市長は大卒じゃないとダメなの?大問題になっている静岡県伊東市長の学歴詐称問題を、大学中退議員が斬る。

未来拓く、みうらひらくです。
津山市議会議員、三浦ひらくです。

参院選、始まってますけど?あなたの一票で国が変わる。選ばれる側じゃなく選ぶ側が変える参院選2025!

2025-07-05

政治は国民の信頼の上にしか成り立たないとは、上記のエントリーでもつい先日書いたばかりです。ただ、何度でも言っておきたい…とゆーか、言わねばならないような話が多すぎるんですよね…。

「記憶にございません」では話にならんのですよ。

全国的に話題になっていますので、ご存知の方も多いでしょう。

静岡県伊東市の田久保真紀市長が、学歴詐称疑惑を受けて辞職を表明されたとのこと。

7月7日夜の記者会見では、「速やかに辞任したい」と語りつつ、「改めて出馬して市民の判断を仰ぎたい」との再出馬への意向も表明されたと様々なメディアで報じられています。

なんと、東洋大学を卒業したと思っていたけど…実は除籍だったと。

いやいや、そんなザックリした記憶で良いなら、俺も中央大学卒業になれますわ…。

ツッコミたくなるのは、大学中退の私だけではないはず。そして除籍者が卒業と言ってしまうのは、ある意味では中退者が卒業詐称するよりもタチが悪いかもしれないとも感じます。どちらにしても許されることではありませんが、何となく似ていても中退=自分から辞めた、除籍=大学当局から切られたという話ですから…中身も責任の所在も違うわけです。除籍された場合には、本人が通っていたことすら記録として大学に残らないケースもあり、証明が困難(大学によって対応は異なる)になることも、今回のケースをややこしくしているのかもしれません。

ま、そんな複雑な話ではないと思うんですよね…。

嘘やごまかしはアウトってだけの話ですよね。

私が断言しますが、この件は学歴そのものが問題なのではありません。まぁ個人的に断言したいだけだろと言われたら否定はしませんが。

別に市長が大卒じゃなくても構わないでしょ!

学歴など関係なく、現場感覚や誠意、判断力、人柄で市民の信頼を得ている首長は全国に何人もおられます。

しかし、言うまでもなく…主張が虚偽であった、あるいは重大な錯誤であったとしても…つまり嘘やごまかし、あるいは都合の良い“記憶違い”であったとしても、結果的に経歴を飾るのは論外だと言えるでしょう。意図的であれ、結果的であれ、誠実さを欠いた言動は、政治家としての信用を根本から失わせるものだからです。

辞めてまた出馬?

今回の辞任にともない、伊東市では再選挙が実施される見通しとなるわけです。市長選を一度行うだけで、伊東市では約3,000万円の税金がそこに費やされることになるようです。

しかも今回は、前回の選挙からわずか2ヶ月。

”記憶違い”のツケが3,000万円超…しかも、それを市民が支払う。

それって本当に“責任をとる”ことになるのでしょうか?

市民活動から市議会議員へとなられ、建設に42億円、維持費に毎年2億円が費やされる見込みとなっていた新図書館建設計画などのトピックで現職市長との対決姿勢を鮮明に打ち出し、下馬評を覆して厳しい選挙戦の末に、伊東市初の女性市長になられた田久保市長へ期待されている市民の方は、決して少なくはなかったはずだと、報道などからも窺えます。

信頼を裏切っておいて…すぐ「またチャンスをください」は筋が違うかなと思います。

もちろん決めるのは伊東市民の皆さまですが…田久保市長に再びトップに立ってほしいと思われるだろうかなと、強く関心を持っています。田久保市長を旗印に戦ってこられた方々も、やりきれない思いでいるのではないかと思うところ。メチャクチャ悔しいはずだろうなと推察します。

私は誰であろうとも、やり直すチャンスが与えられるべきだとは思っています。ただこれは「ごめんなさい、でももう一回、信じてください」で済むほどに軽い話ではないのではないでしょうか。すぐにまた、チャンスが与えられるような話なのでしょうか。もし様々な打算の上でのアクションであるとしたなら、最も迷惑を被るのはいったい、誰でしょうか?

市長は市政の最重要ポジション。

もちろん選挙は市民の信頼の証明となるもので、正式なプロセスを経て選ばれたわけですが…仮に公職選挙法上で問題がなかったとしても、そのポジションに就かれている以上は、少なくとも“市民に対する真っ当な説明”があって当然だと私は確信しています。

そして、その説明に嘘や錯誤が含まれていてはなりません。

もはや本件は、あやふやな“記憶”だけじゃ到底納得できない事態になっています。どう収束しても、伊東市の皆さまにとってマイナスに働く出来事になるであろうことは避けられないのではないかと感じますが、この不幸な事態を、公職に就かせていただいている、政治に携わる者としては、他山の石として教訓にしていかねばと思っています。

市長選が来年の2月に迫った津山市でも、経歴や実績をどう確認し、どう評価するのか?

信頼される政治家とはどういう者を指すのか…市長に何を期待するのか…無論、回答は一つではないとは思いますが、個人的にも、改めて問い直すキッカケになっています。

誠実に、正直に、責任を持って、胸を張れる言動を積み重ねる。

結局のところ、遠回りに見えてもそれが一番の近道かなと思っています。

だから…私はこう思います。

大卒じゃなくても良いけど、”ごまかす人”には政治は任せられない。

大卒じゃない私が言ってもルサンチマンが滲み出てしまいますが…高学歴であろうと信頼を裏切ったらアウトです。

学歴はあくまでも一つのバロメーターに過ぎません。

いわゆる高学歴でも、ホンマかいなと思うような…エビデンスのかけらもないトンデモナイ主義主張を繰り広げる人もいますし…大学に行っていなくても社会人として極めて優秀で成功している人は枚挙にいとまがありません。ご自身の学歴にかかわらず…誠実に市政に向き合う人であれば、学歴がなくても市長として応援したいと思う人も、決して少なくないでしょう。

政治は肩書きではなく、人間性と責任感、そして実際に何をなしていくかで選ばれ、評価されるべきだと信じています。

そしてどういう立場にあろうとも…私自身もそれを体現していくべく努めていきます。

本日はこんなところで。それでは、また明日!

Pocket
LINEで送る

三浦 ひらく

三浦 ひらく -PROFILE-

世界を暮らしやすく楽しく変えるため、相棒ひらくマと一歩ずつでも現状改善していくために日夜ハゲむ、1978年生まれの岡山県津山市議会議員。選択肢の多い社会を目指し、政治も手段の一つと捉え、地域振興、多様性理解促進、生きづらさ解消、表現の自由を守るための活動、インフルエンザ脳症撲滅、臓器移植意思表示推奨などをライフワークとして活動している。

コメント