未来拓く、みうらひらくです。
津山市議会議員、三浦ひらくです。
私が議会の内外でいじめ対策に力を注いできていることは、周囲の皆さまはもちろん、活動を追ってくださっている方や教育委員会の皆さまの中にも存じてくださっている方が少なくないと思います。当事者支援は議員になる前からさせていただいておりますが、中にはメチャクチャ嬉しい結果に繋がるようなことも出てきて、私自身が物凄いパワーをいただくようなこともあるので、とても有難く思っています。
ただ反面、いじめはなくなりません。
今でもほとんど毎日のように、関係各位からの連絡があるのが現実です。それはつまり、現在進行形のいじめについてであって、むしろ連絡の数で言えば、明らかに議員になった当初よりも増えているのです。会議録を調べてみたら本会議においても今までに28回(令和元年度5回、2年度2回、3年度4回、4年度12回、5年度は6月までで5回)、いじめというワードを用いて発言してきていますので、積極的に取り上げてきていることが認知されてきたのかも知れませんが…そんなことは、本当はない方が良いことです。
中には明らかにいじめであると判断できるにもかかわらず、そうであると保護者や先生方が認識していない、あるいはそれを認めようとしていないのではないかと思われるようなケースもあり、子どもたちのために事実と真正面から向き合って対応していくことを考えるべきではないかと親御さんにお話させていただくような場合もあります。
本来は誰も、いじめなど起こってほしくはないはず。
わざわざ大きな文字で書くようなことではないはずではあるのですが、現実として起き続けていることで…ゼロにゼロにと、少なくとも私が子どもだった何十年も前から撲滅を訴える啓発活動が続けられてきているにもかかわらず、全くなくならず、むしろ増え続けてきている理不尽がいじめです。
我が子がいじめられていると認めたくない保護者の気持ちも、親となった今ではとてもよくわかります。また同様に、いじめの加害者となってしまった保護者の気持ちも理解できないわけではないわけですが、いずれの場合も、これは間違いなく共通して大切なことなのですが、自分自身よりも子どもたちのことを大切に考えるのであれば、事実を受け止めて然るべき対応を、しかもなるべく迅速に講じていかねばならないはずです。
先に触れたように、既存のいじめ対策では効果が望めないことは明らかです。同じような取り組みを継続してきているにもかかわらず、全く減ってきていないのですから。それでもやるしかない、理不尽を認めるわけにはいかないという理屈はもちろんわかりますが、効果のない施策を続けるよりも新たなアプローチを講じていなけならない、しかもすぐにでも講じていかないとならないことは、それこそ昨年はここ10年で最悪の数字になってしまった一番最悪の結果、自殺防止の観点からも明白です。
これを何年も言い続けてきています。
しかしながら津山市では全くと言って良いほど、対応策が変わっていません。津山市教育委員会のいじめ対策においては新たな予算措置が講じられることもなく、誰が利用するのよソレ…という、退職した管理職だった教職員への電話での相談サービス(しかも利用実績も多いとは思えない)など、1ミリたりとも子どもたちに寄り添っていると思えない、子どもたち自身のニーズに全く合致していない施策が、ただ漫然と続けられているようにしか判断できないというのが私の率直な所感です。総務文教委員会における審査の場を含め、津山市教育委員会に対して何度も公開を要請しましたが、なかなか応じていただけなかった昨年度の津山市内のいじめに関する調査結果です。
もう良い加減に…全国を上回ったとか、前年度を上回ったとか、そんなどうでも良い話、やめませんか?
当事者にとっては無意味だからです。何しろ津山市において今まさに、リアルタイムにいじめで苦しんでいるわけですね…全国比や岡山県比で津山市の数字が少なかろうが多かろうが、ハッキリ言って当事者にとってはどーでも良いことで、それは年度末にこうした数字を分析する際に内部で論じて判断すれば良い話ではないでしょうか。そして、わざわざアンダーラインが引いてある積極的な認知との記載、これもちょっとおかしい話。
昨年も同じこと言ってるやん。
お手盛りの評価は、もう良い加減にしていただきたい。
上に貼り付けたちょうど一年前、昨年の12月議会で質したような内容を、今月末に開会予定の12月議会では繰り返さなくても済むように、当局には誠意ある対応をお願いしたいところです。
さて、前置きのようで前置きではなかったので津山市のいじめの現状についての件が非常に長くなったことをお許しいただきたいのですが…本日はある方の取り組みを紹介させていただこうと思っていました。
それこそが紙芝居おじさんこと、先本廣司さん!
本日は津山市内でも幾つかの小学校等においてボランティアで定期的に披露していただいており、子どもたちはもちろん、一部の保護者からも熱狂的に支持されている先本さんのお手盛りならぬお手製紙芝居を、贅沢にも本番さながらに実演していただきました。
何十本とあるレパートリーは、全て先本さんが手描きで描かれた作品たちです。ちなみに今回披露していただいた”ぼくのきもち きみのきもち”は紙芝居企画製作が法務省人権擁護局、全国人権擁護委員連合会、公益財団法人人権教育啓発推進センターによるもので、インターネット上でも元の作品を動画でお楽しみいただくことが可能です。
先本さんは法務局経由で、カラーコピーなどによらず模写して内容を変更せずに、人権啓発のために役立ててくださるのであればという条件で著作権問題などをクリアし、この作品を子どもたちに読み聞かせることで、圧倒的にわかりやすく、なおかつ楽しく、人権教育に取り組んでくださっているのです。
元作品も拝見しましたが…元々看板屋さんを営んでおられた先本さんの作品は、元作へのリスペクトを感じさせつつも決して引けを取らない味のある絵で、物語の内容ともマッチしており、子どもたちが「私たちも自分たちで読んでみたい!」と言い出すことにも頷ける一編だと感じました。市内の某小学校においては、児童が自分たちで多くの皆さまを前にこの作品を先本さんに代わり、紙芝居として何人かのグループで披露するという取り組みも行われているそうで、これは児童側からの「やってみたい!」というリクエストに応えて実現したものだとのこと。
子どもたちが主体的に人権啓発、いじめ撲滅のための取り組みに向きあっているのです。
大変に素晴らしく意義深い話です。
実際にご覧いただきたいし、さらに多くの学校等で取り組んでいただきたいので楽しみを半減させないためにも公開は控えますが…こうしたアプローチでいじめを減らしていくために動いておられる、しかも無償で取り組んでくださっている方が津山市内におられることを教育委員会にも知っていただきたいところです。先本さんに関して言えば、新聞などでも活動が取り上げられていますし、他にも民間で独自にこうした取り組みを行っている方々にお力を貸していただくべきだと思っています。
「ひらくマさん(先本さんは親しみを込めて自分のことをこう呼んでくださいます…皆さまも是非!大歓迎ですよ!)、いじめはなくならん。じゃけど、大人がな、見ていてあげることが大事なんです。独りぼっちじゃないぞってな、見ていてくれる人がいるってことをな、子どもらにわからせてあげんといけん。そうせんと、最悪の事態になるかもしれんからな。」と言われていた先本さんの言葉に、完全同意です。
なくそうとする努力を怠ってはいけない、あきらめてはそこで試合終了ですが…たとえ大きな効果に繋がらなくても、一件ずつでも減らしていかなくてはならないこと。そもそも一気にゼロにできるような問題なら、とっくになくなっているはずです。だからこそ、目の前の一人ひとりに向き合って、予防に繋がるような取り組みや啓発活動に取り組むことが大切であって…とにかく私は、自分が何もやらずに批判や否定をするのはナンセンス(もちろん批判・否定する自由はありますが)だと思っていて、やっている人をリスペクトします。
そして共に楽しみながら、社会をより良くしていきたいと思うのです!
先本廣司さん、色々と有難うございました!
本日はこんなところで。また明日!