未来拓く、みうらひらくです。
津山市議会議員、三浦ひらくです。
昨日のことになりますが、昨年も参加させていただいたイチニ株式会社さんによる自治体ビジネスピッチに審査員として参加させていただきました。今回もzoomによるウェビナー形式で、書類審査を勝ち抜いた企業の皆さまによる1社あたり3分(時間厳守)のプレゼンでした。
ビジネスにおける「ピッチ」とは、短時間でアイデアや提案を簡潔に伝え、相手の関心を引き、行動を促すためのプレゼンテーションのことです。現職議員の立場では実はなかなか簡単ではなかったりすることも多い、民間企業の皆さまによる熱意あふれるビジネスアイデアに直接触れる貴重な機会です。

今年は応募件数が多かったということでしょう…書類選考に続く地方議員による2次審査は3日間に分けて実施されました。予定の都合で最終日のみの参加でしたが、3日目だけでも24社の登壇が予定されていて、私が実際に審査に参加できたのは21社だけでしたが、それでも去年の半分。なかなかボリュームがあり、中にはかつて一般質問で提言させていただいた内容をさらに補完していくことに繋がるメチャクチャ参考になる話もありましたので、参加させていただいた甲斐が十二分にありました。
ちなみに昨年同様に私個人の評価を公開しておくと、以下のようになります。
とても良い(すぐに議会で提案したい)・・・・・2社
良い(もっと詳しく話を聞いてみたい)・・・・・8社
普通(情報提供ありがとう)・・・・・・・・・・6社
要改善(改善が必要)・・・・・・・・・・・・・5社
6月に実施される敗者復活審査は、全国の自治体職員の皆様によって行われますし…昨年同様、最終審査は全国各地の首長によって実施されるそうです。民間企業の斬新な発想を行政が受け止め、共に社会課題の解決を目指す場として興味深いものになっていると感じていますので、津山市でも参加していただけたらなと思うところ。
公共と民間がそれぞれの強みを持ち寄り、力を合わせることによって、これまでにない新しい社会のかたちを創り出すことを目指す…それこそが官民連携とか公民連携とかって言葉で示される考え方の基本であると思っています。イチニ株式会社による自治体向けビジネスピッチ2025の公式サイトに書いてあることは、この分類によると官民連携と言うよりは公民連携である気もしますが、ともかく公共サービスの質の向上、地域経済の活性化、インフラ整備など、幅広い分野での連携が期待される取り組みであり、実際に多岐にわたる幾つもの素晴らしい提案を聞くことができました。

今回も多種多様な企業が参加され、それぞれの視点から鋭い問題提起と未来志向の提案をしてくださいました。AIなどの先進テクノロジーを活用したシステム、少子高齢化・人口減少社会へ対応していくためのサービス、環境負荷を抑えた新たな手法など、どの提案からも「今この社会に必要なものは何か?」を真剣に考えた跡が感じられました。
地域ごとのニーズに合わせた柔軟なシステム構築が可能になりそうだなと感じさせる提案や、地方自治体においてもカスマイズすることで導入効果が高まりそうだなと感じる取り組みもあり、こうしたアイデアが、全国津々浦々の地域に根づいていけば、地方創生にも大きな弾みとなると思いました。また、昨年と比べ「行政側のリソース不足」や「行政と民間との役割分担」への現実的な視点を持った提案が増えていたような印象があります。限られた時間の中でも単なる理想論にとどまらず、具体的な予算感やスケジュール感、導入時のハードルまで見据えたプランニングにも言及いただけるような企業や、今すぐ続きを聞かせてほしいと思うような内容もありました。
とは言えもちろん…現状改善はそんなに簡単ではありません。
革新的なアイデアであればあるほど、行政側の制度設計や意識改革が追いつかないケースも少なくないからです。また言うまでもなく、自治体ごとの財政事情や人口規模によって、採用できるかどうかのハードルは大きく異なるわけです。

だからこそ、議員である私たちにも求められる役割があります。
民間の力を活かすためには柔軟な制度運用や前例にとらわれない発想、リスクを恐れずチャレンジする姿勢が不可欠。一般論として前例踏襲主義に陥りがちで硬直化しがちと言われる行政の現場に新しい風を吹き込むためには、議会からも積極的に後押ししていく必要があることを改めて実感しました。
公民連携こそ今後の行政運営の鍵になっていくであろうことは、以前から津山市議会での質問においても繰り返し述べてきました。将来を見据えたときに、今以上の取り組みが必要不可欠な分野です。今回のピッチで得た知見を今後の議会・議員活動に活かしていかねばならないと思っています。
津山市でも、こうしたオープンイノベーションの場をより積極的に設けていただきたいと願います。そして個人的には…結果として市民福祉が向上するのであれば、他自治体との連携などはもっと積極的に進めていくべきで、必要以上に”津山産”であることにこだわる姿勢は本末転倒になり得るとも考えています。行政と民間が共に走れる体制づくりをさらに進めていただけるように、自分自身も引き出しを増やしていきます。

アイキャッチ画像は事務所の看板猫ちゃん。
本日はこんなところで。それでは、また明日!