現職議員逮捕を受け、津山市議会が示す判断は?津山市議会倫理審査会、審査結果を議長に報告。

未来拓く、みうらひらくです。
津山市議会議員、三浦ひらくです。

今日は津山市役所を訪れることなく一日が終わりましたが、明日は朝から結構な時間を議会棟で過ごすことになりそうです。先日も少し触れましたが…松本義隆議員の逮捕を受けて設置されていた津山市議会倫理審査会の審査がようやく終わり、審査結果が議長に報告されています。

現職市議会議員の逮捕ということで一年前の津山市議会はちょっとした騒ぎになった印象もありますが、もはや「あの話、まだ何かやってたんやな。」という印象をお持ちの市民の皆さまも少なくないようで…新聞報道などをご覧になったであろう方から今日も「辞職勧告なら前も出してただろ?」と言われたところです。

出してます。

一年前の3月議会で一回、すでに辞職勧告を出しているのです。そしてその際に私は、推定無罪の原則がある上に、条例を真っ直ぐに読み解いた場合には現時点で辞職勧告を出すことは時期尚早であることなどを理由に、議案会として提出された勧告を出そうという議案に反対しています。

私の反対討論から始まるように設定したYouTube動画を埋め込んでいますが、河本英敏議員の提案理由の説明、美見みち子議員の賛成討論、そして採決の様子まで…全て上の動画でご確認いただけます。動画をご覧いただける環境にない方は正式な記録である会議録をお読みいただくことができますが、まぁ例によって喋りまくっていますので…文字に起こすと超長いために最後にペタッと貼り付けておきます。確かこのときは要点だけその場でメモにまとめてほぼアドリブに近い形で話しているので、まぁ同じことを何回も言っちゃっていますが、とにかくマズいだろこんな進め方したら…って思いがありました。

感情ベースでは「逮捕されるなんて悪いことしているに違いない!」とおっしゃる気持ちも理解できなくはないのが正直なところですが…当局が捜査を行っている真っ最中であり、司法判断も出ていない中での辞職勧告決議は勇み足であり、パフォーマンスとも取られかねないというのが私の見解でした。

そもそも津山市議会議員倫理調査会の設置をお願いしたのは他ならぬ私自身です。

それは、市民の皆さまからも沢山の問い合わせやお叱りのご連絡を受けた本件をしっかりと調査して、個人としてではなく議会として、しかるべき対応を示す必要があると考えたからであり…そもそも何ら強制力のない勧告決議をあのタイミングで出すことには強い違和感があったからです。

実効性のある施策として、逮捕勾留中などの報酬をストップするための条例を整備することを具体的に提案し、急ぎ進めていこうとしたのですが…それには現時点では過半数の賛同を得られなかったのが実情です。

昨年末、一審において懲役2年、執行猶予3年の判決が出ています。

そして調査会から移行した津山市議会議員倫理審査会の第三回目(2023年2月6日開催)において、松本議員本人からの弁明も伺いました。その結果として、私自身も最終的には辞職勧告を出すことに賛成することに決めたわけですが、それはあくまでも結果論です。

本会議において反対討論で述べたことは間違いではなかったと確信していますし、動画や会議録を見ていただければ明らかですが、報道各位にできる限り詳細を報じるようにお願いしてみたところで、当然ながら紙面や番組構成上の都合などもありますから限界はあり、結果の数字だけが独り歩きしがちです。だからこそ先日も書いたように…今回の私のように、一見すると考え方が変わったように見えるような判断を行った場合には、政治家はみずから説明責任を果たしていくことが極めて重要だと思うのです。

政治家は口だけ野郎が多過ぎる!小手先のナンチャッテ公約の類に騙されないための超簡単な方法。

2023-02-14

 

意見、ご質問、ご要望…何かしらありましたら、いつでもご連絡ください。

それでは本日はこんなところで。また明日!

参考リンク:津山市議会議員の倫理に関する条例

こんにちは。
改めまして、1番、ツヤマノチカラの三浦ひらくでございます。
こちらの討論に関しましても、会派ツヤマノチカラとしてではなく、私個人の市議会議員三浦ひらくとしての個人の思いを述べさせていただきます。  

ただいま提案理由の御説明をいただいたところであるんですが、おおむね賛同できるものでした。
僕自身の思いとも極めて近いところが提案理由の中で述べられており、本当にもうこの松本議員が逮捕されてすぐに議長もコメントで出されておられましたが、もう本当に遺憾としか言いようがないものだと思います。
実際、市議会、そして市議会議員、我々に対しても、今まで以上に市民の皆様からの信頼が揺らいでいるところだと思います。
私のところにも大変多くの厳しい声を頂戴しているところです。  
ただ、しかしながらこの今、現時点でこの市議会として、先ほど申されました議員辞職勧告決議、これを出すということに関しては、私自身は反対の立場です。  
よって反対の立場での討論ということで、お話をさせていただきます。  

なぜ賛同できる意見であったにもかかわらず反対であるのかということについて、これから順次説明させていただきますので、それぞれ議員の皆様ももう既に思いを固めていらっしゃる方が多いのではないかと思うところではあるのですが、会派であったり、そういったものを、立場であったり、思いをちょっと超えて、ここはひとつフラットな気持ちで耳を傾けてやっていただければと思うところでございます。  

なぜ現時点においてこの勧告決議を出すことが適切ではないと思ったかと言いますと、提案理由の説明にもありました、津山市議会議員の倫理に関する条例、こちらはもう市民の皆様にも公開されているものですんで、インターネットで内容を御確認いただくことが可能なものです。
これを真っすぐと読み解きますと、このようなケースには今現在も津山市においては設置されている倫理調査会、この調査会というものを設置して、その調査会において本当にその事案、今回問題になっている案件が審議に値するものであるのかということを審査して、そして調査会での審査の結果として、これは大きな問題に成り得るものだぞという判断であれば、倫理審査会という別の段階のものに移行して、1つ先の段階に移行して審査を進めていく、そして市議会としての対応を取っていく、これが適切なものではないかというふうに読み解けます。  

この市議会議員の倫理に関する条例を真っすぐ読むと、そういう形が適切ではないのかということは、せんだって議員会議の場でも、私もちょっとお話をさせていただきまして、多くの議員の皆様の御賛同をいただけたということで、調査会設置に至ったものだと理解しております。  
調査会で話をしている内容は、これは基本的に秘密会、要するに非公開ですので、この場で言及するわけにはいきませんけれども、ただ現状、松本議員が議員を現時点においては自ら辞されてはいないということ、それでいて委員会の委員長職ですとか、そういったものは辞されるという決断をされていることなどから、この先どうなっていくか分からないものの、恐らく御本人には議員辞職の思いはなく、そして裁判を闘っていかれるというおつもりではないのかということが推察される状況ではないかと思っております。

そのような状況下において、私たち議員が辞職勧告決議をすることは、やや勇み足ではないのかというのが、私の個人的な思いであります。  
調査会は、非公開の場で行われるものではあるんですが、その一歩先の審査会、審査会というものになりますと、公開の場で議論がなされます。
そして、審査会には我々議員だけではなく、一般市民、公募による市民の方、そして専門家の方、恐らくは弁護士の先生などになるんだと思うんですけども、専門家の方に入っていただき、より深い議論がなされる、そして議会としてどういう決断をしていくかという議論がなされるものだと理解しております。
それが本来取っていくプロセスではないかと、私としては考えているところです。

今の時点において、市議会議員、専門家がいない我々だけの場で、しかもクローズドの場においてそういった結論を導き出すことは適切ではないのかと思っているところでもあり、そういう結論が調査会において出ているわけでは決してないわけですけれども、だからこそ今この場においてこの議場での決断という重い決断で議員辞職勧告を決議するべきではない、少し早いのではないのかというのが個人的な思いです。
審査会になれば、公開の場になりますので、松本議員御本人の思いも正々堂々述べていただくことが可能になると思われます。
一人の議員として、実際にこの議場に立っておられた、現在はおられませんけど、そういう方なわけですから、もしやましいところがないのであれば、その場で正々堂々と思いを述べていただくような形にするべきではないかと考えるところであります。  

我々もやはり法律の専門家ではありません。
要するに、専門家でない人間が軽々に判断をすべきではないと言いたいという思いがあります。
議員辞職勧告というのは、非常に重いものですし、その重いものではあるにもかかわらず、実はこの議場においてこの議員辞職勧告を行ったとしても、それはあくまでも勧告であり、当然議員の皆さんは御存じなわけですけど、市民の皆様の中には御存じでない方もおられますんで、はっきりと申し上げておきますが、それには強制力がありません。
要するに、議員辞職勧告をしたとしても、御本人が辞職されるかされないか分からないわけです。
そういう意味では、パフォーマンスにすぎない、そういうふうに言うこともできるかと思います。  

感情ベースで悪いことをしているに違いないからやめてもらったほうがいいんじゃないか、そういう声は非常に多くいただいているところです。
その思いも分からないではありません。
確かに、何もないのに警察は逮捕しないだろうし、検察も起訴しないだろう、それは理屈としては成り立っています。
しかしながら、現時点においてはあくまでも嫌疑の段階です。
審議中、裁判はこれから進んでいくわけでありまして、それがどういう実際に結論、判決が下るかは我々には決してまだ今の時点では分かることではありません。

感情ベースで施策を打っていくべきではないということは、この議場において、私も常に述べさせていただいていることでありまして、EBPMというお話を今回の質問戦の中でもさせていただきました。
エビデンスに基づいて進めていくこと、科学的な根拠に基づいて施策を打っていくことが大切だとお話をさせていただきました。
根拠です、根拠が足りないと思っています。

現時点で求められる根拠というのは、やはりそれはルール、今この話においてのエビデンスというのはルールだと思っています。
そのルールというのは、あくまでも法律であって、津山市議会議員の倫理に関する条例です。
その条例を真っすぐと読み解いたときには、今この時点でそういった結論に至る、議員辞職勧告を出すという結論に至るのは時期尚早ではないのかというお話をさせていただいております。  

そして、ましてや我々は市議会議員であります。
この議場においてルールをある意味ではつくる立場です。
そのルールを自らつくってきたルールを軽んじるような決断はすべきではありません。
私たちは、市議会議員であり、津山市のルールをつくることができる立場にある者です。
だからこそ、松本議員が逮捕されたということは、遺憾ではありますが、であったとしても、そのルールを軽視すべきではない、現在あるルールを軽視すべきではありません。
現状は、あくまでもルールにのっとった判断をしていくべきだと思っております。  

そして、私は松本議員の後を行く形になりまして、今回議会活性化調査特別委員会の委員長を拝命させていただきました。皆様方のお力添えといいますか、御理解があってこその話ではあるわけですが、もちろんその委員長としての話をさせていただくわけではないのですけれども、議会活性化調査特別委員会というのは、議会をよりよくしていくための委員会だと思っております。せんだって議会活性化調査特別委員会の中でも、少し話をさせていただいたんですが、議員報酬を止めるという、我々は議員報酬を受け取ってしまうと、それを返納することができません。
それは寄附行為に当たるからであって、それはできないわけなんですけども、そもそも支給を止めることができます。
長期間議会に出ることができないような場合には、その報酬を止めるというような条例を制定することができる、そういうルールをつくることができる立場に我々はいるわけです。

これは、もちろん個人的な思いであり、これから進めていけたらいいなと思っている私の希望的な話ではあるわけですけれども、本来、津山市議会においてはそういった実効性のある施策が求められているのではないでしょうか。
このように、実際には実効性のない議員辞職勧告決議をする、そのような話をするよりも、実際に市民の皆様が今本当に求めているのは、議場に出てこない議員さんに対して報酬が出ていくというのはどういうことなのか、そういうような厳しい声もいただいているところです。
そういう話を本来我々はこの場で責任を持ってすべきではないのかと考えているところではあります。
そういう話ができていないからこそ、今回の本会議でも話をさせていただきましたような投票率の低下ですとか、市政に対する信頼の揺らぎ、市議会に対する興味が失われているというような、そういう話になっているんじゃないかなと思うところであります。  

我々が考えていることというのは、もう当然議員それぞれの思いがあって、皆さん考え方は人それぞれだと思うんですけれども、私としましてはこの議員辞職勧告決議には、今述べてきたような理由による判断で賛成できないと思っているところです。  
また、市民の皆さんにおかれましては、やはり議会が何をやっているのか分からないというような声もいただいているところですので、今日も報道の皆さんには御臨席いただいているところです。
この議員辞職勧告決議そのものには強制力がないということ、やはり実効性がある施策を取っていくべきだという話で反対討論をした人間がいたということなども含めまして、できる限りで詳細な報道をしていっていただければと、お願いするところであります。  

そして、同僚議員の皆様におかれましては、長々と聞いていただいたわけですけれども、今お話しさせていただいたようなこと全てを踏まえまして、本当に市議会議員として、市議会においてどういう話、どういう決断をしていくことが津山市の未来のため、津山市議会の将来につながっていくのかを、いま一度考えていただき、何とぞ適切な御判断をいただければと思うところです。
よろしくお願いいたします。
ありがとうございました。

 

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三浦 ひらく

三浦 ひらく -PROFILE-

世界を暮らしやすく楽しく変えるため、相棒ひらくマと一歩ずつでも現状改善していくために日夜ハゲむ、1978年生まれの岡山県津山市議会議員。選択肢の多い社会を目指し、政治も手段の一つと捉え、地域振興、多様性理解促進、生きづらさ解消、表現の自由を守るための活動、インフルエンザ脳症撲滅、臓器移植意思表示推奨などをライフワークとして活動している。

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