未来拓く、みうらひらくです。
津山市議会議員、三浦ひらくです。
本日、津山市議会では特別委員会が開かれました。
現在の津山市議会では、広報調査特別委員会、議会活性化調査特別委員会、そして美作大学公立化調査特別委員会の3つの特別委員会があります。各委員会の委員等はこちらから確認していただけます。広報と活性化は午前10時から、美作大学公立化については午後1時半から、それぞれ市役所議会棟の中で開催されたものです。2ヶ月近く前までは委員長を務めさせていただいていた議会活性化調査特別委員会には傍聴に入らせていただきました。
私自身が中間報告をさせていただいた様々な課題も含め議論が交わされていましたが…ちょっと想像もしていなかった方向に話が向かっていった印象がありました。それについてはまた今後話が具体化していった際に触れていこうと思いますが、とにかく末永委員長の”やる気”がとても印象的でした。
ただ私にとって本日のメイン業務は、何と言っても美作大学公立化調査特別委員会。
アイキャッチ画像にもありますように…参加メンバーは議長経験者3名を含む、津山市議会の中でも弁が立つ先輩たちばかりな上に、私はその中で委員長という重責を担わせていただいているわけです。現在の議長、副議長にもオブザーバーとして参加していただいています。そして何と言っても…本件は市民の皆さまからの注目度が極めて高いことを日々実感しています。そして津山市の将来にとって非常に重要な課題だからこそ、議会としてもわざわざこの件に特化して議論していく特別委員会を立ち上げたわけで、今回の会議にも当然に強い責任感と使命感を持って臨みました。
前回の委員会を経て、今日は政策推進監をはじめ、みらいビジョン戦略室長、高等教育機関連携室長など、関係職員の皆さまに揃って出席いただき、津山市としての今までの取り組み、その背景にある狙いや思いなどを伺ったのちに、意見交換をメインに約2時間、たっぷりと議論を交わす展開となりました。今回の会議の中でも議論したように会議内容のYouTube中継や、現在特別委員ん会では実施していない会議録、資料の公開など、私たち議員自身が当局に強く求めてきた姿勢である情報公開に、私たちとしても踏み込んだ対応をする必要性があると考えていますが…現時点では検討段階なので、今日のところはメモをもとに、以下に概要をまとめます。

そもそも”公立化”とは単なる救済措置ではなく、地域の未来を見据えた持続可能な高等教育のあり方を問う議論でなければならないという点は、恐らくは全委員に共通する認識です。今回の委員会では、その是非を判断する以前の材料についての、多角的なやりとりが行われました。進行にあたっては、美作大学の公立化に関するこれまでの経緯や現状を整理し、執行部と委員会での情報共有と意見交換を通じて、今後の議論の方向性を確認することに主眼を置いて進めることを企図しました。
全委員出席のもとで、まずは高等教育機関連携室長より、30分以上にわたる非常に丁寧な報告・説明が行われました。主な要点は以下の通り。
近年の美作大学の公立化を検討する動きは、令和2年度に設置された”中高等教育の在り方に関する有識者会議”に端を発すると言えるでしょう。実際に執行部からの報告も、それ以前のこと(それ以前から検討事実はあったはず)には触れられず、令和2年6月~同12月、有識者会議(中高等教育の在り方に関する検討会議)を4回実施(非公開)したことから始まりました。有識者会議では報告書をまとめ市長に提出(PDFファイル)されています。地域団体や学校関係者等が参画されていますが議論の内容は非公開だったため不明…ただ既存資源を活かした大学改革として「公立化」も選択肢の一つとされていることが読み取れます。その後、高等教育機関連携室が設置され、調査やアンケート、関係機関との意見交換が重ねられています。
今回の委員会では、こうした経緯に加えて、学生数の推移、財政面の課題、制度上の制約など多岐にわたる公立化に関してのリアルな説明が執行部から行われました。提示された資料では、あくまでも一般論としてですが公立化のメリットとデメリットについてもわかりやすく整理されていました。これに関しては現段階でシェアしても何ら問題はないでしょう。

また、令和7年度の入学者数が大幅に減少している現状など、現場のリアルな課題も浮き彫りとなりました。
各委員からは非常に多様な意見が出されました。
「これは本当に“救済”ではないのか?」
「そもそも市民には何も知らされてこなかったではないか?」
「がらっと大学を変える覚悟がなければ、公立化は単なる看板の架け替えにすぎないのでは?」
「県北唯一の高等教育機関として、どんな人材を育てるべきかが問われている。」
「情報公開の徹底を。委員会の様子はYouTube配信するくらいの覚悟が必要!」
「将来に向けた人口減少シミュレーションをもとに、長期的な見通しを立てるべき。」
…など、議論は単なる是非論を超えて、地域の教育と未来像そのものを問う展開となった印象です。
印象的だったのは、「公立化の動きが水面下で進められていたのではないか?」という指摘です。確かに、有識者会議が開催されていたことが当時の議員には共有されていなかったという事実は、透明性の面で極めて大きな課題です。情報公開の必要性と説明責任も問われるでしょう。
令和2年12月議会でも、思いっきり指摘しています。
また、私たち議会も姿勢を改めていかねばなりません。
今のままでは委員会の審議内容が市民の皆さまに届きません。
議論や資料を市民にわかりやすく伝えるために、会議の様子をYouTubeなどで公開すべきではないかとの建設的提案もありました。会議録の公開や資料の共有など、今までにも議会活性化調査特別委員会等で求めてきましたが実施に至らなかったという経緯があります。この機会に公の議論を市民の皆さまの目に見えるカタチにしていくこと…その意義と必要性を改めて実感したところです。
今回の委員会を経て、浮き彫りになった課題や、新たな疑問などもあります。
美作大学と同規模の他大学との比較資料、医療系人材不足の実態調査、設置者変更に伴う制度的な制限の整理、教員採用試験合格者数の正確なデータ、経済効果の根拠となる具体的な数字やロジックなど…新たに当局に対して要望した資料もあります。本日と同様の場を改めて設ける必要性も感じていますが、これらを踏まえて次回以降、美作大学当局との直接意見交換も当然に行なっていかなくてはならないと考えています。
公立化は一つの手段です。

仮に公立化がなされることになろうとも、それはゴールではなくスタート地点のはずですし、そのやり方も決して一つではないはずで、今回の委員会でも強調されたのは、”公立化することそのものが目的になってはいけない”という姿勢です。
地域が求める大学とはどんなもので、地域が求める人材はどんな人で、未来の津山を支える教育とは何なのか?
一つひとつ丁寧に問い直しながら、市民の皆さまとともに考え続けていきたいと思います。
いつまでも考え続けることができる課題ではないことに注意が必要ですけどね!
本日はこんなところで。それでは、また明日!