未来拓く、みうらひらくです。
津山市議会議員、三浦ひらくです。
本日5月5日は「こどもの日」。
GWの中でも恐らくは最も有名な(?)言わずと知れた祝日ですが…単に“お祝い”するだけの日であって良いのでしょうか?アパートのベランダに掲げるのもなと我が家の中にこぢんまりと掲げられた鯉のぼりと、息子が幼稚園で作ってきた可愛らしい鯉のぼりを眺めつつ、有難いことに今日は多くの時間を家の中で過ごさせていただきましたが、そんな風に思ってもいます。
むしろ本日は、大人が“子どもたちの現実”としっかり向き合うべき日なのではないか。
そんな思いを改めて強くしています。
政府が掲げる「こどもまんなか社会」というスローガンは、一見素晴らしいものです。
しかしながら、それが単なる“言葉の飾り”で終わってしまえば、意味はありません。
これは津山市の施策にも全く同じことが言えることであり…現場レベルで具体的に動けるように制度構築してこそ、理念が生きるのです。津山市でも子育て支援施策は一定程度講じられているとはいえ、実態としては「全ての子どもたち」が等しく守られているとは言い難い状況です。そもそもそんな状況の実現は現実には極めて難しいのが圧倒的事実ですが、私たちがその実現をあきらめてしまってはいけないとも思っています。
ことあるごとに議場の内外で言及し続けてきていますし…実際にサポートに当たり続けているからこそ把握しているわけですが、実際に、例えば以下のような課題が存在するわけです。

いじめや虐待の深刻化
文部科学省の調査によると、令和5年度のいじめの認知件数は732,568件と過去最多(PDFデータ、児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要・令和6年10月31日発表)を記録しています。また、過日ブログ記事にもしていますが…同じく最新の令和5年度の児童相談所が対応した児童虐待相談件数も225,509件と、こちらも過去最多となっています。これらの数字は、統計に出る以上に深刻な問題が存在していることを示唆していると言えるでしょう。
ヤングケアラーの存在
厚生労働省と文部科学省が令和2年に初めて大規模に行った「ヤングケアラーの実態に関する調査研究(PDFデータ) 」によれば、中学2年生の5.7%、全日制高校2年生の4.1%が、家族の世話を日常的に行っているヤングケアラーであることが明らかになっています。また、小学生や大学生を対象とした調査も実施されています。しかし、これらの子どもたちの存在についても、未だに“見えない問題”とされがちな印象は拭えておらず、学校においても正確な把握が難しい状況が続いているとの現場の声も聞き及んでいます。
家庭環境に起因する機会格差
厚生労働省の2022年の国民生活基礎調査によると、約9人に1人の子どもが相対的貧困状態にあるとされています。

各年のグラフの数値は左から、相対的貧困率、子どもの貧困率、子どもがいる現役世帯(平成30年は左が旧基準、右が新基準)、子どもがいる現役世帯でひとり親世帯、子どもがいる現役世帯で大人が二人以上の世帯の順。単位はパーセント。国民生活基礎調査のデータをもとにe-Statで作成。圧倒的に多いのが、ひとり親世帯の貧困です。
このような家庭環境に起因する格差は、学力・進学だけでなく、人間関係や自己肯定感にも影響を及ぼしており、教育格差の要因の一つとして、貧困問題があることは多くの場面、様々な形で論じたり報じたりされているところです。こうした“声なき声”に耳を傾けることが、政治家にとって最も大切な責務の一つであると考えています。
とある公園で、たくさんのこどもたちが元気に遊ぶ姿を見ました。
子どもたち、そして同じくらいたくさん集まっていた大人の皆の笑顔を守るためにも、私たち大人は、個人としても、社会全体としても、もっと本気にならねばならないと思っています。そしてある意味では子どもたちの未来も託されている、大人の意思の集合体であるべき、議会や行政こそ、誰よりも真剣に真摯にそうした思いを実現すべく制度設計していかねばならないのです。

「祝う」ことは大切ですが、祝うだけでは守れません。
子どもたちを取り巻く環境は、子どもたち自身の願いや思いは置いておいて…実際にはほぼ大人たちの意志と行動によってのみ形作られていると言えるのではないでしょうか。そうした現実も踏まえた上で、理想を謳いあげることも大切でしょうが、それ以上に重要でまず必要な本当の意味での「こどもまんなか」とは、こどもに責任を押し付けることではなく、大人が責任を果たすことだと私は考えます。
未来を担うこどもたちのために、今日からでもできることを積み重ねていかねばなりません。
それが本当の意味で…“こどもの日”を祝うことではないでしょうか。
本日はこんなところで。それでは、また明日!