話題の映画”夢みる小学校”を鑑賞。学校は楽しいだけの場所でいい?自分のままでいてもいいの?

未来拓く、みうらひらくです。
津山市議会議員、三浦ひらくです。

アイキャッチ画像とタイトルにある通りですが…本日は津山市のお隣、鏡野町のペスタロッチ館で開催された映画の上映会に伺いました。もう言ってしまいますが…良い映画でした。

”夢みる小学校”という作品。

映画と言えばエンターテイメント色が強い印象もあるでしょうし、映像と音楽の総合芸術でもあるわけですが…決して、遊びに行ったわけではないのです。今回拝見した作品は、“ミライの教育ドキュメンタリー”であり、現役教師など教育関係者の方々や教育方面に強い議員仲間をはじめ、かなり多くの人たちから「三浦くんにはオススメ、是非観てほしい!」的なお話を聞いていたレコメンドタイトルでした。これからご覧になる方もおいででしょうからネタバレを書くつもりはありませんので…作品の細かい点に言及することは避けますが、感想を一言で書いておきましょうか。

俺もオススメしまっせ!

津山市議会議員だけでも4人、近隣自治体議会の議員も鑑賞に来ていました。中には現役の先生や自治体職員の方もおられ…子どもたちや保護者だけでなく、業務として教育や地方自治に携わっている面々の中に本作に関心を持っている人が少なくないことは、議員仲間などにこの映画上映に携わっているメンバーが全国にいることからも明らか(全国各地で自主上映会が開催中!)です。それも頷ける内容でした。

 

価値観が多様化した現在。

津山市教育委員会の議会答弁でも多用される“教育的ニーズ”つまり、教育に求められるものも、一人ひとりそれぞれ違います。誰一人取り残さないなどと希望を抱かせるそれこそ”夢物語”を声高に謳うのであれば、そうした需要にも応えていかねばならないわけで、そのためには選択肢をできる限り増やしていくしかない(そしてその姿勢が予算も含め圧倒的に足りていない)というのが私の常日頃の主張です。だからこそ、多くの皆さまに観ていただきたいと思える内容でした。

要するに、「え?学校って…こんな選択肢もあるの?」ということを知っていただくキッカケになり得る作品。

肯定的に受け止めようとも否定的に受け止めようとも、いずれにしても多くの子どもたちと保護者の皆さまにとって、大きな驚きや衝撃を感じられる、インパクトの強い映画だと思います。そして鏡野の会場でもそうでしたが、子どもたちも一緒に観ることができる内容です。未就学児を含め、沢山の子どもたちもとても真剣に観ている姿が印象的でした。

子どもがいる親の立場で見ると…思わず涙するようなシーンも多々ありました。

未来を生きる人(子ども)のために、未来を変えるチカラと責任を持った人(大人)へ観てもらいたいという意図を込めて制作された本作品中には、幾つかの学校が取り上げられています。その全ての学校は一言で言えばとても自由で…昨日のエントリーでも取り上げた校則などほとんどない学校も多く、学習指導要領と整合性を保ちながらも、できる限り児童・生徒の自主性に委ねた教育のカタチを実践している実例が次々と紹介されていきました。本当に緻密に考えられているんだろうなと、現場の先生方の苦労と努力に敬服するばかりでした。

中でもメインの舞台として紹介されている“きのくに子どもの村学園”は私立の学校です。ただ作品内でも、そして本編終了後のオオタヴィン監督ご自身による解説映像の中でも触れられていたように”この学校でやっていることは全て、公立学校でも行うことができる”という事実は、とても大きな驚きだったと…観覧していた複数の方から伺いました。

私は映画を観ること自体は初めてでしたが、事前に少々予習(?)をしていましたし、曲がりなりにも(?)議員をさせていただいている身で…しかも津山市議会の誰よりもこうした教育の面にはチカラを入れて取り組んできたと自認しているわけですから…「わぁスゴい!」と驚いている場合ではありません。まずは津山市でも沢山の人に観ていただきたいなと思ったのもありますが、議員としての捉え方もしなくてはなりません。


きのくに子どもの村学園の学費は公式サイトでは公開されていないので具体的な金額は書きませんが…目安となる金額は年間百数十万円(寮に入って週末は帰宅する場合)程度だと学園の方から直接伺っています。それ自体は私立の学費として特段に高額ではない(令和3年度の文部科学省の調査によると、子ども一人当たりの学習費総額は小学校で公立約35万3千円、私立約166万7千円。中学校では公立約53万9千円、私立約143万6千円)ものの、公立学校と比べて高額であることは否定しようがない事実。

仮に公立の学校で映画の中で紹介されていたような取り組みを行うにあたっては、現場の先生方の負担は現在よりもとても大きくなることが想定され、今費やされているコストのまま実施することは現実的ではないと感じたのが率直なところです。もちろん、だからと言ってやらない理由にはなりませんし…やれる方法は幾つも見つけられるはず。

もっと言えば、やれる方法を考えるのが大人の務め!

少なくとも本日の上映会終了後に催された感想シェア会では、皆さまからは基本的には肯定的な声、「こんな学校がほしい!」「子どもを通わせたい。」「私が小さな頃にこんな学校に行けていれば…」といった感想が溢れ、こうしたアプローチを望まれている方々は少なくないこと、しかも痛切に求めている子どもや保護者の存在を、改めて実感したところです。

不登校・長期欠席やいじめ、ひきこもりの当事者支援に携わっている者としても、非常に興味深い内容でした。発達障害やアトピー性皮膚炎と診断された子たちが、そんなことあったっけと感じさせるほどに元気に学んでいる様子などは、当事者の皆さまに希望を与えるものだと思います。

私が私でいられる場所、という表現が子どもの口から出てきます。

学校であろうとなかろうと…自分を偽らないといけないような場所は本当はないほうがベターであることは間違いないと私は確信しています。もちろん、例えば怒りのあまり生じた誰かを傷つけようという欲求など…中には出さないほうが良い自分もいるでしょうし、そもそも出さないという選択の自由もありますが、基本的には、本当は出したいのに何らかの強制力が働いて本当の自分自身を出せないような社会は、理不尽であると考えます。

当然ながら大人の社会においても、理不尽は許されるべきではありません。ただ実際には世界の各所に厳然と存在するそうした理不尽を、学校であろうと議会であろうと、どこであろうと…少しでも、一つでも減らしていけるように、これからも戦い続けます!

子どもも大人も同じ価値の一票を持つ生徒総会の話とか、大人の責任はどこまでも子どもを見放すことがないものであるべきとか、この映画の内容はすぐにでも家庭レベルに落とし込んで取り組むことができるものだとか、モンスターペアレントからエンパワーペアレント(力を与える、応援する親)へと移行していかねばならないとか…。

学校は楽しいだけの場所でいいとか。

心に残る表現が散りばめられた素敵な映画でした。津山市の皆さまをはじめ…是非とも多くの人たちに観ていただきたい、そして考えるキッカケとしていただきたい、そうなり得る作品でした。今回こうした機会を作っていただけたことに感謝しています。実行委員会の皆さまをはじめ関係各位、有難うございました!

本日はこんなところで。また明日!

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三浦 ひらく

三浦 ひらく -PROFILE-

世界を暮らしやすく楽しく変えるため、相棒ひらくマと一歩ずつでも現状改善していくために日夜ハゲむ、1978年生まれの岡山県津山市議会議員。選択肢の多い社会を目指し、政治も手段の一つと捉え、地域振興、多様性理解促進、生きづらさ解消、表現の自由を守るための活動、インフルエンザ脳症撲滅、臓器移植意思表示推奨などをライフワークとして活動している。

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