教育関係請願に反対し岡山で飲んできた話。採択されたのは請願か人脈か?まさかの飲みニケーション大勝利!

未来拓く、みうらひらくです。
津山市議会議員、三浦ひらくです。

本日は津山市議会では委員会審査日で、総務文教委員会と厚生委員会の審査が行われました。全体としても今回の定例会では議案が少ない中で、委員会に付託された案件のうち、特に注目されたのが、文教の所管になる2件の請願審査すなわち、少人数学級の拡充と教職員定数改善を求める請願と、学校給食の無償化を求める請願でした。恐らくは請願を出された関係者の皆さまでしょう…珍しく傍聴者も相当おられたように見受けられました。

共感だけでは押せない賛否を決するボタン。請願と陳情の違い、そして津山市議会におけるあるべき審査の形。

2025-06-20

先日も少し触れましたが…いずれも、教育現場や子どもたちを応援したいという真っ当な思いに基づいた提案であることは間違いありません。

しかし、私はこの2件に「反対」の立場を取らせていただきました。

まず、少人数学級の拡充や教職員の定数改善についてですが、すでに国のレベルで進められています。

小学校に続き…令和8年度からは中学校にも35人学級が段階的に導入される予定であり、これは文部科学省と財務省との間で正式に合意されている内容です。つまり本件は、自治体として「これから国に要望を届けよう!」という段階ではなく、国が政策実現に動いている最中の政策課題なのです。また、津山市においても市内中学校5校において、独自加配にがなされている現状が確認されました。

我々はむしろ、こういった津山市独自の取り組みの充実を訴えるべきではないでしょうか?

もちろん、現場の先生たちの多忙化は深刻です。私以外の委員からですが教職の魅力低下は全国的課題であり、宮崎県では小学校教員採用倍率が1倍を切るという“異常事態”が起きていることなどにも言及がありました。言うまでもなく、放置していてはならない喫緊の課題でしょう。

ですが、こうした問題への対応は、津山市議会の仕事でしょうか?

まさに今国全体で議論し、制度改正が進みつつある最中です。

今あえて津山市議会が単独で国に意見書を出すことによって、政策が加速したり、何かしら転換するなどの、特段の成果が得られる可能性は限りなく低いと判断したものです。

学校給食の無償化に関しても同じことが言えます。私自身も保護者の一人として、給食費の負担軽減には大いに共感するところではあります。物価高騰の中で、子育て家庭をどう支えるかの議論も重要なことです。ただし、「義務教育だから無料にすべき」という意見が、そのまま給食無償化の論拠になるかと言えば、話はそう単純ではないと考えています。

義務教育の”授業料無償”は憲法や教育基本法にも定められた大原則です。

ただ給食費は“食費”であり、実際には自治体の政策裁量に委ねられている部分が大きいのです。

つまり、給食を無償化すれば、”代わりに誰がその費用を負担するのか?”ということが問われます。

津山市の場合、小中学校35校(小学校27校、中学校8校)への現在の給食費総額は年間約4億4,000万円。

そのうち保護者負担分はおよそ4億円を占めています。これをすべて公費で負担するとなれば、年間予算の中で新たに約4億円の財源を確保しなければならないわけです。

では、何を削ってその財源に充てるのか?

福祉?子育て?道路やインフラ整備?それとも、学校現場で必要とされるICT機器や人的支援…?私には、その適切だと思える答えが見つけられませんでした。単に「無償化すべき」と叫ぶだけではなく、持続可能な制度設計が必要だと考えています。もちろん、国や県からお金が降ってくれば、津山市としては懐が痛まないわけではありますけどね…。

請願は、当然ながら市民の声を政策に反映する大切な制度です。請願が提出されること自体は、むしろ健全な議会運営の証の一つだとも言えるかもしれません。

私たち議員には、その声に”どう応えるか”という責任があります。

国に意見書を提出することは、その中の一つの手段に過ぎません。

その手段が最も効果的で、最もタイムリーで、最も説得力を持つのか?

その点を精査せずに請願を全て採択する方向に持っていくことには、“良いことをしている感覚”だけで政治判断を下す危うさがあると感じます。

別に津山市議会がそうだと言うつもりはないですけどね!

今回の私の「反対」という態度表明が、決して”教育現場の困りごとに無関心だから”ではないことは、今までの私の議会での質問内容や態度表明を知ってくださっている方々なら、よくわかってくださっているはずのこと。

本当に必要な支援を、必要なときに、必要な形で届けていくことが私たちの責務です。

国に届けるべき声は、本当に“今”届けるべき内容なのか、時期は適切なのかなどを精査して、より説得力のある形で提言していかねば無意味になるどころか、行政コストや議会のリソースの無駄づかいとすら言えます。そうした思いからの判断でしたが…届いたかどうか。結果的には両請願とも採択になりましたので、今回の議会では採決時の態度表明の説明と、皆さまに再考を促すために…久々に討論が必要だなと感じています。

そして委員会終了後には、木曜日に開催する予定の美作大学公立化調査特別委員会の打ち合わせなどを行ったのち…津山線に乗り込んで一路、岡山へ!

私にしては超珍しく…飲み会的企画への参加のためでした。

本当は津山市を代表する経営者お二人もいらっしゃるハズ(?)でしたが…結果的には私一人で、やり手社長や商社マンらとのとても濃密な交流会に参加させていただきました。アイキャッチ画像は二次会での一コマ。全員初対面だったんだけど、メチャクチャ楽しかったです。都会っ子の皆と津山での再会を固く約束して(?)、終電で戻ってきて、津山駅から歩いて帰りました。タクシーなんて駅前にも一台もいなかったし、家に帰り着くまでに車を10台くらいしか見なかった気がします。

クソうるさいバイクとか、轟音で信号無視して猛スピードで走る車とか…大丈夫か君たちはと感じるような人たちは見かけましたけどね…。

睡眠不足を電車…ではなく気動車(地元民には汽車って呼ぶ人が多い気がします)の中で解消しようと思っていたけど…メールやメッセージのやり取りをしている間に津山に着いてしまい、帰ってシャワーを浴びたのち、ブログを書こうとPC開いたまでは覚えています。そのまま寝落ちしてしまうくらいには結構疲れましたが、充実した一日でしたな。

本日はこんなところで。また明日!

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三浦 ひらく

三浦 ひらく -PROFILE-

世界を暮らしやすく楽しく変えるため、相棒ひらくマと一歩ずつでも現状改善していくために日夜ハゲむ、1978年生まれの岡山県津山市議会議員。選択肢の多い社会を目指し、政治も手段の一つと捉え、地域振興、多様性理解促進、生きづらさ解消、表現の自由を守るための活動、インフルエンザ脳症撲滅、臓器移植意思表示推奨などをライフワークとして活動している。

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