近所での相互の助け合い…”互近助”とは?山村武彦防災システム研究所所長の講演を聞いて。

未来拓く、みうらひらくです。
津山市議会議員、三浦ひらくです。

鉄は熱いうちに打てと言いますが、人間の記憶ほど当てにならないにもかかわらず、強い確信を持って信じ込んでしまうものは多くないのではないでしょうか。記憶力が良いのが自慢だった時期もありましたが…実際問題、加齢とともに能力低下が著しいことを実感せざるを得ないシーンが増えてきました。

そんなわけですので先日、上記のエントリーで少し触れていた岡山県市議会議員研修会について、忘れないうちにまとめて書いておきます。アイキャッチ画像とタイトルでピンときた方もおられるかなと思いますが、講師を務めてくださったのは大きな自然災害などが発生した際などには各種メディアで引っ張りだこになる、防災システム研究所所長の山村武彦さんでした。

実際に講演内でお示しいただいた資料の共有許可は頂戴できませんでしたが、上記の扉とプロフィールについてはブログへの掲載許可をいただきましたので、ご紹介させていただきます。

さて、所感。

上でも大きな災害などが発生した際に引っ張りだこになる…と書きましたが、大事なのはむしろ通常時の備えです。緊急時、非常時に冷静な判断ができたり、訓練の成果を着実に発揮できる人は決して多くないことは歴史が証明していますし、災害発生直後に適切な行動が取れる人はほとんどいないという事実については、山村先生も言及されていました。

「みんなでいれば安心!」には科学的根拠はない。

今や山村先生の著した文章が現代国語の教科書にも掲載されていることなども紹介され、エビデンスの大切さについても言及いただきたました。まだ危機管理や防災、ボランティアという単語すら一般的でなかった時代から、実際にご自身が災害が発生した現地を訪れ、実体験として災害現場の困りごとと向き合い、知識と経験を積み重ねていった方だからこそ、強い説得力を伴って話せる内容でした。東日本大震災が政治の世界に飛び込む引き金になった私にとっては、非常に貴重な機会だったと感じています。

万一の際の避難場所が決まっていたとしても、そこに向かうまでの経路が安全か否かは状況によってはわからないし、避難所自体が危険になる場合も起こりうることを想定して、臨機応変な対応が取れるように備えておくことが重要だということです。

防災でも、他のことと同じように目標を立てる上で大切なのは具体的な数値を掲げることだという言葉が印象に残っています。そして情報公開を進めることも肝要だと言われていました。それらが結局のとこと、本当に誰一人取り残さない安心安全なまちづくりへと繋がるのだという主旨だったと理解しています。これらについては、津山市の取り組みの中でも十分になされていると言える状況にはないと感じていますので、改善を促していかねばというところ。

自然災害の発生自体をゼロにすることはできません。

発生した際に、被害を最小限に止めるために…対症療法よりも、まずは災害予防訓練を重ねることが大切なのです。大人だろうが子どもだろうが自分の身は自分で守るしかない状況が発生した際にどうするか…小さな揺れや緊急地震速報があった際にすぐに行動できるように様々な意味で備えておかねばならないのです。

テレビを見ている場合ではなく、その場に合わせた命を守る行動が必要だということです!

発災時に自分自身がいる場所によって、取るべき行動は異なってきます。例えば大きな地震が起こった際に二階建て家屋の二階部分にいたなら無理して外に出ない方が良いだとか…マンションなら閉じ込められないように玄関の扉をすぐに開けるべきだとか…ともかく、訓練が大切です。

阪神淡路大震災では、現場で亡くなった方の92パーセントは地震発生後14分以内に亡くなっていたというデータもあります。

だからこそ、近所での相互の助け合い…”互近助”が求められるってこと。

地域の防災訓練などは、何も起こっていない平穏な日常の中ではともすれば面倒くさく感じられることもあるかもしれませんが…ご自身と、大切な誰かの命を守るために非常に重要な取り組みなのです。是非とも個人レベル、地域レベルでの取り組みにも改めて目を向けていただければと願うところです。

自分自身の昨今を振り返ってみても反省する点がありましたので、自助・共助の部分を個人レベルで強化に努めつつ…公助についても適切な支援がなされるように、防災は何度も議場で発言してきた重要なテーマでもありますし、引き続き議会でも取り上げていき、不断の見直しと改善がなされる環境を整えていただくべく、後押ししていきます。

本日はこんなところで。また明日!

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三浦 ひらく

三浦 ひらく -PROFILE-

世界を暮らしやすく楽しく変えるため、相棒ひらくマと一歩ずつでも現状改善していくために日夜ハゲむ、1978年生まれの岡山県津山市議会議員。選択肢の多い社会を目指し、政治も手段の一つと捉え、地域振興、多様性理解促進、生きづらさ解消、表現の自由を守るための活動、インフルエンザ脳症撲滅、臓器移植意思表示推奨などをライフワークとして活動している。

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