忘れてはならぬこと。怪物とたたかう者は、みずからも怪物とならぬようにこころせよ。

未来拓く、みうらひらくです。

ニーチェ
善悪の彼岸より

怪物とたたかう者は、みずからも怪物とならぬようにこころせよ。
なんじが久しく深淵を見入るとき、深淵もまたなんじを見入るのである。

ニーチェは超人思想やルサンチマン、神は死んだ…といった言葉と共に語られることが多いドイツの哲学者。
何年か前、サッカー日本代表の長谷部誠選手が好きな哲学者として紹介したことがあり、関連本がベストセラーになったので、名前を聞いたことがある方も少なくないでしょう。
著作の中で、示唆に富んだ言葉を数多く残しています。

昨日、日本を元気にする会が政党要件を失うことが決定的となったようです。

元気 井上氏離党で政党要件失う見通し

選挙の際に推薦をいただいたにもかかわらず結果を出せなかった以上は、その経緯や詳しいことについて言及できる立場ではありませんが、率直に申し上げて残念の一言です。

職業政治家ではない経済人と実務家で構成され、国民本位の提案型政党を目指し、ちょうど一年前にスタートした日本を元気にする会。
党議拘束がないという日本の政党として非常に珍しい特長も、しがらみのない政治を目指す自分にとっては、とても眩しいものでした。
日本を元気にする会ホームページ

そもそも私には、自分自身が政治に全く期待していなかったからこそ、その道に挑戦しようと思い至った経緯があります。
そんな私が初めて可能性を感じた政党の末路が、こういった不完全燃焼とも言える幕引きになるとは…本当に極めて残念だと感じています。

政党要件を失った日本を元気にする会は、引き続き政治団体として活動していく可能性が濃厚なようです。
この後、形を変えて存続することがあったとしても…結党当時に魅力を感じた同党の理念と可能性は、一度完全に壊してしまわない限り恐らく戻ってこないでしょう。

タリーズコーヒージャパンの創業者でもある松田公太代表。
経営者としての視点や経験を、本気で政治に反映させていこうとするスタイルは、まちづくりにおいて経営的バランスを重視する自分にとって実に魅力的に映りました。
山田太郎政策調査会長の、表現の自由に対する圧倒的に真摯な取り組み方も同様です。

日本を元気にする会は、それぞれが個人的に応援し続けたいという思いを抱かせるに十分な魅力をお持ちの方の集合体であったことは事実です。

ですが直接民主型政治の実現を標榜し、割合投票をはじめとした数々の先進的な取り組みを実現しようとしたその挑戦は…松田代表ご自身の表現に倣うなら、図らずもその客船の乗組員の手により、航海を中断あるいは終了させてしまうこととなったと言えるのではないでしょうか。

井上議員の離党問題しかり、昨夏の安保法案問題に関して割合投票が機能しなかった例しかり。
若干なりとも内情をうかがい知ることができた者としては、現場の皆さまがたの抱えるジレンマは察するに余りありますが…それでも結果が残念なものであることには変わりありません。

日本を元気にする会…その客船には限りなく乗組員に近い形で地方議員として、自分のブログではお馴染みの音喜多駿東京都議や、伊藤陽平新宿区議も乗っておられたわけですが…昨日それぞれ退会届を提出されたそうです。

「日本を元気にする会」を離れ、無所属議員として活動します(音喜多都議ブログ)
日本を元気にする会所属から無所属になります。(伊藤区議ブログ)

こういった発信力に非常に優れた地方議員の方々を抱えながら、その能力を生かしきれなかった点も、インターネットの可能性を謳いあげた党綱領に鑑みても、返す返す悔やまれます。

曲がりなりにもご縁を頂戴していた身として、残念の一言です。

しかし、残念がっていても何も変わりません。
この世界をよりよいものとするためには、前に進まなくてはなりません。
先のお二人も示されているように、自分もやるべきと判断したことに精一杯挑んでいくのみです!!

政治の世界には魔物が棲むだとか…よく言われますね。
色々と自分も耳にします。

市議会議員への挑戦に失敗した私のレベルですら…どうせ議員になったら長いものに巻かれろで人間が変わってしまうんだよ、といった趣旨のお言葉を頂戴したことは一度や二度ではありません。
だからこそ初心を忘れてはならないと、いつも己に言い聞かせているのです。

ま…今の私は議員ですらないんだけれども☆

しかし、これは何事においても同じだと思うのです。
中学高校とドロップアウト気味で、かつて大学で哲学科に在籍していた私は、それなりに哲学者の著作に触れてきました。

本日のブログの冒頭に引用した、音喜多都議がブログの結びに持ってこられたニーチェの言葉は、政治に限らず、困難に挑む時に、決して忘れてはならない大切なことだと胸に刻みつけています。

飲み込まれてはならない。

強くあること…自分自身を信じ抜く強さを持つこと。
結局のところ、変化との戦いです。
それは誰だって同じ。

変化を恐れていては何も進まないけれど、都合の良い言い訳を作って自分の最も大切な意志を曲げてしまっては、大きなことを成し遂げることはできないでしょう。

ニーチェまで引っ張り出して、怪物…なんて大仰なタイトルをつけましたが、すべてここに帰結すると思うのです。

自分自身に嘘をつき続けることほど、困難でいて惨めなことはありません。
生きていく限り、戦いをやめるつもりはありません。

また明日。
今日も有難うございました。

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三浦 ひらく

三浦 ひらく -PROFILE-

世界を暮らしやすく楽しく変えるため、相棒ひらくマと一歩ずつでも現状改善していくために日夜ハゲむ、1978年生まれの岡山県津山市議会議員。選択肢の多い社会を目指し、政治も手段の一つと捉え、地域振興、多様性理解促進、生きづらさ解消、表現の自由を守るための活動、インフルエンザ脳症撲滅、臓器移植意思表示推奨などをライフワークとして活動している。

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