全ての人が認め合い、ありのままの自分で安心して暮らせる津山。

未来拓く、みうらひらくです。
津山市議会議員、三浦ひらくです。

津山市議会9月議会一般質問原稿公開!当初質問で何を尋ねたか?

2019-09-18

9月議会の一般質問原稿公開2!世界一わかりやすい文字起こし。

2019-09-20

津山市9月議会一般質問。世界一わかりやすい文字起こし第3弾!

2019-09-21

今まで3回にわたって、今回の津山市議会9月定例会での私の一般質問の文字起こしと、質問時間内で表現しきれなかったこと、その他秘密の裏話(?)なども公開してまいりました。

このエントリーがこの件の締めくくりです。

質問通告内容に挙げていた3つの大項目、観光振興・市民サービス・学校制服の中で…最後に残した学校制服について取り上げます。

私はストーリー性を重視する傾向があります。

これは今までの人生そのものがもたらした指向であるとも言えますが、本でも映画でも音楽でも…ストーリー性があるものを好むのは確かです。だからこそ時には、それをぶち壊すようなナンセンスなものに魅力を感じることもあるわけですが。

何が言いたいかと言いますと、30分の持ち時間がある一般質問ですが…その30分を説得力を持たせてフルに活用する(つまり目的達成の可能性を少しでも上げる)ためには、バラバラの質問を30分広げまくるわけではなく、一貫したストーリー性を持たせた方がより効果的だと考えているということです。前回の6月議会でも、今回の9月議会でも…質問を実際にご覧いただけた方にはその狙いだけは伝わっているのではないかと思います。

6月はとにかく、情報発信の重要性について訴えました。

そして新たな情報発信ツールとして、自治体公式アカウントの無料化がスタートしたばかりのLINEの早期導入を提案させていただきました。その根底には政治・議会へと市民が興味を持っていない現状への問題意識があります。防災などに関わる非常に大切な行政発信の情報への意識も薄くなっている状態への、強い危機意識もありました。

9月のテーマは一言で表現するならば…”おもいやり”でした。

実際の一般質問で、既に文字起こしした部分でも使ったワードです。

東京オリンピック・パラリンピック招致の際に滝川クリステルさんが用いたことで、その後の観光業界ではそれまで以上に頻繁に使われるようになった”おもてなし”という単語。

観光立市宣言までしておきながら…津山駅隣接のトイレにトイレットペーパーの設置すらしていない現状は、それ以前の段階であり目に余るということで、おもてなし以前に”おもいやり”が足りないという趣旨で発言させていただきました。

そしておもいやりの心こそが、この後に残した最後の質問…学校制服についての分野でも非常に大切な意味を持ってきますし、それは観光だけでなく、当然ながら市民サービスについても施策を考える際に必要になってくる感情であり、政治家・議員だけではなく全ての津山市民、岡山県民、日本国民…もっと言えば地球人全体にとって、本来は欠かしてはならない気持ちであると考えております。

思いやるとは想像力を働かせること。

個人の主観が入ってくることで人それぞれの幅を持つことになりますし…表現も情緒的にならざるを得ませんが、極めて重要なことだと考えております。

ま、この辺の話を深くし始めると超絶に長くなり、相容れない考え方の方々が少なからず存在することも明白ですので…とりあえずは置いておいて。

ともかくも当初質問最後の、学校制服に関しての質問に対する教育長の答弁から紹介してまいります。

有本教育長
本市の小・中学校の制服の現状を踏まえ、子どもたちの選択の幅が広がるような制服の導入を検討できないかというお尋ねにお答えをいたします。

まず津山市の小・中学校の制服の現状ですが、上下とも制服である学校が24校。
上着のみ制服である学校が9校、制服がない学校が2校であり、学校によってその実態は様々であります。
男女関係なくズボンの着用を認めるなど、性別による区別をしない配慮がなされている学校もあります。

今日の価値観の多様化、また性的少数者や防犯に配慮する時代において、制服の選択肢を増やすことも一つの時代の流れと認識をしております。
制服の選択については、保護者や児童生徒のニーズを的確に把握し、学校が主体的に検討し判断すべきものと考えます。

また、文部科学省の通知においても、通学用服の選定や見直しにあたっては”最終的には校長の権限において適切に判断すべき事項ではあるが、その選定や見直しを行う場合には、保護者の経済的負担に留意するとともに、児童生徒・保護者等の学校関係者からの意見を聴取した上で決定することが望ましい”と示されているところであります。

みうらひらく
制服の選択肢増加について教育長より答弁いただきましたが、基本的に学校に任せてあるという風に受け取れました。

配慮がなされている学校もあるものの、決して多くないように感じられました。
LGBTと呼ばれる性的マイノリティーの方々の割合は電通のダイバーシティラボの調査では2015年に7.6%だったものが、2018年には8.9パーセントに増加しています。

左利きの人たちの割合とほぼ同じ…無視できる数字ではありません。

文部科学省からの通知について触れていただきましたが”性同一性障害や性的指向・性自認に係る、 児童生徒に対するきめ細かな対応等の実施について”という通知が、2015年に同じく文科省から出ています。
その中では実効性の高い対応策として、性自認に見合った服装を選ぶことが可能な環境整備という支援が、真っ先に挙げられています。

無論、どういった選択をするかは児童生徒自身の判断によるべきです。
これはLGBT層だけに配慮した話ではありません。

教育長ご自身が今議会の答弁でも繰り返しおっしゃっている、子どもたちが自らの将来を自らの力で切り拓くことができるような、望ましい成長をしてもらうためには、なるべく大きな土壌を用意して見守ることも大切な教育姿勢ではないでしょうか。

現場の皆さまが大変な思いで頑張っておられることは重々承知ですが、4年以上前に出された文科省の通知に見合ったものになっている学校ばかりではないようです。
冬場には大変冷え込む津山市の地域事情もあります。
その学校に通っているだけで不利益を被っている可能性がある現状を改善するためには、選択肢を増やすしかありません。

その流れに弾みをつけるため、教育委員会として改めて件の文科省の通知を再確認していただくように注意喚起を促すなど、お力添えいただくわけにはまいりませんでしょうか?

有本教育長
文部科学省の通知には、性同一性障害に係る服装や髪型、更衣室やトイレ等の具体的な配慮事項が示されております。

また、全国や県内の教育委員会では、中学校の制服において、スカートやスラックスかを自由に選べる制服の選択制導入を推進していく方針を示した自治体もあり、性別にかかわらず選択できる制服を採用する動きが全国的に広がりつつあることは認識をしております。

本市においても、性同一性障害について、学校等での研修会を実施するなど、理解を深めており、児童生徒や保護者の意向に配慮した対応ができております。

今後も、機会を捉えて、各学校には通知の趣旨等の浸透とともに、研修会の充実を図ってまいりたいと存じます。

みうらひらく
岡山県は全国シェアの7〜8割を占めると言われるほどの学生服出荷額日本一の県。メーカー各社も今やジェンダーフリーの学生服を相次いで発表しています。

一昨日の山陽新聞さんにも掲載されていた通り、倉敷市の教育委員会では市立中学校全26校の女子生徒を対象に、スカートかスラックスかを自由に選べる制服の選択制導入を示されました。
LGBT層への配慮、性犯罪の未然予防、防寒対策などの意図が込められた、岡山県内15市で初めての取り組みです。

この倉敷市教育委員会の対応についてのアンケート調査を行うなど、受益者であり当事者である児童生徒皆さんの声を聞いてみてはいかがでしょうか。
これは質問ではなく提案です。
研修会実施も有難い試みですが、押し付けではなく、あくまでも児童生徒の主体性を尊重することが真のユーザーフレンドリーであると考えます。

私自身はLGBT当事者ではありませんが、実は昨年のGWに当事者の方の講演会を主催したことがあります。
岡山県はこうしたテーマに対して理解が進んでいないと聞いていたものの、開催地の教育委員会なども協力に二の足を踏む予想以上に厳しい反応に、悲しくなったものでした。
しかしそんな中で津山市教育委員会、そして津山市は迅速に快く後援を引き受けてくださり、市内小中学校へのチラシ配布等にもご協力くださった経緯があります。

教育長、その節は有難うございました。
そして市長にも改めて感謝申し上げます。
おかげさまで多くの方々のご参加を賜り大盛況の実り多い会となり、講話者本人も大満足され、その後津山市を中心とした地域で理解を広げる活動を行うきっかけになりました。

津山市の人口を10万人だとすると、LGBTの方々の割合を8パーセントだと仮定した場合には、8,000人の方が該当するということになります。
40人クラスだと3人以上…決して対岸の火事ではありませんし、案件の性格上、表に出てきている数字よりも潜在人数は多いと見なすべきでしょう。

こうしたあまり理解が進んでいない分野へ働かせる想像力は、観光振興の質問でも触れたおもいやりの心そのものであります。

議会での発言の締めくくりとしては少々青臭い表現になるかもしれませんが、おもいやりこそ観光に必要で、市民サービスの充実にも不可欠で、子どもたちにとっても、また本議会そして津山市にとっても非常に大切なものであるということこそが、今回の一般質問を通して、私が訴えたかった気持ちです。

質問の中でも取り上げた費用対効果という言葉があります。
財政状況が厳しいこのご時世…もちろん行政も、その概念から逃れることはできません。
しかし政治には時としてそうした概念よりも優先すべきことがあります。

私たちは社会のセーフティネットとしての役割を果たすことが可能な、最も大きな影響力を持っている現場の最前線にいて、そういった機能も果たしていくべきなのではないかと、そう考えているのです。
制服の話からは少し広げ過ぎましたが、LGBT層をはじめ、障害者・引きこもりなどの生きづらさを抱えている方々への理解、対応への谷口市長の思いを最後に伺って、私の9月議会でのすべての質問を終えさせていただきます。

谷口市長
LGBT・障害者・引きこもり等により、困難を抱えた人が、住み慣れた地域で生きがいを持って安心して暮らせるよう、個々の生活実態や意識・身体的機能の違いに配慮したきめ細やかな自立支援策が必要であると思っております。

全ての人が互いを認め合い、ありのままの自分で安心して暮らしていける社会を目指して、施策の推進に努めてまいりたいと考えております。

みうらひらく
思いやりに満ちた答弁、有難うございました。以上です。

結論から言いますと…最後の市長からの答弁をいただいたことで、今回、時間的にも厳しい中で本質問をぶっ込んだ意義は十分にあったと思っています。

これから先、津山市では生きづらさを抱えた人たちがありのままの自分で安心して暮らせるようなまちづくりを進めていく、そのための施策推進に努力していくと…市のトップである谷口圭三市長がご自身の口で、意思表明を行う公式の場としてこれ以上ない津山市議会で、そう発言されました。

これは非常に意義深いことですぜ!

今後、次回以降の議会では実際にどう言った施策を推進していくのか…実効性、即時性あらゆる角度から、検証・検討を進めていきます。

LGBT、障害者、引きこもり…3つ例示いたしましたが、その3つだけであっても、個人はそれぞれ様々な事情を抱えているわけで一つとして同じケースなどありません。だからこそ難しいというのは言い訳でも何でもなく現実。

だからと言って、あきらめることなどできません。

津山にも現実に、生きづらさを抱えつつ生きている人がいるのです。

その家族もいるのです…その人のことを思う誰かがいるのです。

政治が果たすべき役割があるはずです。

だからこそ、この分野…いわゆるマイノリティー(少数派)にカテゴライズされる人たちに対しての支援を進める分野の施策に関しては、今後も優先的に取り組んでいきます。

これが私が政治にこだわる最も大きな理由です。

もう41歳だが…。

そしてこの一連のやり取りには大きな問題が含まれていることにも触れておかざるを得ません。

教育現場のトップ、教育長が述べられた答弁には、私がLGBTという表現を用いているにもかかわらず、残念ながら一度もLGBTという表現は出てきませんでした。

性的少数者と換言する必要はありませんし、何よりも問題なのは性同一性障害というLGBTの中の一部の方々にしか当てはまらない事例についての研修を実施することが、理解を深めることや当事者である児童生徒、さらには保護者の意向に配慮した対応ができているなどと言い切ってしまう点です。

LGBT=性同一性障害ではありません。

そもそも今や性同一性障害は精神障害ですらありません。

ところが現実はそれほど簡単なものではありません。世間の偏見や固定概念は深刻です。

同性愛者への迫害の歴史は枚挙にいとまがありませんが…津山市でなくともこの件は話題にすることすら抵抗がある方々も少なくないようです。例えば世界的に有名な悲劇の舞台となったアウシュビッツでユダヤ人だけでなく多くの同性愛者が犠牲になったことは、あまり知られていないようです。

ましてや身体も精神も未成熟な段階にいる児童・生徒、当事者は本人ただ1人…周囲の仲の良い友人や親にすら本当の自分自身の気持ちを伝えられない(いわゆるカミングアウトには大変な勇気が必要です!)状況の中で、たとえ実際にどれだけ配慮していても”対応できている(キリッ)!”などと言い切れるはずがないと思うのは私だけでしょうか?抱えている苦しさ、違和感…生きづらさを、誰にも伝えられずに、苦しんでいる人がいるはずなのです。

突っ込めばそれだけで30分どころか何時間でも費やしてしまうレベルの話であり、今回の一般質問で深掘りすることが目的達成に繋がるとは思えなかったために、議会の場ではあれ以上突っ込みませんでしたが、非常に大きな問題です。

また、教育長ご自身からも答弁にご自身の思いが込められていなかった旨、議会後に陳謝いただきました。

ご存知の方も多いことですが、実は津山市教育委員会は今議会では大変な時期にありました。中学校教員の不祥事中学校生徒による暴力事件が立て続けに起こり、一般質問初日は教育長の報告とお詫びからスタートしました。

複数の筋から私個人のところへ、この件について触れないのかという連絡が来ていました。また別件ですが、つい先日も津山市職員による不祥事も明らかになりました。

良いことばかりを発信していてはいけません…事実は事実として、悪い話でも認める必要があります。

ですが執拗に、必要以上に叩き、晒し上げる行為には悪意しかありません。

このクソ大変な時期に、また面倒なことを言いやがって…と思われるのは仕方ありません。ある意味では面倒をいうのが議員の職務でもあります。

しかし教育長をはじめとした教育委員会のメンバーも、その他の津山市執行部の皆さんも、もちろん我々議員も人間なのです。

皆、同じ人間です。公務員だからという理由のみで、他の職種以上に”異常な”レベルで自己犠牲の精神を求めるのは、どう考えても間違っていると私は思います。

これ以上ないほどの予定調和に映るであろう議会ですが、事前の答弁調整に関わる現場の皆さまがたはメチャクチャ大変です。多くの場合は答弁内容を調整されるのは課長クラスの方々であり、答弁を読み上げる部長たちとは異なります。

上司とスーパー面倒くさい議員たちとの間に挟まれた方々のご苦労…想像するだけでも頭が下がります。

だからと言って、こちらも言うべきは言わねばなりません。しかし、そのタイミングや聞き方には一定の理があって然るべきですし…質問のための質問をするような議員を私は尊敬できませんどう転んでも生産性のないように見える質問を公の場でするのであれば、基本的にはその意図を明らかにすべきであると考えます。

生産性と言えば…かつてLGBTは生産性がないという発言をして大問題になった国会議員がおられました。”おもいやり”を欠いた、大変に軽率な発言であると感じましたが…生産性という言葉に罪はありません。

誰かに文句を言うこと、クレームを付けること…それ自体が目的になっているような人、実際にいると思います。

そうした方々にこそ、おもいやりを持って欲しいと心から願う次第です。文句やクレームの先に新しい展開を期待する、その助けとして欲しい…少なくとも議会での質問とは、本来当然そうあるべきだと信じます。偉そうに書きましたが、私自身がおもいやりを十分に持てているとは全く思っていません。これは開き直りではなく、何と言いますか…誰一人としてそんなこと断言できるものじゃないと考えているのです。

満足したらそこで終了…しかし必ず、その先があるはずです。

私たちの周りの世界にはいつでも必ず誰かしら、困っている人がいます。

今この瞬間も同じこと。それを忘れてはおしまいです。

だからと言って、それだけを考えて楽しむことを忘れては病んでしまうでしょう。

だからこそ想像力が大切なのです。

自分自身に対してもおもいやりが必要なのです。

何だか怪しいノリになってきましたが、私が選んだ手段は宗教ではなく政治です。この道で目的達成すべく、頑張りまっせ!

今回も一般質問シリーズへのお付き合い、有難うございました。議会だよりの制作、街頭演説などもまた行ってまいりますので、引き続きよろしくマお願いいたします!

本日はこんなところで。また明日!

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三浦 ひらく

三浦 ひらく -PROFILE-

世界を暮らしやすく楽しく変えるため、相棒ひらくマと一歩ずつでも現状改善していくために日夜ハゲむ、1978年生まれの岡山県津山市議会議員。選択肢の多い社会を目指し、政治も手段の一つと捉え、地域振興、多様性理解促進、生きづらさ解消、表現の自由を守るための活動、インフルエンザ脳症撲滅、臓器移植意思表示推奨などをライフワークとして活動している。

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