未来拓く、みうらひらくです。
津山市議会議員、三浦ひらくです。
今日のスタートは…岡山県ではありますが、津山市からはそれなりに離れている和気郡和気町からでした。講堂が国宝に指定されている特別史跡旧閑谷学校や藤公園が有名なまち。早朝から和気町を訪れたのには、もちろん理由がありました。
先だって参加した地域課題を探るシンポジウム”教育の環境”において…本日、和気閑谷高等学校で取り組んでいる”閑谷學(しずたにがく)”という、地域に根ざした総合的な”探究”の時間としての学習の成果を発表する探究学習発表会があることが紹介されたからです。
文部科学省から令和3年度も「地域との協働による高等学校教育改革推進事業」の指定校に認定されている和気閑谷高校の取り組みには強い関心があったため…昨年度まで津山市の高校に勤務しておられ、今年度から転任されている先生にちょうどシンポジウム会場でお会いできたのを良いことに無理やりお願いさせていただき、見学にお邪魔したという経緯でした。
上の図にありますように、地域課題の解決等を通じた学習カリキュラムを構築し、地域ならではの新しい価値を創造する人材を育成する…ということが、つまりは和気閑谷高校での取り組みの一つの目標であり、目的なのだと理解しています。もちろんそれは素晴らしいことで、津山市だけでなく、様々な自治体や教育機関で、そんなことが出来るのであれば是非ウチでも取り組みたい…と思うところが多いであろう話です。
ただ、実際どうやる?
理想ではあるけど、そんなのメッチャ難しいでしょ…そう感じるのが正直なところでしたので、やはり直接赴いて自身で確かめることが肝要だと考え、ツヤマノチカラの仲間である安東議員と共に見学させていただいたというわけです。ちなみに田口議員は本日、別の研修にお出かけ中でした。ツヤマノチカラのメンバーは皆、とにかくフットワーク軽く動くことと勉強熱心であることが特長であると私自身は思っています。
話が逸れましたが、天気が良過ぎてかなり暑い中…安東議員が午後からの予定の関係で一足先に帰った後も、午前中の全てを費やし、何と流れで終業式にまで参加(!)させていただき、色々と勉強させていただきましたので、その一部を共有させていただきます。
昨年、津山東高校で似たような趣旨の活動発表を見に行った際のことを思い出しましたが…その際の発表資料に負けない、むしろ作り込まれている感があるしっかりとデータ化された資料をもとに、時間配分をしっかりと考えながらプレゼンする高校生の姿はとても頼もしく(25年前に高校生だった私の時代には考えられないような高度な取り組みですからねッ!)、またこうした経験はそのまま、例えば歴史年表や数学の公式を頭に入れるよりもダイレクトに…将来の糧になり得るものだと感じました。
地域の公共施設などを有効活用することによる住民福祉の充実など、地域をより良くしていくための具体的提案を、健康・教育・歴史・文化・ビジネス・自然科学といった様々な角度から各グループ、各人が発表して…それぞれの発表内容に対して、皆が質問や意見、感想などをその場でフィードバックすることで内容をブラッシュアップ。より実現性の高い、効果的なものとしていくことが期待できるという流れの試みでした。
何より素晴らしいと感じたのは学年ごちゃ混ぜ、交流しながら実施されていること。
下級生は先輩の発表から学べることが多いはずですし…上級生も下の子たちが見ている以上、気合いが増すことでしょう。
そして実際に”ゼミ”という大学の授業のような表現が用いられていたグループ探究の分野ごとに、課題解決のアプローチや調べた結果として得られたデータ、あるいは反省点や失敗といった体験すらも体系化して継承していくことができます。後輩へと引き継いでいくことで、より時代にマッチした(最近は1年間で事情がガラリと変わる世界もたくさんあるワケですから!)良いものとしていくことが可能になるのです。
効率面でも実に理にかなった、興味深い取り組みでした。
まず二年生グループの発表時間があって休憩。そして三年生の個人発表があった後にまた休憩。この二つは各教室で機材を用いて対面でのプレゼンという形でした。しかしその後に行われた五つのグループと五人の個人による代表発表は、放送室からオンラインでそれぞれの教室に配信されるという形だったのです。
そして全ての発表が終わって閉会した後に、何とこのままオンラインで終業式を開催!
最後の発表を見させていただいていた教室にそのままいても構わないと先生に言っていただいたので、校長先生のお話を聞いて…終業式もフル視聴という形で参加(?)させていただいてから退散。
エキサイティングな体験でした。全ての発表を終えた後には教頭先生による総評があり…見て聞いていただけの私にも響くような、大切なことを沢山言われていました。
先輩の取り組みを継承していくにしても、自分たちのエッセンスをガンガン入れていくべきだという話や…目的を見失わないようにということ(やること自体が目的化しないようにという意味だと理解させていただきました)、身近なところから問題を掘り起こしていって考えること…そして”伝える”と”伝わる”の違いなど、非常に示唆深い内容が詰め込まれたコメントでしたが…その後に、実行委員会の生徒さんによる総評が最後の最後にあったことも良かったなと感じた点です。
まさに生徒たちが主役で、彼ら彼女らが主体的に取り組んでいる証ではないでしょうか。
地域住民の方々、地場の企業の皆さまがよく学校に来てくれるというお話も伺いました。
子どもたちがあれだけ頑張っている姿を見せられたら…そりゃ大人もサポートしないとって思うだろうなと得心がいったところです。
参考になることがとても多い時間を過ごさせていただいたことに感謝しています。ご無理を聞き届けてくださった岡山県立和気閑谷高等学校の生徒、教職員の皆さま…本当に有難うございました!
本日はこんなところで。また明日!