つまりは民主主義による合意形成ができる人が主権者であると再定義して、「社会的意思決定」を学ぶことを主権者教育の本質として深掘りしているのです。
自分自身で可否や善悪を判断し、判断できるようになることは確かに大切ですが…多様性が声高に叫ばれ、価値観が多様化し、求める幸せのカタチすら人それぞれの考え方、感じ方があって多様化した時代、社会に私たちは生きているわけです。
いつでも何でも、思い通りになるわけではありません。
社会の一員として生きていく中で…ときには悔しい思いや悲しい思い、腹立たしい気持ちになることも、実際にはあるはずです。少なくとも、大人である私たちはそれを確実に知っているはずで、その事実が存在しないかのように向き合わないのであれば、それはもう、子どもたちへの裏切りと言って良い不誠実な判断ではないでしょうか。
狛江市では一人だけではなく、みんなで話し合って意思決定していくことの重要性を学び、自分自身が主役であるとともに、周囲の皆も同じようにまた主役であるのだという認識を持っていくことで、互いに尊重し合う精神を養うという目的も主権者教育の中にしっかりと盛り込んでおられました。
津山市議会の大人全員に聞いていただきたい話でした。
そしてこれは、津山市教育大綱に謳われている、津山市が目指している理想実現に合致するアプローチだと感じましたが、皆さまはどう感じられるでしょうか?
主権者教育を子どもたちに対して進めていく以上は、わかりやすいものであることは当然に必要ですが、まずは楽しく面白く取り組んでもらえるような工夫を凝らしているという点にも、非常に感銘を受けました。
当ブログ読者の多くの皆さまはきっとご理解くださっていると信じますが私自身、そうした角度からのアプローチは大好きで、今までにも講じてきているところです。ただ、それを視察に来た他の自治体の議員に対し、管理職の方々もおられる中で担当職員の方が質疑応答の中で自身の見解として率直に述べてくださった…その事実一つ取っても、狛江市がいかに本気で主権者教育に向き合ってきたのか、その証左だと感じました。
一例を挙げるなら、実際に模擬投票をやってみた話がありましたが…そのテーマは何と給食のメニュー!
カレーとパスタのどっちが良いか、メロンとイチゴのどっちが良いか?
迷いますね…これは難問です。
果たして、大方の予想を裏切る結果だったとか…選挙ってのは実際やってみないとわかりませんし、自分自身の一票が結果に影響を及ぼしたという経験を積み重ねていくことは、下がり続ける投票率の向上へと繋がる効果も期待できるところですし、それはつまり、より正確な民意反映へと直結する”良いこと”であると言えるはずです。
津山市の教育現場では全くと言って良いほど尊重されていない感があると口酸っぱく言い続けてきております、子ども達の自己決定権や意見表明権などをしっかりと守っていくためにも、つまり短期的即時的な意味でもこうした取り組みを進めていくことは極めて重要で、現状改善に繋がる施策だと考えていますが…それと同時に将来のことを見据えても、中長期的な視座に立ったときに、自治体の未来だけでなく国全体、引いては国際社会の秩序維持などの観点からも、主権者教育は極めて重大な意味を持つものなのです。
津山市においては積極的に進められているとは言い難い…現実としてほぼノータッチに近い状況だと理解しています。成年年齢も18歳となった今だからこそ、小学校・中学校という早い段階で、主権者教育に触れる機会を増やしていくべきだと考えます。
そしてこれは自己肯定感醸成にも繋がる取り組みだと確信しています!
動画は狛江市で取り組んでいる「子ども議会」の様子です。小学校5、6年生と中学校1、2年生を対象にしている本企画は、見ていただければわかりますが超絶楽しそうな上に、メチャクチャ本格的です。これと同じような取り組み…いわゆる子ども議会の類を実施している自治体は少なくはありませんが、ここまでしっかりと取り組んでいるまちは、決して多くありません。
多くが”単なる議会の体験”に留まっているように見受けられます。
その単なる体験すら実施できていない津山市議会議員が言うのは憚られるのも正直なところですが…”体験から経験へ”というコンセプトのもと、子ども議会を実際の地域課題解決に向けての提案の場へと昇華させ、身近な問題解決に向けてまさしく主体的に取り組み、意見表明を行える場として運用している狛江市。その姿勢には感服するしかありませんでした。
これを行政主導でやっている意味を考えていただきたい。
まずは津山市の姿勢を質し、正すべき点は正していただきたいと感じました。
担当職員の方が当ブログをチェックしてくださっていたり、ひらくマを知っていてくださったり…有難い対応をいただきました。
メチャクチャ多いはずの視察対応には慣れておられるのでしょうが、資料を用いて説明くださったお二人のプレゼンも圧倒的にわかりやすく丁寧で、多くの事前質問への回答を説明中に盛り込んでくださるなど、まさしく時間を有効に使ってくださいました。ただ諸々興味深過ぎて…予定よりも視察時間が長くなり皆さまにご迷惑をお掛けしたことを、改めてお詫びいたします。
狛江市の関係各位、有難うございました!
本日はこんなところで。また明日!