見て見ぬ振りしないで!昨年度、津山市の児童虐待件数は119件。

未来拓く、みうらひらくです。
津山市議会議員、三浦ひらくです。

さて…昨日のエントリーでは津山市のこども保健部の皆さまが、とても素晴らしい”神対応”をとってくださったことを紹介させていただきました。

児童虐待を減らそう!そしてなくそう!津山市の神対応に拍手喝采!

2021-11-02

期間限定でオレンジにライトアップされた津山すこやか・こどもセンター&鶴山公園・津山城跡の石垣を是非ご覧ください。残念ながら下の写真一枚ではとても伝わらないので…是非、現地で実物をチェックしてみていただき、よろしければ是非写真を撮っていただき…SNS等で発信してやってください!


先だっても移植医療のテーマカラーである緑をフィーチャーしたグリーンリボン運動を紹介させていただき…その一環で岡山城や備中国分寺の五重塔などがグリーンにライトアップされていることに触れ、津山市でも開催したいと書きました。来年には何とか実現させたいところ。

10月は臓器移植普及推進月間。鶴山公園の備中櫓を緑にしたい!

2021-10-03

社会には様々なテーマカラーを持つ運動があります。

津山に住むの多くの皆さまにとって特別な意味を持つ、津山市のランドマークとも言える鶴山公園・津山城跡。歴史的にも非常に高い価値を持つと言われ、郷土を愛する私たちの誇りでもあるその場所のあの見事な石垣を、目を引くような色彩でライトアップすることは適当ではないという声も、中にはあるようです。

感じ方は人それぞれです…もちろん、どのような感じ方も否定する気はありません。

ただし、そうした歴史的遺産、文化的にも価値がある津山の宝だからこそ…その宝を今を生きる私たちの生活、暮らしをより快適で心地良いものとしていくために、悲しい思いをする人を一人でも減らすために活用していくことは、とても素晴らしいことであると私は考えます。

これは宝の価値を貶めるような行為では決してなく、むしろ価値を高める行為であり、また色彩豊かなライトアップによってその宝が物理的に毀損されるわけではない以上、大いに推進していくべき方向性であると思うところなのです。

津山市の2020年度(令和2年度)の児童虐待通告件数は251件(前年比−27件)。

通告とはつまりは通報のことです。当然のことと言えばそうですが…児童福祉法第25条には、児童虐待を受けたと思われる児童を発見した場合、全ての国民に通告する義務が定められているのです。つまり児童虐待の通告(通報)は全ての国民に課せられた義務なのです。

見てみぬふりをすることは、あってはならないことで…先だってもいじめの件を取り上げたエントリーで書きましたが、当事者の苦しみに思いを馳せることができるのであれば。遠いまちで決して戻らない最悪の事態が発生したことを自分のことのように感じ現場を非難するほどに熱くなれるのであれば。どうか…自分の住んでいるまちで同じような事例が起こりうる可能性はないのか、これを改めて考えてみてください。

そしてどうか…実は考えるまでもなく、実際に起こっている現実を知ってください!

津山市での251件の通告の内…119件が実際に虐待に該当(前年比+11件)しています。

児童虐待は現在、厚生労働省においては4種類に分類されています。以下の分類表は厚生労働省公式サイトからの引用です。

身体的虐待 殴る、蹴る、叩く、投げ落とす、激しく揺さぶる、やけどを負わせる、溺れさせる、首を絞める、縄などにより一室に拘束する など
性的虐待 子どもへの性的行為、性的行為を見せる、性器を触る又は触らせる、ポルノグラフィの被写体にする など
ネグレクト 家に閉じ込める、食事を与えない、ひどく不潔にする、自動車の中に放置する、重い病気になっても病院に連れて行かない など
心理的虐待 言葉による脅し、無視、きょうだい間での差別的扱い、子どもの目の前で家族に対して暴力をふるう(ドメスティック・バイオレンス:DV)、きょうだいに虐待行為を行う など

昨年度の津山市の現状をお伝えします。

119件のうち…身体的虐待が17件、ネグレクト(育児放棄)が77件、心理的虐待が25件。

これは実際に認定された数字です…問題の性格を正しくわかってくださっている方ならば、表に出てきている数字よりも実情ははるかに多い数が潜んでいると考えられることを、ご理解いただけるはずです。

実際に起きていることです。

目を背けたくなりますが、性的虐待がゼロであることも見落としてはならないと考えています。

一昨年度もゼロでした。

極めて残念なことですが…実際には決してゼロではないであろうことについて、私は知識だけでなく経験の上からも、限りなく確信に近いものを持っています。性的虐待の数値が実情からかけ離れたものであると考えられることについては様々な方面からも疑問の声が上がり続けているところです。

また通告件数251件のうち、実際には虐待ではないと判断されたケースは24件に過ぎず…119件(虐待認定された件数)と24件(虐待非該当件数)を除いた108件については、ハイリスク案件(虐待に発展する恐れがあるもの)と認定されています。

これらの数字をどう思うのか?

できるなら知りたくなかったと思う人もいるかもしれません。しかし考えてみていただきたい。

その知らんぷりが、子どもの命や尊厳を奪うことになるかもしれない。

他ならぬアナタ自身の、その知らんぷりが…です。裏を返せば、私たち周囲の大人のちょっとした勇気、ちょっとしたアクションで、子どもたちの命や尊厳を守ることができるかもしれないのです。違和感を覚えた場合は、どうかそのままにしないでいただきたいと願います。

迷わず通告して、現状を説明してください(匿名・無料で掛けられます)!

無論、疑わしくない場合に通報することなどはあってはなりませんが…一度落ち着いて考えてみても結論が変わらないのであれば、空振りを恐れてはならないことは、上に紹介した数字からも明白ではないでしょうか。

厚生労働省公式サイトより画像引用。

いち早く…の語呂合わせで覚えやすい”189”は令和元年12月3日より通話料が無料化された全国共通の児童相談所虐待対応ダイヤルです。携帯電話からでも発信可能で…オペレーターが地域情報を聞き取り、管轄児童相談所を特定して対応する流れです。もちろん匿名での利用が可能で、通告・相談をした人や内容に関する秘密は守られる仕組みになっています。

悲劇を防ぐためには、積極的な利用を推進していかねばならないと考えています。

今までこの仕組みで防ぐことができていない(児童虐待件数は増え続けている)ことは明白ですが、この仕組みがなかったとしたら、さらに多くの子どもたちが苦しみ続けていたことも確実なのですから。国が用意しているこうした仕組みがある以上は、利用しない手はありません。

厚生労働省公式サイトより画像引用。

事件の当事者でないのであれば…大人は嘆き悲しんでいる場合ではありません。

一刻も早く、一件でも少なく、取り返しのつかないケースを減らしていくために尽力すべきです。

当然ながら津山市内でも189はご利用いただけますが、津山市こども保健部のこども子育て相談室でも相談等は承ってくれます。こども子育て相談室では専門の児童相談員の方子育てにおける様々なご相談に応じてくれます。こちらでも無論、個人情報等の秘密は守られます。

子育てに悩んだときは1人で抱え込まず…どうかお気軽にご相談ください!

子育て全般について、何でもお気軽にご相談ください…と、頼もしく有難いお言葉をこども保健部長からも頂戴しております。

上の2枚の写真は昨年ご提供いただいた資料です。書いてありますように…どうか、本当にお気軽に。

誰かを頼ろうとしてみてください。

周囲の誰か、行政、もちろん私自身でも構いません…ともかく、1人で抱え込まないで。

児童虐待の緊急時の連絡先について

子どもの命に危険があるなど緊急度が高いと判断できる場合、津山警察署(電話番号0868-25-0110 or 110番)に電話してください。
また上記ほどではないものの、緊急の対応が必要と思われた場合は津山児童相談所(電話番号0868-23-5131)または児童相談所全国共通ダイヤル(電話番号189)へとご連絡をお願いいたします。

※それぞれ24時間受け付け可能です。

時に代わりに通告してもらえないかという相談を受けることすらあります。何の確認もせずにハイわかりましたと代行するわけにいかないのも事実ですが…そういったリクエストでも構いません。長々と書きましたが…とにかく、お願いしたいのはコレです。

見て見ぬ振りをしないで!

私からではなく、現在進行形で苦しんでいる子どもたちからの声だと思って、児童虐待防止推進月間である11月の間くらいは今まで以上に気を付けて、周囲の子どもたちの様子を見守っていただけたらと願います。

本日はこんなところで。また明日!

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三浦 ひらく

三浦 ひらく -PROFILE-

世界を暮らしやすく楽しく変えるため、相棒ひらくマと一歩ずつでも現状改善していくために日夜ハゲむ、1978年生まれの岡山県津山市議会議員。選択肢の多い社会を目指し、政治も手段の一つと捉え、地域振興、多様性理解促進、生きづらさ解消、表現の自由を守るための活動、インフルエンザ脳症撲滅、臓器移植意思表示推奨などをライフワークとして活動している。

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